#33 群青
今回は2007年8月1日に発売されたスピッツの33rdシングル『群青』を見ていきたいと思います。
この曲はなんと言ってもMVが見ものですね。
うさぎの被り物をしたかわいい人が2人踊ってるな~と思ったら、まさかのアンガールズ。
それだけじゃなく、2番のサビでメンバーも軽く踊っていたりして、楽しい雰囲気のMVに仕上がっています。
『ルキンフォー』の記事で触れましたが、この年はスピッツ結成20周年。
それを受けて、この曲も少しそういったところを取り入れている気がします。
ただ、そこまでその要素がゴリゴリに出ているわけではないですし、『ルキンフォー』が熱い回想や決意表明の歌だったとするならば、『群青』は、あえて言葉にするなら「がんばろうの歌」だと思っています。
この曲の中で、特に印象に残るフレーズがこちら。
優しかった時の 心取り戻せ
嘘つきと呼ばれていいから
唐突に出てくる”嘘つき”というフレーズにドキッとしますね。
この”優しかった時”というのは、純粋でいられた時代のことを表しているのかな、と思います。
少し尖ってしまっていたけど、もう一度初心に戻ってやり直そう。
たとえそれが、今の自分のやり方とは違っていても。
と、こんな意味合いが込められているのではないでしょうか。
”青”というワードには「青二才」という言い回しのように、若さや純粋さを表すのに使われたりもしますしね。
そして、この”青”を象徴しているのが、2番に出てくる”海”ですね。
MVでも、厳密に言うとロケ地は湖なのですが、まぁ波打ち際のようなところで撮影されていますよね。
”海”というワードには、先ほど解説した「青」のイメージともう1つ、これから待っている未来が無限大だというイメージもありますね。
で、その上を鳥が飛んでいたり、それを追いかけて走り出したり…というところからも、自由なイメージだけじゃなく、未来に向かって飛び出していく感じも受けますよね。
というところで、この曲は「スピッツのこれから」に重ね合わせて聴くこともできますし、「初心に戻ってもう一度がんばろうよ」というメッセージと受け取ることもできるでしょう。
ま、後者で受け取る場合にも、この時点ですでに20年やってきている人たちからのメッセージなので重みがありますね。笑
この曲は全編ハモっているので、そこにも注目です。
MVはYouTubeで見れますし、サブスクでも聴けるのでぜひ。
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