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母と娘の卒業旅行inベトナム day7

ダナンで唯一予定を入れていたのが、
インターコンチネンタルダナン『Citron』でのアフタヌーンティ。

旅の計画を立てている時にノンラー席でのアフタヌーンティーの写真を見て心奪われた♡♡♡
ノンラーとは、ベトナム全土で用いられる円錐形の、ラタニアの木の葉でできた帽子、ベトナム人の伝統的な葉笠のことで、そのノンラーを逆さにした形の席なのでそう呼ばれているようだ。

しかしサービス料、付加価値税など込みで日本円で約1万5千円弱。
庶民にはハードルが高い。
ディナーならまだしも、まあ言うなら”おやつ”に1万5千円、2人で約3万。
ダナン2泊分のホテル代よりはるかに高いこのアフタヌーンティにそれだけの価値があるのか悩む。
しかしせっかくの記念旅行、何か一つくらいは贅沢してみても良い。他の部分でかなり費用も抑えられたことだし娘に相談してみる。
速攻返事が来た。

決まりだ。
そう、娘は顔は派手だが中身は陰キャ。
しかも普段は倹約家で滅多に贅沢しない娘。
インスタで映える写真を投稿する今どきの陽キャ大学生とは対極の娘がこんなこと言うくらいだから相当気に入ったのだろう。
大学卒業のお祝いだし、ここは奮発しようではないか!

と言うことで待ちに待った当日。
残念ながら雨&強風。まあこればっかりは仕方ない。
Grabでインターコンチネンタルダナンへ向かう。
かなり山の上まで登ってきた。
周囲には何もない。
お天気が良ければさぞ眺めも良いことだろう。
レセプションで案内され、雨避けのシートを被せらせたカートでホテルのレストランへ向かう。

どんだけ広いんだここ

予約したことを伝えると、スタッフさんが残念そうな感じで何やら説明し始めた。
英語が苦手な私も分かる。
今日は雨風が強くノンラー席は使えない。
・・・・・・・・・・。
頭が真っ白になるとはこんな事なんだ。

ここに来たのはあの "ノンラー席" での食事であって、
正直なところ食事の内容なんてどうでも良いのだ。
すぐに娘のLINEが頭をよぎった。
娘に喜んで欲しくて…
今回のベトナム旅行の1番の思い出にしたくて…
なんなら今回のベトナム旅行、これがメインと言っても過言ではなくて…
ノンラー席でなければ意味がないのだ!!

往生際が悪いが、ノンラー席は使えないのかこちらから尋ねたが、
外を見ると不可能という事が理解できた。↓↓↓

はい、無理です。

正直一瞬帰ろうかと思った。
でも予約入れてるし仕方ない。
頭の整理がつかないまま席に案内され飲み物のオーダーをし現実を受け入れる。(いや受け入れられないけど)

こんな事あるか? 
雨でノンラー席が使えないなんて1ミリも思いもしなかった。
雨天の場合はノンラー席は使えない事もあるよ、って事前に予約メールで伝えてよ!と思う気持ちと、
なぜ雨天の場合もできるか確認しなかったか自分の不甲斐なさと
色んな感情が溢れ涙が出そうになった、というか涙が出た。
こんなに動揺したのははじめてかもしれない。
あんなに楽しみにしていた娘に申し訳なくて。
たぶんこれが一人だったらそんなに落ち込むこともなかったのだろう。
とにかく娘と二人であの席に座り、最高のベトナム旅行の思い出にしたかったのだ。

店内もおしゃれです。けどよ…。
精一杯の作り笑顔で📷


せっかく来たのだから楽しまなくては、と思うのだが無理よね。笑。
娘がまたリベンジしに来よう! 今度は私が連れてくるよ!と
慰めてくれ(娘は母の嘆きように動揺していた)精一杯の作り笑顔で約1時間半室内でのアフタヌーンティを乗り切った笑。

味? 覚えてないよ。涙

思い出に残るアフタヌーンティを終え、笑
早くホテルに戻りゆっくりしようと話しGrabを呼ぶ。

何度もコールするけど、全く捕まらない。
確かに街の中心部から約30分、周囲には何もない立地で、もちろん近くに車はいないし、よく考えれば(考えなくても)呼んでもこんなところまできてくれる車なんてないよな。

永遠にこの画面...


雨風はますます強くなり、これはGrabを呼ぶのは無理だと気がつき(遅い)
レセプションに助けを求めようとしたがドアは既にclose。泣。

途方に暮れていたところ、目の前にバスが停まった。
そのバスに乗り込んで行く若い女性に方に声をかけてみる(Google翻訳で)
『このバスは街の中心部まで行きますか?』
『行きません。山の麓までなら行きます』
ここにいても埒があかないのでとりあえず山の麓まで出れば何とかなるだろうと思い、
『このバスに乗れますか?』と尋ねると、女性は運転手さんと何やら会話を交わしOK! すんなり乗車。

乗車してやっと冷静になり、で、これはどこで支払をするの? 
乗車時に請求されなかったと言うことは降車時に支払うのか?
案内してくれた女性に尋ねると大きく手を振りNo No!と。
???
はい、従業員さん専用の送迎バスでした。
いやあ恥ずかしい。
なんと厚かましい事をしてしまったものか。。。

乗ってしまったからには御好意に預かろう


『山の麓』と言う情報だけで行き先の分からないバス。
山を下ったところで、もうそろそろ停車するだろうとソワソワするが
一向に止まる気配がない。
携帯で現在地を確認すると中心部からどんどん離れて行く。
一体これはどこまで行くのか?
娘が大丈だよ!と言うものの今日1日の悪運たるや
この後どこか遠くまで連れて行かれるのではないかと不安で仕方ない。

30年前フランス、ロンシャンの礼拝堂(byコルビジェ)を見に行った時、帰りのバスが来なくて熊が出そうな山の麓で一人野宿を覚悟し、旅していれば色んなトラブルあるけどどうにかなるよねーと思ってた自分はどこいった?

そうこうしてやっと着いたのは乗車して40分後くらいだったか?
(もっと短かったのかもしれない)
やはりそこは従業員さんの宿舎らしき大きな建物や、自宅からここまでの移動手段であろうバイクがたくさん並んでいた。

バスを降り、携帯を片手にもたもたしていると乗車時にお世話になった方とは違う別の若い女性の方から声をかけられた。
軽く世間話をし、Grabの手配、ピックアップの場所を教えていただき
車が来るまで一緒に待ってくれた。
これがホテル内、仕事ならともかくここは完全なプライベートの時間。
仕事終わりできっとお疲れだっただろうに、優しい口調で語りかけ、笑顔で雨の中困っていた姿を見て助けてくれたお姉さん。
今日1日の悪運を全て帳消しにするような優しさに、ホテルへ向かうGrabの中で娘とふたりでこんな事が旅の思い出としてずっと心に残るんだよね、と話した。
お姉さんのお名前聞いておくべきだったなぁ。

この旅のメインイベントだった”Citron"ノンラー席でのアフタヌーンティは叶わなかったけれど、それ以上に滅多に出来ない従業員さんのバスに乗り、色んな方お世話になり助けて頂いた記憶はより強く思い出として残るだろう。

運転手さんに乗車の交渉をしてくださったお姉さん。
快く乗せてくださった運転手さん。
雨の中手取り足取り教えていただき、私たちが車に乗るまで見届けてくださったお姉さん。
あの時お世話になったインターコンチネンタルダナンの従業員の方々、
本当に本当にありがとうございました。
cám ơn rất nhiều♡

※ちなみに今回のベトナム旅行で雨が降ったのはこの日1日だけでした😭

この日の歩数1,600歩。だろうな。

ダナンの思い出ずっと忘れない

これで終わりと思いきや
ダナンでの悪運は最後の最後まで続くのであった...。

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