#22 メモリーズ
今回は2000年6月21日に発売されたスピッツの22ndシングル『メモリーズ』を見ていきたいと思います。
これまでに何曲か「アルバムバージョン」なるものが存在する楽曲が出てきましたね。
この曲にも違うバージョンがあるのですが、それは「アルバムバージョン」とはまた異なる、言ってみれば半分別物の曲です。
タイトルは『メモリーズ・カスタム』。
これがまた「メモリーズ派」「カスタム派」という議論が生まれるほどの話で、1つの記事で両方をさらうのははっきり言って無理です。
というわけで、この記事では『メモリーズ』だけを紹介して、また別の機会に『メモリーズ・カスタム』を紹介することにします。
ちなみに僕はハイブリッド派です。セコいか。
曲自体はというと、イメージしやすい言い方をすると「スピッツらしくない」。
音程の変化が少ない曲調に歪んだボーカル、これまでの曲には出てこなかった言い回し…
『ロビンソン』や『チェリー』のノリで聴くと、かなりスピッツのイメージが変わりそうな曲です。
で、これを読んで納得のいく解釈をしろ、というのも難しい…
ところどころで韻を踏んでいることもあって、おそらく描きたかった世界観を100%表現できてはいないでしょうしね。
ただ、ぼんやりとしたイメージでいいなら、この曲は「昔好きだった人を今でも想う歌」ってところでしょうかね。
ま、思い出して妄想にふけるぶんには全然問題ないのですが。
見えそうなとこでハラハラ あなたのために蝶になって
右手に小銭ジャラジャラ あなたのために蝶になって
気の向くままにフラフラ あなたのために蝶になって
飛んでゆけたなら…
絶対に妄想してるだけじゃないですよね。
”あなた”のもとに到達していないので「飛んでいった」とは言えませんが、「飛んでいく」チャンスをうかがっちゃってますよね。
最初は”あなた”の家の近くで、電柱にでも隠れながらコソコソ見ているんでしょうか。
次のフレーズがけっこう「なんじゃそりゃ」みたいな扱いを受けますが、僕としては公衆電話のイメージですね。
”あなた”に電話をかけたい、といったところでしょうか。
そして最後がどこかで”あなた”に会えないかなぁと思いながら街を歩き回っている、みたいな。
行動が完全にストーカーのそれです。
ただ、そもそもこの曲が現実味のないような、どこかとらえどころのない雰囲気の曲ですから、これも含めて”僕”の妄想だというとらえ方もできそうですね。
とにかくこの曲は一度聴いてみることをおすすめします。
聴いてみれば絶対にこの曲の世界観に浸れるはずですから。
MVはYouTubeで見れますし、サブスクでも聴けるのでぜひ。