11月の#キクキキ COP28特集その1
みなさんこんにちは!record 1.5スタッフです。
本noteは11月の#キクキキをまとめたダイジェスト記事です!#キクキキの概要は以下noteをお読みください。
11月の#キクキキは特別回です。Podcastを通してすずかとやまだい二名で、「COP28特集」をお送りします。11月にお送りした「COP28特集」はpart1〜3。本noteでは◆「危機は気候か、環境か、...か?vol.16『COP28特集part1:日本の削減目標の歴史』」◆をまとめた補助資料です。聴いているだけでは分かりづらい方は是非このまま読みながらPodcastをお聴きください!
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◆11月のPodcast配信「危機は気候か、環境か、...か?vol.16『COP28特集part1:日本の削減目標の歴史』」◆
◇日本の削減目標の歴史◇
6:13〜の「日本の削減目標の歴史」を時系列にまとめました。参考資料も一緒にご覧ください。
1980年「地球的規模の環境問題に関する懇談会」を実施
これが記録上での日本の気候変動対策のスタートです。以降、検討会や閣僚会議が設置されます。
1988年 IPCC設立
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1990年 IPCC第1次評価報告書発表
「地球温暖化防止行動計画」が策定
地球温暖化防止行動計画の内容は、努力目標ではあるが、日本として初めて温室効果ガス削減目標を掲げ各省庁の施策を取りまとめたもの。「一人当たり二酸化炭素排出量について2000年以降概ね1990年レベルで安定化」「革新的技術開発などの早期大幅進展により二酸化炭素排出総量が2000年以降概ね1990年レベルで安定化」と併記された。
1992年 地球サミット(環境と開発に関する国際会議)の開催
気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)の採択
これにより1996年、各省庁が1990年比2010年の削減目標の可能性を検討します。環境庁(現:環境省)は6〜8%削減、通産省(現:経済産業省)は安定化、外務省は同比6〜6.5%削減を算出します。
また、気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)の採択により1995年ドイツベルリンにて第1回締約国会議(COP1)が開催。以降、毎年COPが実施されます。
1997年 京都議定書を採択(COP3)
京都議定書では日本に第一約束期間(2008〜2012年)に6%削減義務(基準年:1990年)が課せられます(先進国全体で5.2%削減)。1998年には京都議定書の約束を履行することを明らかにした地球温暖化対策推進大綱が決定し、準備期間に入ります。
2001年 アメリカが京都議定書からの離脱を表明
2005年 「京都議定書目標達成計画」が閣議決定
第一約束期間の削減目標をどのように達成するか、その内訳と具体的な施策を明らかにしたものです。基準年と比較して、(1) 温室効果ガスの排出を全体で−0.5%、(2) 森林吸収源により−3.9%、(3) 削減目標と国内対策との差分を京都メカニズム[注1]の利用により賄うことで−1.6%、との目標が設定します。
2008年 第一約束期間スタート
「低炭素社会づくり行動計画」が策定
2020年の削減目標が決定(2005年比で15%減)
「低炭素社会づくり行動計画」では、「低炭素社会を目指し、2050年までに世界全体で温室効果ガス排出量の半減を実現するためには、主要経済国はもちろん、世界のすべての国々がこの問題に取り組む必要があり、日本としても2050年までの長期目標として、現状から 60~80%の削減を行う。」と明記されています。
2010年 「地球温暖化対策基本法案」が決定
2011年 東日本大震災
2012年 「第4次環境基本計画」2050年の削減目標が決定(80%減)
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2016年 パリ協定が採択
「地球温暖化対策計画」が制定
パリ協定では2030年に(2013年比)26%削減案を提出するのです。「地球温暖化対策計画」では2020年3.8%削減、2030年26%削減、2050年80%削減が発表されます。
2020年 カーボンニュートラル宣言
2021年 2030年の削減目標が引き上げ(46%削減50%削減の高みを目指す)
◇京都議定書とパリ協定の違い◇
京都議定書
温室効果ガスを先進国全体で第一約束期間(2008年から2012年)に、1990年比で5.2%削減することを約束。日本は6%の削減目標を設定しています。
注目点は①途上国が参加していないこと、②削減目標を達成できなかった国には、罰則が適用されることです。①は「共通だが差異のある責任」(Common but differentiated responsibility, CBDR)、地球温暖化の阻止に取り組む責任はすべての国にあるが、その責任の重さは国によって差があるという考え方が基になりました。
パリ協定
世界共通の長期目標として、産業革命前から平均気温上昇を2度より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をすることです。そのために目標として、今世紀後半に温室効果ガスの人為的な排出と吸収のバランスを達成する、カーボンニュートラルを達成するために排出ピークをできるだけ早期に抑え、最新の科学に従って急激に削減することが掲げられました。
またそのために各国が削減目標を各国自主的に作成し提出します。これは5年ごとに提出更新し、従来より前進を目指す内容です。
パリ協定の注目点は、①先進国、途上国すべての国が参加する道を開いた画期的な国際協定である、②罰則がないことです。京都議定書が結ばれた時と比べ、途上国は急速に経済発展を遂げ、それに伴って排出量も急増している背景があります。
◇本Podcastの参考文献◇
・平田仁子「気候変動と政治」(2021)成文堂
・地球温暖化防止行動計画 | 法令・告示・通達 | 環境省(2023年11月閲覧)
・外務省「気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書」(2023年11月閲覧)
・環境省「地球温暖化対策推進大綱について」(2023年11月閲覧)
・「低炭素社会づくり行動計画について」(2023年11月閲覧)
・環境省「環境基本計画」(2023年11月閲覧)
・「日本の約束草案」(2023年11月閲覧)
・外務省「パリ協定」(2023年11月閲覧)
(Text, 編集:井上知春)
◆更新状況◆
2023/12/19:公開しました。