【マイクレビュー】Stellar X2
こんにちは、レコラボです。
大阪府茨木市にあるD-STUDIOを拠点に
レコーディングエンジニア/アレンジャー
として活動しています。
さて、マイクレビューということで、
TechZone Audio Products様より
商品をご提供頂きました。
改めまして、ありがとうございます😊
YouTubeの動画やAmazonレビューで
詳しくコメントさせて頂いておりますので、
宜しければご覧ください!
またマイクレビューのためレコーディングで
ご協力頂きました
女性ボーカル:フランソワ・マリコさん
サックス: 寺園優香さん
男性ボーカル: Nicholsonさん
ありがとうございました!
Noteではもう少し主観的な意見を
書いてみようかと思います。
こちらのStella X2、キャラクターとしては
センスの高いドンシャリサウンドです。
周波数特性的には嫌味に感じる高音が
抑えられていて、歌声や楽器のキャラクターが
表れる中高音域、キレ味やクリアさを表現する
プレゼンス(超高音域)がデフォルメされています。
また低音が結構力強いので、
歌声を収録するとかなり近い音像に感じます。
ブレスの感じが分かりやすいですし、
デスボイスではオンマイクで収録してる感じが
ダイレクトに表現されます。
また楽器収録でもオフマイクに立てた際、
低音感が薄くならず、実音の雰囲気のまま
距離感のあるサウンドが収録できることが
凄く印象的で、新しい感覚でした。
サックスではアサガオの上あたりを狙って、
サックスのボディを含めた全体のサウンドを
狙ってマイキングしてました!
オンマイクで収録したダイナミックマイクは
耳元で吹いているような印象で、
Marantz ProfessionalのMPM-3000(銀)は
オフマイクらしく距離感がつけられたサウンド。
それらに対しStellar X2はオンマイク時のような
低音感のまま、オフマイクの距離感ある
サウンドが収録できます。
昨今はよりリアルで、誤魔化しのないサウンドが
求められているように感じますが、
単に近い音という訳ではないようです。
その場で聴いたような臨場感や
繊細なブレスなどが分かりやすく
表現されるマイク。
このセンスの高いドンシャリサウンドは
モダンというか、現代的な音楽には
特にマッチするように思います。
なおドンシャリと表現していますが、
ミドルもしっかりありますし、
ジャンルや歌い手さんを選ぶような
雰囲気ではありません。
キャラクターはハッキリしつつ、
シチュエーションを問わず使えそうなので
センスが高いのです。
あとマイク自体のゲインは結構大きめです。
普段使ってるコンデンサーマイクと同じ感覚で
ゲイン調整すると、大きく入力されるので、
生ドラムや音量差の激しいボーカルを
収録する場合に注意が必要です。
単一指向性でパッドスイッチや
ローカットスイッチはなく、男らしい仕様。
マイクの位置はゲイン合わせに集中すると
考えれば、この男らしい仕様は気になりません。
付属品はサスペンションホルダー、
風防、ハードケースにソフトケースまで。
持ち運びや使い勝手も考慮されていて、
いいですね!
そして2021年7月16日現在、
Amazonでの販売価格が30,000円切っていて、
相当コストパフォーマンスに優れています。
価格以上のクオリティはサウンドを
聴いて頂ければ分かると思いますし、
広義にミドルクラスの価格帯の凄みを
強く感じます。
【銀・左】フラットで素直なMarantz Professional(Japan) MPM-3000
【黒・中】ドンシャリでドライな TechZoneAudioProducts (USA) Stellar X2
【黒・右】ミドルが魅力的でウェットなSontronics STC 3X
3つ並べて聴き比べてみると
歌声のニュアンスがかなり違います。
だからなんなんだと思う方も
中にはいらっしゃるかもしれませんが、
歌詞や譜割、歌い回しが違うといかがでしょう?
そのニュアンスの違いが、
歌の意味合いを大きく変えますし、
レコーディング後にミックスで様々な
トリートメントを行う上で、
言わば元のサウンドキャラクターが
拡大コピーされるとなれば、
歌声がどのマイクによって
レコーダーへ入力されるかどうか、
非常に重要です。
レコラボのレコーディングでは
ジャンルも様々ですし、
歌い手さんのタイプも異なるので、
キャラクターの違うマイクが選択肢として
複数用意されていることは大きなプラスです。
今回TechZoneAudioProducts様から
ご提供頂いたStellar X2は
うちのスタジオにはないタイプの
コンデンサーマイクでした。
本当にありがとうございます!
そしていつもレコーディングで
お世話になっている皆さんと、
拠点スタジオで耳馴染みある歌声や演奏で
サウンドの比較が実現できたことは
まさにブランド名をそのまま体現出来たように
思い、大変嬉しく思います。
こうした新しく出会う楽器、
革新的で品質の高い楽器を偏見なく取り入れ、
サウンドをさらに磨いていこうと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました!