悪質なPTA役員スカウトに騙されないための自衛策&あきらめてもらうための策
年度後半は次年度役員スカウトの時期。
「ボランティアが嫌いなわけじゃない、ただうちの学校のPTAのような前例至上主義な/非民主的な集団に時間や精神を割かれるのが嫌なだけ」だという方もいるでしょう。
でもPTAのスカウト担当のなかには、
「あなたのできる範囲でやりたいことをやってくれたらいいんです!」
「変えたければ変えてもいいんです。そろそろ改革が必要って私も旧PTA役員も思ってるんです!」
などといって泣き落とししておいて、それならと引き受け、フタを開けてみると
・「できる範囲でやる」は許されれず、月に何十時間も取られる
・「改善」も「変更」も許されない。何か変えようとしたら、関係者からの恫喝、嫌がらせ、人格否定を受けた/事実無根の噂を立てられた
という詐欺・犯罪のようなことがまかり通っているケースがあると聞きます。
そんな馬鹿な!と思って、スカウト担当と合意をした旨を伝えても、「スカウト担当はPTAや学校とは独立した組織なので、スカウト担当とあなたがどういう合意をしたかは関知しない」などと言われてしまうこともあるようです。
そこで、「誰もやりたくないような、暗いPTAの現状を変えられるなら」と思って引き受ける方がのちのち「話が違う!」と不幸な目に合わないよう、準備しておくべきことをまとめました。
※以下の記事は、「引き受けるなら徹底的に合法かつ民主的にやりたい人」向けです。ボランティアそのものや改革をしたくない人向けではありません。
撃退したい人向け②:「忘れっぽい or 夫(妻)とじっくり検討したいので、録音させてもらっていいですか」と明言する
とにかくもう電話をかけてほしくない、PTAと関わりたくない、と思っている人は、スカウト担当に「録音している」と最初に伝えることで、「この人に嘘をつくと面倒そう」と自粛を求めるパターンです。
その場でも後日でも、もし「今から話すことは録音しないでください」と言われたら、録音してはまずいようなお話でしたら、私には荷が重いのでお断りします、と言えばOKです。
嘘をつかせたくない人向け①:スカウト担当やPTA関係者とのやりとり内容はすべて記録する
スカウト担当からアプローチがあれば、言った、言わないになることを避けるため、記録として電話・対面にかかわらず、初回アプローチからすべて録音等データをもとにした記録をつけるようにしましょう。
引き受けてからの「スカウト担当が勝手に言ったことなので、今年のPTAとしては認めない」などの暴論への反論がすぐにできるよう、スカウト担当からいつどのようなアプローチがあったか、日付・時間、電話か対面か、スカウト担当の話の内容と、こちら側が伝えた内容をメモしておくとスムーズです。
そのメモをもって、
「あなた方既存のPTA役員・学校関係者はスカウト担当が独立した活動と知っていたかもしれませんが、私はスカウト担当がPTA役員の窓口と信頼したうえでこのようなやり取りをしています。
スカウト担当は独立した組織であるという説明もこれまでにされたことはなく、私がこれまでに“スカウト担当が勝手に言っている”を知りえる状態にはなかったことはあきらかです。非があるのは私ではなく、その事実を隠したまま都合のいい話で結果的に私を騙そうとした「スカウト担当」と、その不適切で不誠実な「スカウト担当」という仕組みを放置してきたPTA側にあると考えています。
私が出した条件を撤回するつもりはありませんので、今からでも私が役員に不適任ということであれば、クビにしてください。
(総会での役員承認後であれば)ただし、役員選出後の役員の解任は重大事項かと思いますので、総会で理由とともに不信任案を提出し、会員の決を取るようにしていただきますよう、お願いします。
という主旨のことを言えばいいのではないでしょうか。
今後の人間関係を考えると実際に録音したデータを誰かに聞かせるようなシーンはあまりないかもしれませんが、「きちんと伝えたはず」「そんなことは約束してない」と言われたときに遡れる証拠を残しておき、「すべて録音してますけど、いつの会話のことですか?」と言える状態にあると、心理的にとても余裕を持って交渉することができます。
嘘をつかせたくない人向け②:引き受ける条件を書面にし、スカウト担当などに署名させる
こちらは①より激しいやりかたですが、自分が「これならPTAを引き受けてもいい」という条件を書面に起こします。
例えば
・全役員・学校関係者は、各種法律順守を原則とし、前例を判断基準にしない
・PTAを任意加入組織であると周知徹底し、退会を自由にするため退会届を整備する
といった大きなものから、
・各種イベントへの強制動員の拒否
・会員アンケートへの実施
・ニーズのない活動の廃止に向けた提言や推進
・会員へのご案内や役員コミュニケーションのデジタル化
・PTA会計の徹底的な監査
といった各活動レベルのものまで、着任前に想定できそうな「やりたいこと」「やらないこと」を要望として書面にします。
そのうえで、
上記要望について、スカウト担当○○は、●●年度のPTA役員、役員経験者・学校関係者に周知徹底し、上記要望の実現に向けた協力を条件に役員を引き受けてもらうことを●●年度のPTA役員、役員経験者・学校関係者が了承していることを保証します。
万が一、上記要望の実現に向け、合理的な理由なく●●年度のPTA役員、役員経験者・学校関係者の協力・賛同が得られない場合には、△△の希望するタイミングでPTAの退会を認めるということを、●●年度PTA役員、旧役員・学校関係者に周知徹底します。
また、この書面による約束の不履行があった場合は、学校名入りでSNS・チラシ等により不履行があった旨を広く周知し、再発防止活動をすることを認めます。
スカウト担当 ○○
とでも書いて、スカウト担当に署名・捺印を迫れば、相手が不誠実であればあるほど「きゃー、この人すんごい面倒な人だー」とほぼ100%逃げ出してくれるうえに、二度とお声がかからないと思います。
もしスカウト担当が「大丈夫、署名・捺印するよ~」と軽々しく言ってきた場合は、役員経験者に「こんな書面をスカウト担当さんと交わそうと思ってるんです」と伝えましょう。あっという間に関係者に「きゃーー、この人近づいたらあかんヒトやー」と共有され、「関わらないでいるべき人」に認定してくれると思います。
「そんな激しいこと、ご近所の人間関係を考えるとできない」と思われるかもしれませんが、騙された挙句に、恫喝されたり、人格否定をされたりしながら泣きながら多くの時間を割き、精神すり減らして病んでしまうよりは断然マシかと思っています。(悲しいことに、世の中にはPTAを苦に自殺したり、子どもを死なせてしまう人もいるのです。騙す側、騙していることを認めている人を放置して、世の中が良くなることはありません。)
多くの人は、何かと我慢をしすぎです。
子どもが育ち、親の手を離れた後のことを考えてください。悲しいことに、現代の日本はブラック企業に不条理な条件に逆らうことなくこき使われ、搾取されて、自殺やうつ病、過労死に至ってしまう可能性だって珍しくはない社会です。(ちなみに日本の若者の自殺率は世界No.1です。「逆らわないで我慢」を覚え過ぎじゃないでしょうか?)
勇気をもって不条理なことには「NO」と言える、親がそんな背中を見せる必要があると思います。
もし「こんな親で子どもがかわいそう」などと嫌味を言われたら、「不勉強でおそれいります、私がこんな親であることで、子どもにどんな不利益があるのでしょうか?」と質問し、回答を録音しておきましょう。
「学校教育で当然得られるはずのサービスが得られないとおっしゃるのですね?」と念押しすれば、相手は下手なことは言えなくなるはずです。
逆に、上記の条件でめでたく認められた場合は、全力でよりよいPTA活動に邁進していただければいいなあと思います。
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サムネイル写真:Image by Fathromi Ramdlon from Pixabay
ボイスレコーダー写真: 灯螺城さんによる写真ACからの写真
ハンコ写真:soraraさんによる写真ACからの写真
PTA活動で感じた苦労をノウハウとして他のPTA役員さんたちに還元することで、喜びに昇華しようと思っています。 「スキ」やTwitterフォロー、RT,コメント等をいただけるととてもうれしいです。