美しいだけでは解決できないけど。
Power Mac G4 Cubeは2000年8月から2001年7月まで発売されていたコンピューターだ。Appleの製品らしく、美しく、パワフルで先鋭的。当時のプラスティック加工、精製方法では難しかった透明度とカーブの加工。空中に浮かぶ姿はまさにICE Cubeである。わずか1年でon ice(凍結する/Appleはリリースでこのプロジェクトを凍結すると、自らCubeを揶揄した)した。
仕事場にあったのでよく覚えている。世界には14万台程度は存在した。Apple的に全然売れてない製品だったのだろう。なんせCPUが毎月ムーアの法則通りに高速化して低価格も進む中、他のMacの3-4倍の価格帯。自然吸気もうまくいかずに熱暴走。静電性スイッチも誤動作してスリープしたりフリーズしたり、かってにディスクを吐き出したりしたもんだ。
それでも美しいこの筐体は、Jobsもさぞかしお気に入りだったようだ。
この製品はもうないけど、今もJobsが好きっぽいなぁというのがApple Store NYであるApple Fifth Avenue。片面3枚のガラスの入り口が印象的だった。建設当初は1面18分割だったものをアップグレードしている。
2000年にCubeを発表した時、うつくしい筐体のためにプラスティックの性質を世界の誰よりも理解したんだ!といったJobs。
その後ガラスをiPhoneに取り入れ、美しいiPhone(iPhone4)を発表した時は、うつくしい筐体のためにガラスの性質を世界の誰よりも理解した!といっていた。
ガラスの素材はより硬化で割れにくく巨大化できたり、スクリーン向きに薄くなるものまで開発されて私たちの手元にある。
変わらないJobsの信念とビジョンが今もアップデートされているんだな
失敗はあるけど、信念は未来をつくってる。
強い信念が時代というタイミングやニーズを巻き込めなかった時、優秀な経営者だったJobsがとったのは最短での撤退だった。これができるかどうかも大事だよね。