#25 さわって・変わって
今回は2001年12月12日に発売されたスピッツの25thシングル『さわって・変わって』を見ていきたいと思います。
これもまたロックですね。
恋愛ドラマの主題歌になった『遥か』はともかく、この頃の曲はメンバーの意向もあってかなりロック寄りのテイストになっています。
特にイントロの、ギターをジャカジャカかき鳴らす感じがしびれる。
ポン、ポン、ポン、ポン…という電子音のような入りから一気に騒がしいメロディが始まるので、余計にカッコよさが際立ちます。
この曲の舞台ですが、冒頭の”天神駅”という固有名詞からわかる通り「福岡の街」をイメージして作られたものであることは間違いないでしょう。
ボーカルの草野マサムネさんの出身地、福岡です。
そしてこの曲の情景はズバリ「夜の営み」ってところでしょうか。
ぬるい海に溶ける月 からまるタコの足
言葉より確実に俺を生かす
なんてもうまさに「そのもの」じゃないですか。
いちいちコレがアレで…みたいなことを言い出すと無粋ですしだいぶディープになるのでここでは控えますが、その中でも面白いなぁと感じたのが”からまるタコの足”という表現。
2人分の手足、合わせて8本が、別個としてではなく1つの物体として動いている感じ、生々しいけれどもすごくリアルですよね。
それに続く”言葉より確実に俺を生かす”というフレーズも、その前に天神駅で”君”と別れるシーンと連動しているのでしょう。
飾った言葉をクドクドと並べるよりも”君”と身体を交わらせる方が、”俺”の愛情表現としては合っているんだ…みたいな。
2番のこのフレーズも面白いなと思います。
3連敗のち3連勝して街が光る
これもいろんなイメージが浮かびますね。
例えば、福岡といえば福岡ソフトバンクホークス。当時はダイエーですか。
ホークスが勝って街が賑やかになっている風景とか、ものすごくはっきりと思い浮かぶんじゃないでしょうか。
それから、僕が最初に思い浮かんだのはパチンコです。
負けて、負けて、やっと勝ったら大当たりみたいな、まさに”もういいやとか言いたい時にこらえる”感じです。
で、どっちにしても直後のサビの”玉”に綺麗につながると思いませんか?
まぁこの”絶えず転がる玉”っていうのも、あえてはっきりとは言いませんがなんとなく夜にフル稼働する”玉”のような気がしますが…
とにかく、ホームタウンを舞台にこんなエロい歌詞を書けちゃうという。
やっぱりただ者じゃないですね。
MVはYouTubeで見れますし、サブスクでも聴けるのでぜひ。
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