![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/80161698/rectangle_large_type_2_95b19df2b85dfc7ea3b99fbcbf67df0a.jpeg?width=1200)
WEB Re-ClaM 第47回:クラシックミステリ原書刊行状況(2022/5)
新刊が怒涛の勢いで刊行されていますが、なかなか追いつけておりません。取りあえず、五月の新刊だけでもまとめておきたいところ。
★Phoebe Atwood Taylor / The Cape Cod Mystery (1931, American Mystery Classics)
論創海外ミステリから『ケープコッドの悲劇』という題で刊行されている作品。アゼイ・メイヨものの第一作です。元祖コージーミステリとも呼ばれる作風で、ペンズラー叢書に入るのも納得の一冊。
★Mary Fitt / Death on Herons' Mere (1941, Moonstone Press)
メアリー・フィットは日本ではほとんど紹介されていない作家。確か短編が一つ翻訳されているくらいです。その代表作の一つが本作で、Moonstone Press から追って何作か紹介される予定とのこと。
★Martin Edwards / The Life of Crime (2022, Collins)
★Ed. by Martin Edwards, The Edinburgh Mystery (2022, British Library Crime Classics)
Martin Edwards, Deadly Isle: A Golden Age Mystery Map (2022, Herb Lester)
ここからマーティン・エドワーズ新刊ラッシュ。
The Life of Crime は、ミステリの歴史を彼なりの視点から描き直したエドワーズ畢生の大著(紙版は600ページ近いとか)。ただし、紙版は現時点(6/7)ではイギリス国内でのみ入手可能で、日本やアメリカのamazonでは電子版のみ入手可能となっています。なかなかいいお値段なので、PB版や廉価版が出るのを待つのもありか。以下のブログで簡単な説明を載せておりますので、購入にあたっては参考にしてください。
The Edinburgh Mystery は、年に二、三冊のいつものアンソロジー。今回は十九冊目ですが、やや勢いに陰りあり?(テーマ的に厳しいかも) 目玉はジョセフィン・テイの初期短編(ただし内容はミステリとしてはうーん)で、他隅の老人譚(オルツィ)やシリル・ヘアーなども収録。
Deadly Isle は実は6/1発売ですがまあ混ぜてしまってもいいでしょう。イギリスの地図と探偵小説的スポットを組み合わせたものですが、実物が届いていないのでどれほどのものが出てくるかは未知数。同じシリーズのクリスティーのものは好企画だったと聞いていますので、期待できるかな?
というところです。六月はBodies from the Libraryシリーズの新刊、ディーン・ストリート・プレスのアリス・キャンベルなる作家の一挙10冊刊行など企画目白押しですので、個別に紹介できるところはしていく予定です。