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転職メディアを上場企業へ売却した話

2021年4月2日より、moto株式会社は上場企業であるログリー株式会社の100%子会社となることが決まりました。

詳細はこちらのリリースをご覧ください。

今回の売却額は7億円+アーンアウトによる成功報酬3億円、合計10億円(最大)です。事業内容は「転職アンテナ」によるメディア事業のみです。

元々、会社員として働く傍らで副業として作った会社でした。せっかくなので、今回の話をnoteにまとめておこうと思います。

売却に至った理由

今回、僕が事業を売却した理由は2つです。転職アンテナを継続的な事業にしていくため、そして自分の事業への投資を行うためです。

今回の売却に伴って、moto株式会社は会社分割を行いました。

転職アンテナ_決算

決算公告を見てもらえばわかる通り、会社自体は非常に順調で、利益体質な会社です。

ちなみにこの法人は僕一人でやっている個人会社で、過去のメディアの取材にあるように役員報酬は年収1億円を超えています。

これまで「転職」や「副業」をという手段を使って自分の力を伸ばし、それを売り上げや利益という形にしてきましたが、扱うお金が大きくなればなるほど、やれることの幅や見える景色、関わる人たちが変わっていくのを実感するようになり、同時に「個人で出来ること」の限界も感じるようになりました。

より大きなお金を使って、ビジネスを拡大したい。でも、お金を稼ぐには時間がかかる。しかし、時間には限りがある。

僕はmoto株式会社だけでなくHIRED株式会社も経営しているため、より早く、かつ会社を大きくしていくにはどのような選択をすべきか悩んでいました。

こうしたモヤモヤを周りの友人や知人に相談し、キャリアの考え方や経験談などを聞く中で「会社売却」という選択肢を考えるようになりました。

moto株式会社のメイン事業である「転職アンテナ」はGoogleのSEOを軸とした事業です。

そのため、個人で運営し続けるよりも、資本力のある会社へ譲渡し、人やお金を使うことでメディア以外の事業に参入し、事業を安定させていく方が次の展開も考えやすくなるのではないか、と思うようになったのです。

早速動いてみようと思い、「転職アンテナの次の展開を一緒に考えてくれる買主」を条件にして、M&Aの仲介業者に相談をして動きはじめました。

今回お世話になったのはサイト売買Zさんです。売却時のインタビュー記事はこちら

売却から今日までのこと

2020年の10月に動き始めましたが、おかげさまですぐに複数社の買い手が見つかり、11月には企業を絞って検討に入りました。

大きな金額かつ自分が作った事業を売った経験はないため、色々と戸惑いましたが、自分の事業が市場で評価を受ける点は転職活動に近いものを感じたため、転職と営業の経験を活かしながら交渉を進めていきました。そして出会ったのが、ログリー株式会社です。

事業だけでなく僕個人に対する理解を示してくださり、事業におけるシナジーや親和性、また、今後の取り組みとして僕が経営しているほかの会社の未来も含めて検討してくださいました。

初めてお会いしたときから、非常に和やかな雰囲気で、あっという間に打ち解けたのを覚えています。

金額はもちろん、次に展開する事業の展望についてもいろいろと話し合うことができ、事業だけでなく僕自身も含めた形で一緒にやっていきたい、というお話をいただいたので、代表取締役を継続して務めさせてもうらことになりました。

動き始めてから今日のリリースまで、DDなども含めて約6ヶ月間かかりましたが、無事にこうした形を実現できたことは嬉しく思っています。

丁寧かつスピーディーで真摯に対応してくださったログリーCEOの吉永さん、CFOの岸本さん、COOの池永さんには本当に感謝しています。

今後について

今後はログリー株式会社の傘下となったmoto株式会社で代表取締役を勤めながら、自分の会社であるHIRED株式会社の代表もやっていきます。

HIRED社は昨年の12月にASP事業『AdAntenna』をリリースしました。転職やキャリアコーチングなど、人材領域の広告を幅広く専門的に扱う広告代理店として事業展開していこうと思います。今後はmoto社での仕事もしながら、新しいプロダクトの企画・開発も検討していきます。

今回の事業売却を経て、34歳という起業家としては遅咲きのキャリアを歩んでいきますが、引き続きmotoとしてSNSやメディアでの発信は続けていきます。

副業で転職メディアを立ち上げてから約3年が経ちましたが、本当にに多くの方に支えていただき、お金で買うことのできない経験や人との繋がりを築くことができました。

SNSで支えてくださったフォロワーさんにも本当に感謝しています。Twitterのアカウントは売却に含んでいないので、今後も僕がやっていきます。

これからも自分の経験値や人との繋がりを増やしながら、価値提供を通じて次の景色を見るための努力をしていこうと思います。

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