名前に関する雑記

この記事は「名トアドベントカレンダー2023」に参加しています。私が企画しました。偉い。

名トってなんだ!という人は下のリンクから他の記事をチェックだ!多分誰かが名トとは何かを説明してくれています。


名前についてちょっと話します。
参加者のハードルを下げるためにかなり雑に、突貫で書きます。これくらいの雑さでええんやで。


今回話す「名前」が指すのは、例えば

野薔薇の異能 地咲舞香

第一回 締切1時間ッ!地獄のゲリラクロスレビュー杯

という時の、「地咲舞香」の部分のことです。二つ名ではない部分、そのキャラが実際に人から呼ばれる名前の部分と言えばいいでしょうか。読んでいる貴方たちの大体も親族や猿や狼からもらったと思います。



バランスの話

キャラクターを作るとき、名前を最初に決める人は少ないんじゃないでしょうか。私は戦い方や見た目、職業、生い立ちなどの背景事情の設定から二つ名部分を決定して、そのあとに名前を決めています。「作文のタイトルは最後に決めなさい」と言われたことがあると思います。名前を作る作業はそれと似ているかもしれません。読み手が「本文の内容が大体理解でき」、「読みたいと興味を引くような」名前が求められます。仏の目を書くようなとても神経の使う最後の大仕事です。

とにかくバランスが難しい。私たちは名前という媒体でバトルをしています(←?)。「二つ名+名前」の文字列だけにどういった情報をどれくらい詰め込むかで勝敗が左右するわけです。二つ名はある程度自由がきくんですが名前はそうはいきません。それ相応の「名前らしさ」が求められます。それだのに、名前は文字情報の半分くらいを占めていやがる。より多くの情報を伝えるには二つ名だけでなく名前にもキャラの背景を染みこませたい!そうすると今度は名前らしさが薄れてくる。名前らしさを優先させようとすると情報が載せられない!名前らしさと情報量はなかなか共存してくれません。助けて!

名トでもたびたび話題に上がりますが、『僕のヒーローアカデミア』に登場するキャラクターの名前はキャラの背景に重きを置いてますよね。上鳴電気という名前を見て電気を使わないわけない。名は体を表すを突っ走っています。

火属性なら焔とか炎、赤色関係の漢字を名前に入れたくなります。氷属性なら、凍や雪、青色。属性がはっきりしているキャラは名前に雰囲気や色の似た漢字(またはそんな響きのカタカナ)を使うと統一感が出て、キャラが立ちます。読み手がすっと理解できる気がします。戦い方やモチーフ、人となりを名前に組み込むと議論者に効果的に情報を伝えられます。

名トだと名は体を表すキャラは落語家とゴブリンに多いですね(あとは胡乱ドラゴン)。対してロボやデカ獣やドラゴン、そして一般人(女子高王子様とか)は雰囲気や響き重視、つまり名前らしさが重要視さられている気がします。

逆に、あえて常用されない漢字、すぐに意味がわからない文字、キャラと結びつかなそうな表現を使うときは最新の注意を払っています。難解で一筋縄ではいかないような雰囲気を与えてくれるので私もよくやる手法なんですが、バランスが難しいよね。うまくはまれば「なんか強そう!」となるんですが、特に触れられずそのまま敗北することの方が多い気がします。情報が多すぎると解釈以前にまず咀嚼できませんからね。分かりやすさってかなり大事。加えて「名前らしさ」も失われてしまいます。普通、わかりづらい漢字は名前に使われませんもんね。

そもそも「名前らしさ」ってなんなんですかね。実際、現実にはキラキラネームと呼ばれる名前が存在し、「特殊な読み方や海外の名前読みなど、奇抜な名前」を意味しますが、これは根底に名前らしさという概念があることを示しています。一般的でありふれた名前がまず合って、それに当てはまらない「名前らしさ」が無い名前をキラキラネームと分類したわけですから。

私は名前らしさにこだわることが多いです。名前で背景を説明しようとすると、「親はなんでこんな名前を子につけたんだ」と考えてしまうからですね。だから名前に死や殺みたいな攻撃的な文字を入れることがほとんどないです。キャラの輪郭がぼんやり浮かぶような、雰囲気だけの名前を作りがち。とくにカタカナネームはその傾向が強い。いつも伝われ〜と祈ってます。

それに加えて、できる限り情報を削ぎ落とそうとする私の性格も関係してそうです。そもそも名前にそこまで情報をのせたいと思ってないんですね。名前より二つ名に力を入れるタイプなので名前はフレーバーほどに思っています(とは言っても手は抜いてませんが)。名字だけ、下の名前だけのキャラも多いし(ルリハとか唐島とか佐藤とか)、名前すら不要な情報だと思ったときは容赦なく消しています。最近はエレベーターガール作ったね〜。

以上、名前のバランスの話でした。


名前作るときに考えていること

この前、持ち逃げ杯で良い名前が作れたのでその制作過程を公開します。主催さん、開催前に開示することを許してください。ちょうど良い例だったんです。

まず先に二つ名ができました。

終末ヒッチハイカー

背景は「舞台はポストアポカリプス、荒廃した都市に野放図に広がる植物。平和すぎて絶望すら感じる青空の下で、自由に気ままに旅をする日本人女性(10代後半から30台前半あたり)。ワンチャン、終末にヒッチハイクする能力とも解釈できる余地を残す」です。どう?どんな名前つける?

正直、二つ名だけでも完成度高いと思うんですが、私の思い浮かべた想定はこれだけじゃ伝わらないので名前をつけます。ただの平凡な一般人が終末の中にいるという対比を際立たせたいと思い、ありふれた名字をつけようと思いました。色々考えたあと「遠藤」にしようかなと決定。「遠」が終末と荒野の地平線と結びついて良さそうな感じ。

終末ヒッチハイカー 遠藤

ワンチャン戦える枠を狙っているのでもう少し名前に個性を出したい。果てしなさ、どこまでも続く感じを出したい。「延々」や「永遠」を意識しつつ「遠々藤」に。えんえんどう。ちょっと肩の抜ける感じも私の想定にマッチしている気がします。

終末ヒッチハイカー 遠々藤

あとはキャラの輪郭をつけていきたいかな。想定は女性なので、女性の名前らしさを意識しながら候補を考えていく。……最終的に「彼方」に決定。かなたは実在する名前で、終末と永遠にもピッタリなチョイスだと思います。

終末ヒッチハイカー 遠々藤 彼方

完成!統一感のあるすっきりした文字選びになりました。情報量もちょうどいいし解釈の余地も十二分にある。既に終わった世界で果ての先を見続ける女性の勇敢さと無謀さがきれいに表現できたかなと思います。今見返すと「彼方」ではなく「かなた」とひらがなでもよかったかもですね。そうすると想定より幼い印象になるんですが、ひらがなの方が「名前らしさ」がある気がします。本当か?自分でも分からねぇわ。

名前部分でどこまでキャラを表現するか難しいよね~って話でした。みんなはどんな名前つけた?そろそろ開催される穴埋め杯が楽しみですね。


好きな名前いくつかあげる

いくつか名トから良い名前を挙げよかな。思いついた奴を持ってきます

“明日の神話”薗内いつか(そのうち いつか)

本戦に出す程でもないが出したいキャラ杯(ちょうど良い杯)

いろんな厄介ごとを「そのうちいつか」まで先延ばしにする能力をそのまま名前にしています。「名前らしさ」もしっかり備えつつかわいらしい整った名前だったので印象に残ってます。あと私がこういう特殊能力が好き。

悪役覆面レスラー🐗キーズ=ナッシ

本戦に出す程でもないが出したいキャラ杯(ちょうど良い杯)

同じ大会から。傷が無いことを大胆にそのまま名前にしています。ちょっとコミカルなキャラ、ギャグ寄りなキャラにしたいときは既存の言葉をもじると雰囲気が伝わりやすい気がします。もしキーズ=ナッシがリングネームだったとしたら、キャラが自分で「傷なし」を名前にしていることになるのでかなり萌ですね。

嗜虐×劇的 人形ごっこ (ドラスティック・ラヴァーズ) 可愛 抄荼音/可愛 㥋音 (かわい そうだね/かわい いね)

萌杯(オンナ編)

こういう表現もあるんだと名前見た時すげ~って思いました。名字までは共通して下の名前が異なる、しかも対照的になっている構図が良い。見た目そっくりな双子が両側からめちゃくちゃにしてくる感じがします。

『星の建設家・月の崇拝者』 レステリア・ノースロップ

名ト第4回 専科杯本選

名前の響きがかっこよすぎる。レステリアのみ、ノースロップのみではなくレステリア・ノースロップだから良い。二つ名と相まって、冷たさ、誇り高きさ、神秘さが伝わってきます。雰囲気よりの名前って良い。

ウラシマ・ジョン

最強の名前トーナメント団体戦

良い。ウラシマから浦島太郎を想起させつつ、カタカナであることと明らかに日本人名ではないジョンという下の名前とのアンバランスさがそのまま魅力につながっています。説明しない大胆さって良い。(本当はミスで二つ名が消えちゃったらしいけど)

焔魔堂 涼香(えんまどう すずか)

地名杯

またまた名前のみのキャラ。格の表現に無駄がない。炎につつまれながら涼やかに微笑んでいる表情が目に浮かびます。二つ名メインの名づけをしているので、こういう表現は見習っていきたい。

冷血の終戦屋 マダム グレイト レベッカ

クラシック杯

この名前見た時やられたと思った。もうレベッカって名前を使えない。レベッカといったらこのキャラだと脳内で結びついてしまいました。それくらい名前と二つ名の相性がいい。

『FUTURE IS UNKNOWN(みらいみめいのくらいくらいに)』 何者 なの

リポグラム杯

100点です。リポグラムなのに完成度高すぎやしませんかね。正体不明を名前にキレイに落とし込むときの最適解がここにあります。「なの」という下の名前から彼女(彼)の性格が現れてて嬉しい。

中之島遊助

ベストカップル杯2

「ああ、あいつそういう名前だったかも」というラインの攻め方がうまい。平凡な名前でキャラ性を理解させるのって難しいんですけど"なんとなく分かる"まで持っていける力量が羨ましい。

馬鹿みたいにデカくてアホほど長生きしている上に医学院も出ている癖してキャノン砲まで兼ね備えている決して死なない(即ちNever Die)偉すぎるタイ、宇内最大古代砲台医大偉大不死真鯛

名リお試しゲリラ


名前ではないかもしれないんですが、言ってて気持ちいいので頭に残り続けています。不死を「ふし」ではなく「Never Die」と読みなさいと二つ名で促しているの面白い。

悪事照らす白日の掃除人 中島火炎放射器

縛りくじ引き杯

火炎放射器をそのまま名前に持ってくるセンスが欲しい。中島という一般的な名字との奇妙な調和が良いですよね。

《揺蕩の妖刀》幽影“毒”刺客 瀛憑 刮煉燻

海洋生物杯

いまだに何て読むか分かっていない。得体のしれなさがひしひしと伝わってきますね。クラゲモチーフということもあって一目でやばいと実感できる良い表現の仕方だと思います。元ネタあるのかしら。無からこれを生み出したのならすごいよほんと。

禁術道化師 アピプ

THE・最強の名前トーナメント

嬉しい。体の気持ちいツボを押されている気分になる。アピプというおちゃらけた響きが道化師に非常にマッチしている。こういう名前見るとただただ嬉しくなっちゃう。

「恋の病魔は恐ろしや」転風亭 色詠(てんぷうてい しよん)

落語家杯

テンプテーション(誘惑)をそのまま屋号と名前にしている。当て字のチョイスが良いな~としみじみ思います。色(色恋沙汰)を詠嘆するという落語家のスタイルと、当て字と、名前らしさの三つを兼ねそろえており、なかなか高度なことをしています。もしかしたら名前を付けてから二つ名を付けたのかしら。

【致死率100%:絶対有害裁判長】夬 罪罪罪罪

第一回 締切1時間ッ!地獄のゲリラクロスレビュー杯

文字で遊ぶタイプの名前も名トではちょこちょこ見かけますよね。決の半分、四つの罪だから「はんけつ しざい」と読むんだとか。ありえないルビすぎる。

『堆き全能的偏食(ウルトラグランドファーストクイーン)』 メイシア・ムシャムシャール

最強の秋モチーフ杯

ムシャムシャールの響きがかわいすぎませんかね。二つ名でおっと思わせながらお茶目な名前で愛嬌を産む、この名前を見た時どう受け取られるかを完全に理解している名づけだと思います。すごいな。

人間弾道(じんかんだんどう)ミサイル人間(にんげん) 美才 流(みさい・りゅう)

人間杯

こうまで一直線な名前だと嬉しくなってしまう。ミサイルすぎる。勢い表現の仕方がうまいな~と思います。

魔法の傘使い サラ・アンブレラ

レイドバトル杯

シンプルって良い!私もこういう名前を作りたい/作っているから、見かけるとニコニコしてしまいます。呼んでて気持ちいいのも良いですよね。

このあたりにしとこうかな。ちょっと締切まずいんですよ。私主催なのに遅れるとかありえないので。


適当に書き連ねました。主催として、アドベントカレンダーはこれくらいの質で良いんですよ~という敷居下げを行う名目なので、かなり雑です。多分、主張に矛盾が生じている。まとまりがない。誤字がある。そして、後半になるほど荒い!みなさんは締め切りに余裕をもって書きましょう。

まとめるか。

名前って難しいよね~~~~!でもその分綺麗な名前が付けられると嬉しいよね~~~~~~!

おわり。
他のアドベントカレンダーの記事も見てね。主催からのお願いです。


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