【エッセイ】人生に伏線を張る
人生をより豊かなものにするためにどうすればよいか考える。
その一つの答えとして、「人生に伏線を張る」という方法がある。
「人生に伏線を張る」とはどういうことか。
具体的に説明していこう。
人生は思いがけないものや人との出会いの連続だ。
今まで振れてこなかった物事や、世界に急にふれるようになる。
新しい音楽に触れたり、新しいことを勉強したり、見知らぬ場所に住むようになったり、初めてに人に出会ったり。種類は様々だ。
「人生に伏線を張る」とは、そんな未だふれていない未来の出来事に先取りして、ふれてみることだ。
今までやったことのないスポーツに一度だけ挑戦してみるとか、普段手に取らない本を読んでみるとか。何でもよい。
例えば、普段インドアな人が山登りに出かける。エンジニアが歴史の本を読む。など何でもよい。
そうすることで、人生に深みがでるのではないかと思う。初めて挑戦することにすぐには慣れないかも知れないし、止めてしまうかもしれない。
だけど、色んな新しいことに挑戦する中で、一つだけでも何か人生を変えうる宝にであえる可能性もある。その魅力に10年後、20年後に気づくかもしれない。はたまた50年後かも知れないし、一生気づかないかも知れない。
だが人生が何が起きるか分からない。
思いがけないものにハマる可能性だってある。
そんなとき、ああこれ昔ちょっとやったなとか、ほんの少しだけなら分かるぞとか、思い返すものができれば素敵じゃないか。
あのときの経験は今の生活の伏線だったんだと思う日がくるかも知れない。
だから、日々知らないことを学び、新しいことに挑戦していきたいと思う。
また同じように、学校の教育もそうではないかと思う。
因数分解を大人になって、使う人は多くないかも知れない。絵を描かなくたって、生きていけるかも知れない。英語をはなせなくたって日本で暮らせる。歴史を知らなくたって、死ぬ訳じゃない。
でも、どこかでその知識やスキルがいきるときがくると信じて、勉強するんじゃないか。
いわば、必要ないかも知れない勉強をすることで「人生に伏線を張って」いるのではないか。
結局使わなくたって無駄には無駄にはならない。
そう信じて勉強して、そのかなの一つだけでも、自分の人生に影響を与える何かを見つけられればよいのだ。