オレンジバナーデザイン始末
あらかじめ
新潟駅南口に飾ってある「オレンジバナー」。私が関わったのはバナーのデザインおよび「この街にサッカーがある幸せ——。」という文言作成のみです。バナー掲揚に漕ぎ着けるまでには、製作の手配、関係各所への連絡や調整、募金の手配、募金してくださった皆様、そして実際に掲揚したり降納したり、手入れをしてくださったりした皆様など、たくさんの方が関わっています。ありがとうございます。いつも本当に感謝しております。
私の視点での話ですので、事実と違うところがあるかもしれませんがご容赦ください。違うところがあれば教えてください。
もう一つ。
このバナーは本来、別の方が作成する予定だったのですが、その方のPCが不調で作業ができなかったこともあり、助け舟的に「こんな案はどうだろう」とラフを作ったらほぼそのままの形で採用されてしまったという代物です。ですので、その方に対してちょっと申し訳なかったなという気持ちがあります。
なぜ今頃になってこんなことを書く気になったかというと、ルヴァンカップ決勝を経て、リーグ戦も中断して暇になったからです。あ、いや、溢れる気持ちが抑えられなくなったからです!
これを読んでるということは皆さんも「この街にサッカーがある幸せ」を実感していると勝手に思っています。少々アレな文章かもしれませんが、まあお付き合いください。
新潟駅南口をオレンジに
今から10年以上前のことですが、「ビッグスワンの玄関口としてはサッカー感、アルビレックス感に乏しい」として、「新潟駅南口をオレンジにしよう!」と活動されている方々がいました。例えば、駅の壁にアルビレックスのポスターを貼る、ポスタープロジェクトなどがありましたよね。その活動の一環として「南口付近の道路にポールあるじゃん?あれにアルビレックスのバナーを掛けたい」と言い出した方がいました。みなさんご存知浜崎(hama)さんです※要確認。
「※要確認」はわたくし視点で見た話なので、事実は違うかもしれないいう意味です。
時は2013年3月上旬、「〜というようなことがやりたいから手を貸して欲しい。」と浜崎さんから連絡が入り、ついては「サッカー談義場(※1)に来て話を聞いてくれ」と。
こ の 忙 し い 年 度 末 の 平 日 に ?
とは思いつつ、せっかくの頼まれ仕事ですのでとりあえず行ってみることにしました。普通に仕事が忙しくて遅刻でしたが、皆さんに優しく迎えていただきまして、概要を伺いました(多分私が遅刻したせいで2度目の説明になっていたのではないかと思います)。話を聞く前は「がんばれ!アルビレックス!」みたいな単純なものを想像していたのですが(実際に作ってみたりもした)、どうもそうじゃない。コンセプトなどがしっかり練られていて、「これは……かなり真面目にやらなくちゃあいけない」という感じでした。大変ではあるけれど、指針なしで放り出されるよりはやりやすいし、ありがたい。
提示されたコンセプトはこのリンク先に。バナーを掲揚するポールは市の持ち物ですから、ちゃんと理念があって納得していただけるものが必要です。とはいえ理念だけでは堅苦しくなってしまいますので、ロマンや情感など、心に訴えるものも必要になるはず、と私は考えて、「街とクラブとサッカーを繋げて、景観にマッチし、スポーツの素晴らしさを伝え、尚且つ目立ちすぎず、さりげなくアルビレックス新潟をアピールする。」という大幅な意訳を加えました。
時間が足りない
このバナー、当初はゴールデンウィーク前には掲揚したいという希望がありました(繰り返しますが今は3月中旬)。市・クラブとの交渉や調整の時間、バナー製作の時間を考えると、デザイン案提出までは1週間くらいといったところ。後工程を考えるとなるべく早い方が良い。時間が足りない。この集まりには私のほかに学生デザイナーさんが1人呼ばれていて、ネット上でのやり取りは何度かしたことがある方でしたので、私はバックアップに周り、一旦はその方にお任せしようとなりました。忙しかったのよ。
本業の年度末進行も終わりが見え始め、少し余裕が生まれはじめた3月終わり、まだバナーの案が出ていないことに気がついた私は「難航してるのかな、時間もないし何かざっくり作るか、ヒントになるかもしれないし」と思い、ラフ案をいくつか提出。後から聞いた話ですが、前述の通りもう一人の方からは案が出せない状況でしたので、そのまま談義場のメンバーに見てもらうことになりました。さまざまな意見が出たようですが、強力なリーダーシップで意見を集約してくださったのが、これもおそらく皆さんご存知の金子さん。時間がない中でデザインの修正は微調整程度にとどまり、これは本当にありがたかった。あれもこれもになると迷走し始めますしね。関係各所への連絡や調整、募金の算段もあれよあれよと進み圧巻でした。
50cmの想い
ほぼ現在のものと同じですね。「アイシテルニイガタ」を入れて欲しいとのオーダーがありましたので、文言を追加。
このバナーは50cm×50cmの正方形。元々は50cm四方1枚でデザインが完結し、左右ともに同じ絵柄になるはずでした。ただ50cm×50cmは街中で見ると意外に小さいので、左右2枚で1枚の絵になるように工夫し、その案をうまく通してもらいました。そして「この街にサッカーがある幸せ——。」これですね。コンセプトが大盛りセットでしたので「おう、全部盛りで全てを内包してやろう」とかプロっぽく考えたわけではなく、「それも踏まえつつ、とりあえず今の気分をこんな感じで」と書いたものでした。これも気に入っていただけたようでそのまま採用になりました。
掲揚の日は
予定はゴールデンウィーク明けにずれ込みましたが、無事に最初の掲揚。その日は仕事で市外におりましたのでセレモニーは欠席。
その頃も割と忙しくて、山の中でおさるさんやカモシカと接近遭遇していましたね。
あれは実感
バナーを作る上で、常々ぼんやり考えていたことを私の実感として表現できたのは楽しい時間でありました。アルビレックスを通して「サッカー」があって良かったなと思える瞬間は数え切れないほどあり、私が住んでる街にサッカーが、アルビレックスが存在することで得た繋がりもたくさんありました。もしもJリーグが、サッカーが新潟になかったら、バナーにあるような「幸せ」や「アイシテル」なんて声高に叫ぶ事もなかったかもしれません。全部サッカーがあったから実現した事だと思います。
私の個人的な気分ではあったのですが、多くの皆さんにも共感いただけたようで、至極光栄でございます。掲揚のたびに、降納のたびにsnsに上がってくる感想を読み、「サッカー」があって良かったなと何度も実感しています。訪れた他サポの方が、通りすがりに写真を撮って共感してくださることも本当に嬉しいです。このバナーで、少しは街とクラブとサッカーを繋げるお手伝いができたかな。
※1「サッカー談義場」はホームタウンオレンジプロジェクト内において様々な会議をする場 ※私の認識なので要確認
https://alliance2002.blogspot.com/
次回があれば、繋がりつながりでサポリン(サポーターズリンク新潟)の話でもするか。昔の話ばかりですが、おっさんはね、昔語りが好きなものなの。中断期間だしな。文章書くのは楽しいね。
おわり