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資産を1年で10倍にする黄金株88(2013/6/22 菅下清廣)
概要
アベノミクス相場を的中させた国際金融コンサルタントである菅下清廣さんが2013/06/22に出版された本。
3つの波動理論と4つの時間軸理論で、スガシタ流相場の読み方を解説していると共に、当時黄金株とされた88銘柄が収録されている。
アベノミクス相場の出だしの状況やBefore - Afterの情報を知る上で参考となる本である。
目次
印象に残った内容
情報格差が勝負を左右する
インフレの常識は、デフレの非常識である。
「脱デフレ期待・リフレ賛成」の波にのって、早めにREIT(不動産投資信託)を購入していた人たちは資金を倍増させている。
投資戦略を立てるに当たり、正しい情報を素早く得ることが格差に繋がる。
「弱気な読み」がないと、株価は大きく動かない
「国債が暴落し、日本経済はアベノミクスで破綻する」と主張する人が多ければ多いほど大歓迎。
大きく外れる人がたくさん出てくることによって、大儲けする人もいる。
一番重要なのは「転換点を読む」こと
相場のトレンドはたった3つの波である。
①上昇のトレンド
②下降のトレンド
③横ばいのトレンド
相場が今この3つの波のどこにあるのか、という点を読むと投資戦略は有効に立てられ、投資で勝てるチャンスが巡ってくる。
アベノミクス相場の転換点
・1989年12月末
1982年から続いたバブル経済が天井を迎える。
日経平均株価:3万8915円を付けた後、下落トレンドを辿る。
・2009年3月
7045円まで下落。その後底入れ。底値形成の時期が3年以上続く。
・2012年11月
野田首相が衆議院解散総選挙を名言。
これが転換点となり、株価は上昇を開始して現在に至る。
相場の流れは「理想相場」→「業績相場」→「投機相場」の順
相場の流れは大きく以下の3つ。
①理想相場
景気回復や企業業績の回復を先取りする夢や期待を買う相場
②業績相場
実際に企業業績が良くなって、景気の回復が実感できるようになり、株価が業績好調を反映して上がっていく。
③投機相場
如何なる相場も最後はバブルで終焉する
「在庫投資」「設備投資」「建設投資」「コンドラチェフ」の波
投資の波は大きく以下の3つ。
①在庫投資
景気循環の波で2~3年の短い波。
②設備投資
設備投資により更新が行われる7~8年といったやや長い周期の波。
③建設投資
建設した建物の循環で20年のサイクルの長い波。
④コンドラチェフ
技術革新の波。約45 ~ 60年と非常に長い波。
相場の世界が最も嫌うのは「不透明さ」
内外情勢が不透明な状況になると、必ず調整・手仕舞いが起こる。
株式投資はテクニックではない
大事なのは、しっかりした自分の歴史観を持つこと。
歴史のトレンドを読んで、その潮流に乗って投資すれば、大きな富を得ることも可能になる。
円安によって恩恵を被る企業は建設・不動産・金融の企業群 + 輸出関連株。
デフレ不況3兄弟 = 建設、不動産、金融。
そして自動車に代表される輸出関連株。
いずれも2012年末から株価を大幅に上昇させている。
資産インフレが起こった時、一番最初に反応するのは不動産と金融マーケット。
いわゆるデフレ不況3兄弟に当てはまるもの。
例:ケネディクス、いちごホールディングス、アイフルなど
アベノミクス成長戦略の鍵はバイオ・IT
成長戦略としてキーになるのは以下の2つ。
①バイオ、エネルギー、エコ、医薬品
②ネット、IT革命
実体経済が伴ってくると、「新生活消費関連株」が上がる
アベノミクスの最後に恩恵を被る黄金株は「新生活消費関連株」
感想まとめ
大学生のときに初めて株を買った際にアベノミクス相場にどう乗って良いのか分からず、取り合えず買ってみた本です。
当時は円高・円安の違いも分からず、自分の生活にどのような影響が出るかも全く分からず終いでしたが、今になってみるとアベノミクス相場が経済にどれだけ影響を与えたか分かるようになりました。
他の投資に関するノウハウ本とはまた違った角度で株式投資に対する菅下さんの考えがまとめられており、自分の歴史観を持ち、歴史のトレンドを読んで、その潮流に乗って投資すれば、大きな富を得ることも可能という考えは非常に勉強になりました。
今流行りの半導体もシリコンサイクルによる波がありますし、造船業界も船の建造ラッシュから次にいつ波が来そうなのかという点を自分なりに調べて相場に臨めば、未来のチャンスを掴めると考えられます。
いずれやってくるかもしれない不景気やその先の好景気に備えて、今後の株式投資に対する戦略を今のうちにまとめておこうと思いました。
菅下清廣さん X(旧Twitter)アカウント