次の誰かのために、選挙のSNSを最適化していく
衆議院議員選挙が終わりにむけ記録をとってきた。
公開する予定はなかったのだが、
政治不信、選挙関心度が下がっているなかでも若い人が政治に関心をもち自ら選択をしようとしているのに、そんな場所がないということ。そして、ちゃんとSNSに耳を傾けた若い人たちが集まっていったことをしっかり書いておきたいという思い。
本題
選挙の活動家になっている年配層で動きはフォーマットになっている。違うことをやって若者に聞いてもらう。2024年できることをやる。年配層には選挙とはなにか。彼らから聞いて育ってきた。それが30年変わってないから私はハブとなり、若い人たちが自由に活動できるようにどうしたら良いかだけを考えたので、私自身が何かをしたり、指示したり、編集をしたつもりはありません。(若干は見本として手を動かしたに過ぎない)
そしてSNS運用は今後も選挙には重要で各議員、政党の大きな道具になってきている。というのは選挙期間中のみ投票呼びかけが8時から20時まで街頭で行われ、それ以外は電話とメールは本人(事務所)からならOKとかざっくりいうと制限も多い。SNSは24時間発信できて、表現も柔軟だから使いたいというのが意向にある。(広告発信は政党のみとはいえ、今回ちょっと出し過ぎじゃない?僕らの税金じゃなきゃいいけど(支援されるお金は基本後援会の寄付からだが、)
あなたがもし選挙に出てSNS運用を強化したいなら持つべきものはSNSが水と同じくなっている若者を選対に入れる必要がある。多くの選対にはそんな若手のスペースがないというのも同時に記載する。
というわけでマーケティングのノウハウというより選挙という部分、デジタルマーケティングの使い所、民衆への発信と応援の力についてまとめている
AIが味方になる時代
選挙戦、AIはたくさん役に立った。投稿されるSNSやサイトはもちろんだけど、私は街宣の声をすべて文字起こししてもらい、要約し政策とのすり合わせまで一括で行えた。
(具体的なツールは割愛しときます。運営した次の若手が使いこなすまではリードできる道具内容だとおもう※ChatGPT以外ってことね)
AIによって行われたのは、1.文字起こし、2.文章の要約、3.展開、4.画像分析、5.動画分析、6.動向調査、7.各メディアの発信分析、8.過去データからのタイムテーブル作成が主である。実際チームとしては文字起こしと要約と、動画加工には標準的に使われ過ぎていて気がつかないようだ。良い時代になったなぁ
実際に失敗というか必要なかったもの
・街宣の写真からどんな人が来ているか分析
選挙戦なので対立候補にどんな人が来ているかを分析するのに使った。人数ではなくどのような支持層か確認できるかとおもってトライした。
あまりうまく機能はせず、数回しか使わなかったが、専用のスクリプトも用意したが全体の写真が集まらなかった、、、というのが最大の欠点だった
・電話案内をAIにしようとしたが…
都知事選でも話題になったAI電話だった。さらに進化させ今回は連絡網に合わせてコレクトするというアナログ活動が短期間の選挙戦で必要なツールだった。一部開発したもののボランティア運用としてやめにした。
一応、●●事務所の●●●です。この度は〜など応酬含めてスクリプトも組んでみた。反応速度を上げるには結構コストはかかるものと、相手の声が聞き取れない問題が結構重くて、2日じゃ完成できなかった。。。日々プログラムをやるべきだなぁと反省。ロボットボイスの反応への危惧もあったが、どちらかというとこれがいまだに正攻法の一つなのもちょっと不思議な気がする。
※つくった音声を公開しようと思うが確認してから
地域マップの最適化もできたものの、、、
政策配布という行為がある。これは選挙戦前におこなわれることなのだが、どのエリアに効率的に届けられるか。国税調査データのもとに世帯データを照らし合わせて行動データにできる。までは良かったがボランティアスタッフによっては紙地図が良い人もいて、作業がばらけてしまう課題があった。
一部デジタル化して収集はしており、これについては次はもっとうまくできるという気持ちが大きい。ポスターや政策ビラは事前に提供が必要でこの選挙戦では間に合わないというのも痛かったところ
SNSのアクセスや再生から次の政策動画の投稿タイミングを調整がしたかったが
ほんとはリアルタイムな状況からどのタイミングで情報を打つかやりたかったのだが、残念ながらxのAPI問題やXのGrokすら正しくAIで取得できず、半分手動、半分自動で情報を追っかける必要があった。リアルタイムが弱いAIなので致し方ないか。その結果TikTokの運用を温めていくことができず、早めにカット。縦動画に全フリした。
どうやって投稿を見てもらうか
選挙が始まると大量に「いいたいこと」喋った動画やカッコつけた写真だらけで「お願い」ばっかりになる。ってことを織り込みして台本を少し作っておく。
初鳴きの話から中心となる政策へつなぐのは勿論だが、一番大きいのは人柄でしかない。なぜ選挙なのか、なぜ政治家になるか。なぜまたこんなめんどくさいことをしているか。
一方で、はじめてのSNS班には動画や写真、投稿に集中してもらい、「この部分を動画にしてみて!」という号令で慣れてもらう。
同時に、始まった高揚を号令にすべく動画を編集して渡す。相手の何倍も早く、何倍もの若い人へ届けるために。
発信は質
一見すると投稿量が多いと思われるが、一番気を付けているのが質である。なんどもボツをしているし、何度も変更している。同じような投稿が続かないようにコントロールしたし、相手の出方にあわせて後半は実は投稿を控えたりもした。
びっくりしたのは相手がSNS運用でミスしてしまって、SNSでの戦いは終わっていたんだけど。
大事なこと
SNS、たとえばXやInstagram、Tiktokにはちゃんと規約や声明があってやっちゃいけないことを書いてある。理解した上で使えてることになるわけだが、選挙候補者チャンネルが結構な割合で違反してくるのでびっくりしている。たとえば楽曲利用だ。普通に流行りのJpopにのせて演説したり、ヒット曲にあわせて編集したり。おいおい、禁止って書いてる著作者の同意なく宗教、政治利用するとは意識がないのかなと。
SNSは法人や政治アカウントに明確に記載しているものもある。
なので私たちは事前にSNS会議を通じて「やってはいけないこと」「グレーだけどやらないこと」「積極的にやること」を明示した。そういうメソッドはすべてNotionにまとめ、誰がなにをやるかからスタートした。(後半触る暇もなく管理できなくなっちゃったけどもね)
SNSのアルゴリズムを超えたい
実は政治トピックスはリコメンドが薄い。
たとえばMeta社のFacebook、Instagram、Threadsについては政治、選挙の発信をリコメンドを制限している。正確にはメニューの奥底にスイッチがあるんだけど誰もONにしていない。届けたいものがどんどん減るのはもどかしい。
それでも質の良い情報を発信しつづけなきゃならない。反応率が下がると投稿するチームの次の手に迷いが出る。そこで応援団にはある魔法をお願いした。これは記載しない。アルゴリズムをハックしよ!を合言葉で。
応援の気持ちを奮い立て若者の声が増加
後半戦に差し掛かりネタ出し切っていくことになるわけで、応援する人たちを活気づけるつもりで仕込んだことがある。
応援車のメッセージを内側にした動画を投稿する。これは結構大事だということが最近の選挙、維新や石丸さんやらその手の傾向からみていた。まさか自分たちが使うとは思わなかったけど。
私たちの応援活動は政治家をつくることだが、空回りしたり、街宣に人がいなかったりして落胆してしまうこともある。1票でも多く知り合いにお願いしても断られたりもするし、全然伝えられないことだってある。でも一歩一歩やるしかないことだってある。
SNSは応援する人を支えるためにも重要なんだなと改めて思った。
政策や投稿メッセージはRTなどを使うことで再度リーチに回し活動を丁寧にしていく。選挙演説、街宣車に嫌になってくる時期だけに丁寧さは重要だと思う。
選挙結果は通過点にしかならない。
とまぁ、ダラダラと書いててつまらない中身ですが
日本は少し年寄り優位になりすぎてるので、まだまだやりようあるなと終わりにしておく。