YouTubeで”採用力”を高める!若年層に効く動画コンテンツと活用事例を解説します
写真や文章だけでは伝わりづらい、企業風土や社員の声を届ける手段として注目されているYouTube。スマートフォンで手軽に動画を見ることができるようになり、若年層に情報が届きやすいということから、YouTubeを導入する企業が多くなってきました。実際に当社でも「採用向けに動画を作りたい」と相談いただくケースが増えてきています。
しかし「どのようなコンテンツを作ればいいのか」と悩む方も多いはずです。今回の記事では、YouTubeを活用するメリットとコンテンツの事例。そして多くの人に見てもらう方法について解説していきます。
YouTubeはなぜ採用に効果的なのか
採用ターゲットの若年層にメッセージが届く
新卒採用も中途採用も、メインターゲットとなるのはZ世代・ミレニアル世代といわれる若年層です。この世代にとってSNSは重要な情報源。中でもYouTubeは、知らない人はまずいないといっていいほど、親しまれているソーシャルメディアです。
つまり、欲しい年齢層へ向けてダイレクトにメッセージを届けられるツールが、YouTube。企業は動画コンテンツを投稿することで、自社の魅力が伝わり、採用候補者の興味を引きやすくなります。
ちなみに、就活生や20代の転職希望者の大半が、YouTubeで就活に役立つ動画を検索したとの調査結果も。「動画視聴によって志望度が上がった」との声も多いため、採用活動においてYouTubeを活用する企業は、今後も増え続けることでしょう。
YouTubeを使うメリットとは?
企業の魅力を訴求しやすい
YouTubeは、企業が自社の魅力を訴求するために最適な動画配信プラットフォーム。求職者が求める「企業情報」や「職場の雰囲気」を伝えられるだけでなく、動画の長さやフォーマットも多様であるため、自由に表現することができます。
SEO対策にもなる
YouTubeはGoogleが運営するため、アップロードされた動画は“Googleの検索結果”にも反映されます。しかも、比較的上位に表示されやすいというメリットも。つまり、YouTubeを活用することはSEO対策にもなるため、自社の採用サイトへのアクセス数アップも期待できます。
口コミ効果が期待できる
企業が自社の魅力をアピールするための動画をYouTubeにアップ
↓
求職者がその動画を見て共感
↓
SNSなどでシェアする
こうした“口コミ効果”に期待できるのも、大きなメリット。
より多くの人々に企業の魅力が伝わります。
求職者の興味関心を把握しやすい
YouTubeの「動画アナリティクス」を活用することで、動画を見たユーザーの興味関心を把握することができます。たとえば、動画のどの部分で再生が止まったのか、どの部分でシェアされたのかなど、データとして収集することが可能。次なる施策の指標になります。
【事例あり】効果的なコンテンツとは?
社員インタビュー
求職者は、実際にその企業で働く”社員”に対して興味を持つ傾向があります。動画で社員のインタビューや、業務紹介をすることで、社内の雰囲気や文化を知ることができるため、興味を持ってもらえる可能性が高いでしょう。新卒採用の場合、先輩社員が登場する動画は、OB訪問の役割も果たせます。
■ 清水建設
土木系の新卒採用向けムービー「シミズノヒト」。建設業界の中でも、土木系の技術者採用は難しいと言われる分野です。その課題を払拭すべく、社員が現場でイキイキと輝く姿をハイクオリティーな動画で編集。イメージアップにつなげている好事例です。また、若手にフォーカスするだけでなく、上司の声も反映されているため、“企業の考え方”までしっかりと伝わる内容。全体の構成が秀逸な動画といえます。
■ ソニーセミコンダクタソリューションズグループ
ターゲットを技術者に絞った、SONYの採用インタビュー動画。デバイス、AI、自動運転、デジタル回路と、分野の異なる4名の開発技術者が、それぞれ仕事への想いを語る構成となっており、SONYの技術領域の広さが感じられます。高度な技術開発に携われるという高揚感は、最後に映し出される「感じる力で世界を変える」というテロップで最高潮に。対象となる求職者の興味を、グッと引き付ける動画です。
■ フコク生命
数ある採用動画の中でもチャレンジングな「内定者インタビュー」。創業100周年を迎えるフコク生命が、“次の100年を創っていくキーパーソン”というコンセプトで制作された動画です。内定者が自分の就職活動を振り返るという内容は、就活生にとって興味深いこと。就活のリアルな声を聞けるので、就活前の大学生の興味を引くこともできます。
オフィスツアー
自分がどんな場所で働くのかは、求職者共通の関心事。オフィスツアーの動画は、企業の内部を見ることができるため、求職者にとって興味深いものとなるでしょう。オフィスの雰囲気や社員の様子、福利厚生などを紹介することで、企業の魅力をアピールすることができます。
■ Yahoo!JAPAN
『ヤフーの歩き方』と題し、目線撮影でオフィス内を“歩きながら”という設定で紹介。単に映像を流すのではなく、画面上に「フロアマップ」を表示しているため、どこを歩いているのかが一目瞭然。全体の配置や広さまで分かります。また、先進的なオフィスをエリアごとに詳しく紹介することで、“フラットな組織・フランクな雰囲気”など企業文化まで伝えている。自分が働くイメージが、どんどん膨らんでくる動画です。
■ アクタス
こちらはヤフーとは異なり、カメラを持つインタビュアーの質問に応えながら、社員の方がオフィスを案内していくという構成。動画を見るだけで、職場見学の臨場感が味わえます。動画では、インテリアメーカーならではのこだわりが満載。オフィスを見ることで、“アクタスの最先端が分かる”つくりとなっています。何より、洗練されていてお洒落な印象。インテリア好きな求職者に刺さる動画です。
■ Cygames
Cygames佐賀ビルの「設備・環境・働く人」を紹介するオフィスツアー動画。採用ターゲットのエンジニアを意識しており、「エンジニアが働きやすい環境」をしっかりとアピールしています。たとえば、1台のPCで2台のディスプレイを使えるデュアルモニターや、長時間座っていても疲れない椅子など、具体的に見せることでエンジニアの興味を引いているところが見事。また、それらを紹介しているのが、実際に使っている先輩エンジニアというところも、よく考えられています。
企業の取り組みやビジョンを紹介
企業の想いやビジョンを分かりやすい動画にすれば、ブランドイメージの向上につながります。たとえば、若者のSDGsへの関心が高まる今、社会貢献活動やCSR活動などに積極的な企業は、その取り組みを動画で紹介することで、多くの共感を得ることができるでしょう。
■ 三菱地所
三菱地所が自社の未来を語る、“企業文化発信型”の動画コンテンツ。一見、オンライン経済番組かと見紛うほどのクオリティーで、社員MCと社員コメンテーターが対談を繰り広げています。さらに、三菱地所が描くビジネスビジョンについて、テーマごとにチャプター1~3までコンテンツを作り込んでいるところも凄い。こうしたYouTube動画は、自社の採用サイトとも連携しており、質の高いコンテンツがメディアミックスに有効活用されています。
■コクヨ
「あなたのヨコクはなんですか?」というフレーズで、さまざまな事業に取り組む社員に質問を投げかけ、未来のコクヨが取り組むこと伝えるCMシリーズをYouTubeで公開されています。ブランドサイトでは、CMの答えとなる”ヨコク”について詳しく解説。ついつい全てのヨコクを読んでしまいたくなる、遊び心ある作りになっています。
1日の仕事の流れ
実際に働く社員の密着動画は、自分が入社した場合のイメージをつかめる魅力あるコンテンツ。たとえば、新卒社員が入社前と入社後の変化や、実際の仕事内容を語る動画は、就職活動をしている大学生にとって貴重な情報となるでしょう。
■ 三井商船
「商船会社での仕事内容は、あまり知られていない」という採用課題を、1日の仕事の流れを動画で見せることで払拭。先輩社員の仕事風景に、インタビューを組み合わせて構成されています。画像や文章で紹介するより、圧倒的に分かりやすく、情報量も非常に多い。動画のメリットを最大限に活かした事例といえるでしょう。こんな仕事なんだ!という驚きと好奇心からか、この動画のコメント欄もかなり盛り上がっています。
■ リコー
リコーで働く先輩社員にフォーカスし、その1日に密着。ドキュメンタリータッチで働く様子を紹介しています。ドキュメンタリー風なので、本人だけでなく上司や同僚、同期の仲間など、仕事で関わるさまざまな人物が登場。社内の良好な人間関係まで伝わるつくりとなっています。仕事内容が詳しく知れるのはもちろんのこと、“人”の魅力が感じられる動画です。また、社内を移動するためオフィスツアー的な効果もあります。
イベントの模様を紹介する動画
自社が行う就職イベントの様子を、動画で配信する企業が増えています。そうすることで、大学生に企業の雰囲気を伝えることが可能。就職活動をしている大学生は、企業の雰囲気や社員とのコミュニケーションが自分に合っているかどうかを知りたいと考えているため、イベントの模様を伝える動画は効果的です。
■ アーバンリサーチ
自社の公式チャンネルで、説明会動画を配信。最大の特徴は、画面の下部に“動画内で話す内容“が時間軸で表されている点でしょう。「企業理念」「ライフスタイル」「研修制度」などの項目が並んでおり、動画の進行とリンク。説明会の進み具合がすぐに分かります。また、チャプターもそれぞれの項目ごとに分かれているので、自分が知りたい情報だけを見返すことも可能。企業側にとっては、学生が何に興味があるのかを分析しやすくなっています。
■ ワンキャリア
新型コロナウイルスの流行を機に、オンラインで説明会を行う企業が急増。
中でも、大手企業を中心に利用されているのが、(株)ワンキャリアが提供する動画配信サービスです。TV番組のようなスタジオで、司会者と企業の採用担当者がクロストークをする動画は、非常にクオリティーが高く、企業の採用ブランドの構築にも一役買っているといえるでしょう。YouTube上にアーカイブ動画が掲載されるため、多くの学生にリーチできることも強みのようです。
YouTuberとのコラボ動画
いわゆる「インフルエンサーマーケティング」。人気の高いYouTuberは拡散力が大きいため、依頼することで企業認知や母集団形成が期待できます。
また、YouTuberごとに視聴者の特性が分かれるため、年齢だけでなく志向性に合わせて情報を届けられることも大きなメリットと言えるでしょう。
■ しゅんダイアリー × 日東電工
大手化学品メーカーのNittoは、就活系YouTuberとして知られる「しゅんダイアリー」とコラボ。“しゅんダイアリー自身が企業研究したものを、5分でわかりやすく伝える”企画や、“実際に社員インタビューをしてみた”企画など、3部構成で配信。タイトルも『創業100年以上のトップメーカーの若手社員が楽しそうすぎる』など、目を引くものとなっています。また、YouTube動画を自社の採用トップページにリンクするなど、コンテンツを上手く活用しています。
■ バイリンガール英会話 × 牧野フライス製作所
登録者数150万人を誇る人気YouTubeチャンネル「バイリンガール英会話」は、企業とのコラボ動画も数多く配信。その一つが、工作機械メーカーの「牧野フライス製作所」とコラボした“工場見学”の動画です。楽しく視聴できるコメディードラマタッチの動画で、視聴回数は17万回(2023年7月時点)。自社の技術力や工場設備などがしっかりとアピールされており、動画のラストには採用サイトへの誘導も。企業認知の成果はかなり大きく、応募数増加につながったそうです。
動画の拡散に効果的な、5つの方法
1. ソーシャルメディアでシェアする
作成した採用動画をSNSなどにシェアすることで、より多くの人に視聴してもらうことができます。特に、InstagramやTwitterはターゲットである若年層の利用頻度が高いため、アプローチしやすくなります。また、LinkedInなどのビジネス向けソーシャルメディアでシェアすることも効果的です。
2. キャンペーンを実施する
たとえば、動画を見た人にプレゼントを提供するなど、採用動画のキャンペーンを実施することで、見てもらう人数を増やすことができます。またそのキャンペーン告知がSNSによって拡散されることで、さらに認知を広げることができます。
3. キーワードを最適化する
YouTubeの検索結果で上位に表示されるように、キーワードを最適化することが重要です。採用画面に関連するキーワードを網羅的に調べ、タイトルや説明文に入れることで、検索されやすくなります。
4. ターゲティング広告を利用する
ユーザーのニーズに合った内容を配信する「ターゲティング広告」を利用することで、欲しい人材に動画を見てもらうことができます。具体的には、YouTubeの広告配信サービスを利用すれば、若年層が多く閲覧するYouTubeチャンネルに採用動画を配信することができます。
5. 既存の採用手法と組み合わせる
多くの企業が行っているのが、動画を自社の採用サイトに埋め込むという方法。求人情報やスカウトメールにリンクを掲載することもおすすめです。他にも効果的なのは、採用イベントで動画をみてもらうこと。たとえば、会社説明会の中で「企業紹介動画」として使うこともできます。
また新卒採用の場合は、大学のキャリア支援部門と協力することで、大学生に動画を見てもらう機会が増えます。具体的には、キャリア支援部門のサイトに採用動画を掲載してもらう、採用動画を使った採用イベントを実施するなど。YouTubeで配信するだけでなく、優秀な採用コンテンツとして動画を幅広く活用しましょう。
まとめ
YouTubeは、若年層にとって無くてはならない情報源。活用することで、採用ターゲットである若年層に、伝えたい情報を届けやすくなります。しかも動画は、画像や文章に比べてはるかに大量の情報量を、コンパクトに分かりやすく伝えることが可能。自社の魅力を欲しい人材に伝えるには「YouTubeでの採用動画配信」が非常に効果的であると言えます。
YouTubeを使うメリットは、魅力を訴求しやすいだけではありません。SNSなどでシェアされれば口コミ効果が期待できるほか、YouTubeは検索上位に表示されるためSEO対策にもなります。
大切なのは、いかに求職者に刺さる内容にするか。
そして、その動画をいかに利用し、拡散させるか。
すでに、多くの企業が効果的な採用動画を配信していますので、それらを参考にしながら、YouTubeでの動画配信にチャレンジしてみてはどうでしょうか。TAMでは「動画コンテンツ」の制作も承っております。お気軽にご相談ください!
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