自キャラの勝手な妄想
「最強の名前トーナメント」、通称「名ト」の第四回に提出した4人のキャラが好きになっちゃったのでそれについて書きます。いやね、キャラ名を考えれば考えるほど好きになっちゃうし、実際戦ってる様子を見てると愛着が否が応でも湧いてくるもんです。いろんな人に愛してもらえましたが、私が自キャラたちを一番愛しています。そんな愛息子、愛娘、愛ロボの個人的な設定を語らせてください。
俺が提出したキャラはこいつらだ~~~~~~!!!!!!!!
かっこよ。ほれぼれするわ。
こいつらがどのようにして生まれたのか、どういった設定があるのか、必殺技の内容を書いていきます。おまえはさっきから何の話してるんだって人は、私が「オリキャラの話をしてる」ってことだけわかってればいいです。
名前の考案者が勝手に言ってるだけです。公式解釈ではないことをご留意ください。
1.心優しき青年《英雄病》ゼオリアル
ゼオリアルは私が名トの存在を知って割とすぐうまれたキャラです。「英雄」っていう肩書が好きなので英雄キャラ作りたいな~って思ってたらふと《英雄病》っていう神フレーズが降りてきたので、そのまま形にしました。今見てもかっこいいな。ずっと味がする。
《英雄病》とは、いわば世界をまきこんだ英雄譚強制作成システムです。最初に世界に危機(魔王の誕生や天変地異)が訪れ、次に世界が安寧にむけて回復する作用が働き、最後に英雄が誕生する、といったプロセスを世界規模で引き起こします。それだけでも十分凶悪なんですが、これで終わりじゃありません。安寧が世界に訪れる度に《英雄病》は発動します。何度も世界の破壊と再生を繰り返す、それを無慈悲にも背負わされたのがこの男、ゼオリアルです。
ゼオリアルがいつ《英雄病》に罹患したかは考えていませんが、罹ってしまった時から彼は剣をとり悪を倒す英雄にならないといけなくなりました。なぜなら世界は彼を「英雄」だと認識してるからです。正義陣営の人々には彼のことが「英雄」に見えます。ゼオリアルの為す全ての行動は「正義のために行われた英雄的偉業」ととらえられます。彼が剣を振るったのなら、振るわれた相手は問答無用で「正義に仇なす悪」になります。その英雄フィルターにより、誰もゼオリアルの英雄の殻を脱いだ本当の姿を認識することはできません。二つ名の「心優しき青年」というのは英雄的イメージから作られた偽物の人物像です。本当の彼は他人なんてどうでもよく心優しくなんかないです(昔は優しかったのかもしれませんが)。
《英雄病》により世界の安寧が崩されるたびに、悪と正義は定義されなおされます。「倒すべき存在」「守るべき存在」が変わっていくわけですね。前回の英雄譚では味方であった人が次の英雄譚で敵になったり、敵だった人が次の英雄譚では彼を讃えたりします。モブである彼らはいくら正邪が入れ替わろうとそれを知覚することができません。気づいているのはゼオリアルのみです。英雄譚を繰り返すたびに目まぐるしく敵味方が変化するので、彼は誰も信じられなくなり究極的に孤独になりました。
「英雄」は敗北することはありません。《英雄病》はハッピーエンドが約束されているからです。そのため、ゼオリアルがいくら悪陣営に追い込まれて死にかけても(なんなら死んでも)世界がゼオリアルを英雄にするために歴史が修正されます。彼がいくら苦しもうが、痛めつけられようが英雄譚は無視して大団円に進んでいきます。
《英雄病》の唯一の治療方法は患者が死ぬことです。治療じゃないわ。救済でした。ゼオリアルはとにかく死にたがっています。自分の病気が生み出したくだらない英雄譚のせいで罪のない命が失われ、意味のない悲劇が繰り返され、そんな悪逆非道な自分が「英雄」だと讃えられるだなんて耐えられないからです。しかし英雄は敗北しないんです。死にたくても英雄ゆえに死ぬことができないんですよね。かわいそう。
以上のようなことからゼオリアルは「世界の希望を背負わされ人間不信に陥った自殺志願者」になりました。英雄フィルターが無かったらただの終わってる人間です。目の下にはエぐい隈ができてます。切り捨てたかつて仲間だった人の顔が夢にでてきて、夜は全く寝れないからです。この世のすべてのことがどうでもよくなってます。常に死ぬことを考えてるんでね。やばいでしょ、この男。
初期案には「心優しき青年」という部分はなく「《英雄病》ゼオリアル」だけでした。しかしそれだと「ゼオリアルって名前の病気そのものが出場した?」と思われそうなので、付けた次第です。なんなら青年じゃなくて少年だったりした。かわいそうすぎたので年齢をあげましたが。
「ゼオリアル」っていう名前も最初は全然違いました。初期案は確か「パストライナー」です。「パラノイア」や「ペスト」など病気モチーフでつくりました。そこから推敲を繰り返して英雄っぽい名前を追い求めていくうちに原型がなくなり「ゼオリア」を経て「ゼオリアル」になりました。なんでルが付いたのかは不明です。
必殺技について。英雄譚の展開がそのまま必殺技になりました。《発症》世界安寧機能不全で世界に危機が訪れ、《発症》世界ネガティブフィードバック機構で世界の安寧機構が元に戻ろうとする機運が高まり、《発症》世界救世主渇望症候群で完全なる英雄が誕生します。ネガティブフィードバック、一般的に「負のフィードバック」と言われるのですが「負の」がダサかったので英語にしました。敗者復活戦の技ということで、不利な状態から元に戻ろうとする世界修正力を人体の免疫機能になぞらえています。
《発症》、かっこよくない?思いついたとき街中なのにへらへらしてましたよ。本戦中も自画自賛するコメントを残すぐらい気に入ってます。《発症》に続く部分は、最初全然病気になぞらえていませんでした。「《発症》正邪の更新」「《発症》プロローグ」とかね。病気モチーフにすることで全体に統一感が産まれて見栄えが良くなったと思います。そのために「病気 用語」とかで検索しまくったわね。また、没にした決勝必殺技に「早く死ね」ってのがあります。ゼオリアル自身に向けた言葉ですね。議論の中でこの必殺技が開示されたら荒れに荒れるだろうな、と思いましたが、あまりにもかわいそうだったのと、私が想定した通りにゼオリアルの設定が解釈されなかったら意味が伝わらなさそうだったからです。
結果、ゼオリアルは決勝一回戦敗退でした。もっと勝ち進むと思ったのにな。《英雄病》が私の想定と同じように解釈されるなら、対戦相手は強制的に「世界の敵」に塗り替えられ、ゼオリアルはそれを倒す英雄になれるからです。大会には悪属性のキャラもよく出てくるのでメタになれるなとも思っていました。それにね、オタクってこういうキャラ好きでしょ?
だけどね。実際は対戦相手が「正義の団長」とか「根はいいやつの宇宙ヤンキー」とか「大魔法学校の校長」とかで、「善」な敵にばかりに当たりました。もうね、ずっと苦しかった。こんなかわいそうな設定にしたのは俺ですが、なんでこんなにゼオリアル君はかわいそうな目に合わないといけないのって思ってました。他の人達も同じように思ってたらしく、「かわいそうすぎるから早く負けさせてあげたい」という願いから負けた気がします。これは仕方ない。
私は、ゼオリアルが負ける=ゼオリアルが死ぬと思ってました。それ故、議論の中で校長の叡知により《英雄病》が治るという展開になった時は驚きました。死以外の救済ルートを模索されたのです。ゼオリアルの敗北決定時は「なんで死んでないんだ!彼は死以外の安易な救済を望んでいない!」となかなかに強火で厄介なオタクの思いが渦巻いていましたが、少し頭が冷えてからは彼の幸せをただ願っています。君たちがゼオリアルを殺さない選択をしたのなら、絶対に幸せにしろよ、と作者は思っています。
議論中で気になった発言。
・「《英雄病》って英雄症候群(ヒーローコンプレックス)では?」:これは私が危惧していたことでした。ただの英雄になりたい青年なんじゃないの?って思われないように、なんとかして立ち回ってました。
・「心優しき青年がゼオリアルって名前なのおもしろい」:分かる。
・「ケーキ見ると吐いてそう」:最高。最高すぎたので、ゼオリアルが敗北した時にお祝いにケーキ食べました。俺が魔王だ。
・「新しい怪異を見た」:これ、言われてまじでうれしかった。ありがとう。
初戦で早くも必殺技が開示されたときの、みなさんの反応が好きで何度も見返しています。にちゃにちゃしてます。「ゼオリアルに救われて欲しいけど、もっと苦しむ姿が見たい」ともだえて勝利させようとする参加者の姿が見れて満足です。託し曲もいっぱい送ってくれてありがとう。いろんな人の心にゼオリアルが残ったようでうれしいです。
個人的にはアルツメルヒェンと対戦したかったなと思ってます。あとは戦乃帝とかね。まあそれはIFの話ですが。
2.自律型ダンスアシストロボ リズボラ
いわゆる「カスキャラ」にあたる、勝つ気が全くないネタキャラです。同ブロックに出場した大怪獣や真面目そうな人間を踊らせられたらいいな、という願望だけで10分くらいで作りました。
リズボラは人型のロボット(男)で人間にダンスを教える役目を持っています。また仕事が無い時は路上などでダンスパフォーマンスを自ら行っている完全友好型ダンスオタクロボです。人間の文化の営みに感銘を受け、自分の意思をもって布教するロボって最高じゃないですか?最高だよね。リズボラはその身が朽ちて錆びるまでダンスの魅力を喧伝するでしょう。
確か初期案はドローンみたいなやつだった気がします。口うるさいダンス厄介AIでした。必殺技を考える過程で肉体が生えてきて今の名前にいたります。「リズボラ」は「リズム」をもとに楽しそうな発音になるよう変形させた結果です。
勝ち上がることを想定していないので必殺技は完全に設定用です。一応、予選は5人対戦であるから激しめな【鬼教官モード】に、敗者復活戦は「このステップをまねできる?まねできなかったら負けだよ」って勝手に解釈してくれないかなって【お手本モード】に、決勝は盛り上がりそうな【バトルモード】にしました。カスキャラだとしても、こだわりを持ってます。特に決勝戦の必殺技かっこよくないですか?
結果、予選1回戦敗退。知ってた。ただ、願望通りにダンスバトルに持ち込めそうだったので満足です。同ブロックの王子や生物学者が一緒に踊ってくれました。うれしい。
議論中で気になった発言、は特にありません。エロロボットとか思われたときは焦りました。そんなことないです。リズボラは健全です。
大会に出場してた同じロボ仲間のレッドオーシャンやスタンリーとは仲良くできそうだなって思ってます。あとは、ギュスタフとかノンハイドとかの堅物、ヴォルテッシモやでっかいカエルとかを躍らせられたらな、とか。それぐらいかな。みんなも踊らせたいキャラがいたらリズボラを使ってください。
余談。名トのミームになっている「恋ダンス」のことを提出時に忘れていたので、指摘されないか本戦中すごいドキドキしてました。杞憂に終わってよかった。
3.地獄の底から貴方宛 火車訪花(ひぐるまおとか)
「地獄の底から貴方宛」という二つ名がかっこよすぎたことから作られたキャラです。前に地獄について調べてた時に、火車(妖怪)は人間を地獄に連れていくってのを知って印象に残ったのがそのまま要素になりました。
火車訪花は名前通り火車がモチーフです。同様モチーフである東方projectの火焔猫燐とはキャラができるだけかぶらないように、と心掛けました。火車は「どうしても罪を犯してしまう人間を哀れに思い、彼らを地獄に連れていく間、せめて道中で退屈しないよういろんな話をしてくれる慈悲深く誠実な性格」です。その魂がどんなに残忍だろうが普通に接してくれるいいこです。ただ、人間のことは下に見ているので同情などはしません。しっかりしてる子。しっかりしてるのでスーツを着てるイメージです。話口調は冷たくも温かくもない淡々とした感じ。
最初はマンホールの下にいるネズミをキャラにしようかなっておもってたら、いつのまにか深度がえぐいことになってました。「地獄の底から貴方宛」が決まった後も紆余曲折があって、最初は人型ではなく、「カシャケラ」という謎の化け物の想定でした。火車+オケラ(土に潜っているので)が由来です。しかし提出キャラの男女バランスを考えて女性になってもらいました。
没名前に「花車訪火」とか「火車仄花」とかがあります。火車が元ネタであること、女性であることを意識した結果今の名前に落ち着きました。「仄花(ほのか)」は過去大会に同じ読み方のキャラがいたので没です。シンプルな女性の名前が思いつかなくて大変でした(後述のルリハも同様)。
必殺技は、とくにひねりを入れず直接的に。逃れられぬ死の轣轆(れきろく)は死の象徴である火車が到着した時の車輪の音を。轣轆ってかっこよくない?頑張って調べました。無間地獄ツアー1名様ご案内は訪花はそこまで堅苦しいキャラじゃないよ~って思わせたくてちょっと砕けて。一般的に無間地獄に行くには途方もない時間落ち続ける必要があるんですが、火車ならすぐに到着できるそうですよ。ツアーとか言っときながら片道切符だけども。ちなみに、最初これを予選技にしてたんですが、予選は乱戦なので「1名様」じゃないかもと思ってタイマンである敗者復活戦必殺技になりました。罪深き衆生への餞は訪花の慈愛です。地獄がむごい場所であることはよく知っているので、慰めとしてそこに連れていく前に彼女は餞別を送ります。どんな攻撃なのか具体的な想像はしてなかったです。
結果は決勝戦二回戦敗退。勝てそうなポテンシャルはあるがどうなるか分からないと思っていたので、ゼオリアルより勝ち進んでて結構驚いてます。火車、と聞いて輪入道(火をまとった車輪に顔面の付いた妖怪)を想像する人が多かったのか、車を乗り回し圧倒的炎で焼き尽くすパワーキャラとして捉えられたおかげで予選を突破できました。決勝では、死や罪にまつわるキャラと対戦したので相性勝ちできそうとおもったけど、人気で負けました。強いじじいはかっこいいのでしゃーない。
議論中で気になった発言
・「赤い着物きたおかっぱでしょ」:これ見たときに「確かに」ってなった。名前からすると和の要素が強いのでそう思われそうだ。
・「嘘の街を燃やす訪花見たい」:おとかって音読みで「ほうか(放火)」じゃんとか思ってた。
・「燃えてるハーレーのバイクに乗っててほしい」:やば。最高。大好き。
想定とは違い、訪花がパワーキャラに、人懐っこいキャラになったことでかなり勝ち進むことができました。「地獄の底から貴方宛」という二つ名をほめてくれる人が多くてうれしかったです。SS書いてくれた人もありがとう。自キャラの二次創作ってこんなにうれしいんだ。
見たい組み合わせとして、エンマモドキと比良坂柘榴の「死を招く」組との絡みかしら。あとは訪花の地獄への誘いを蹴り飛ばしたヴォルフィストには「いつ地獄にくるの?まだ?」と定期的に訪ねていてほしいですね。
追記(5/17):火車がバイク乗ってる概念のFAをいただきました。思わず咆哮した後、部屋中をのたうち回って一回転するほどうれしかったです。パソコンのデスクトップ画になりました。本当にありがとうございます。
4.自撮り魔の幽霊JK ルリハ
幽霊のキャラって少ないなって思って作ったキャラ。「自撮り魔」ってぱっと見怖いかもなと思ったのでそれを軸に作りました。あまり勝ちを狙ってない雰囲気キャラです。
ルリハは、不慮の事故で命を落としたのですが強い未練があったため現世を彷徨っている幽霊です。どうやら想い人がいたらしく、その相手が誰か覚えていないため心霊写真として拡散されたり大会に出たりして相手を探しています。彼女は、死してなお想いを伝えるべく可愛くあり続けようとしています。
最初は「ぢどりまの幽霊」という二つ名でした。怖そうでしょ。設定を練っていくうちに凶悪な怨霊って感じじゃなくなってきたので、怖さを減らし「自撮り魔の幽霊」になりました。JKを付ける付けないで悩んだんですが、キャラ人気を集めるためにつけたしました。今思えばいらなかったかもね。ルリハって名前は特に由来なく、普通の女の子って感じの名前にしました。
必殺技は、まあ開示されないだろうということで設定づくりに使いました。決勝戦の必殺技で初めてルリハの「本質」が分かる設計になっています。予選、敗者復活戦は今を時めくJKって感じにしました。頑張ったんだよ。ルリハがもし生きてたらどんな感じなんだろうって、インスタで調べまくったんだから。決勝の匂わせに隠した撮り憑き少女の未練はまさにルリハが幽霊になった理由そのものです。「撮り憑き」ってのがしゃらくさいですね。好き。
結果は予選一回戦敗退。まあそうよね。同ブロックにソウルリーパーとかいう幽霊メタなキャラがいて、名前が公開された瞬間に敗北を確信しました。ルリハがそのソウルリーパーの相棒になったりしたらおもしろそうとか妄想してました。
幽霊キャラがあまりいないのってこういう対魔のキャラが多いことが起因してそうですね。今大会で出場した幽霊ってルリハのほかに、「生」への渇望がすさまじい恐竜の亡霊だけです。勝ちたいならメタを考えないとね。
見たい組み合わせは、ソウルリーパーとは今後ともかかわりがあったらいいなって思った。あとは自殺する怪異のシズクや、アノマリのミノリとかの特異な学生と絡みがあったらおもしろいかなとか。
これ以外にもいくつかキャラ案があったんですが、最終的にこの4つを提出しました。全員が勝ちを目指しすぎず、全員がまじめすぎない、良い感じのバランスになったと思います。ゼオリアルが大本命、火車訪花が次点、ルリハがワンチャン枠、リズボラは完全なネタ枠です。設定の練り具合に差はあれど、私はこいつらのことが大好きです。
この名トというゲームは「名前(+必殺技)」しか情報が与えられないので、ネーミングをミスると想定とは全く違う解釈される恐れがあります。みなさんの想像力のおかげで、満足のいくレベルの解釈をしてくれました。本当にありがとう!