山田耕筰作曲「君がため織る綾錦」
繊細な恋心を春の風景と機織りの作業に巧みに例えている作品です
♪曲の概要
風に寄せて歌われる春の歌の2曲目で、全4曲からなる歌曲集の一部です。この曲集は、日本の自然美と恋愛感情を織り交ぜた情景描写が特徴です。
♪歌詞の現代語訳
[パターン1]
恋するあなたへの思いを錦に織る
その思いは春のように被衣のように柔らかく美しい思いだ
しかし、真昼になると不思議に麗らかに風はおさまってしまう
ああ、風の援よ、吹いて錦(にしき)を織ってほしい
[パターン2]
あなたのために織る綾錦
それは恋の春を迎えたあなたが身につける衣
真昼ともなると巧みに織り
心ひかれる風の梭(はた)なのです
♪歌詞の内容とテーマ
恋する思いを錦に織る:恋する相手への思いを美しい錦にたとえ、春の柔らかな風景と繋げています。この錦は、恋人のために織られた特別なものと解釈され、自然と感情の融合が見事に表現されています。
春の風と機織り:昼間の穏やかな風が錦を織り上げるという表現は、風がシャトルのように動きながら自然の模様を描き出す様子をイメージさせます。この比喩が、詩的な美しさを増しています。
♪用語の解説
梭(はた):機織りのシャトルのことで、布を織る際に糸を通す道具です。歌詞中では風がこの梭の役割を果たし、自然の錦を織るイメージを膨らませています。
綾錦:春の野山の草花が織り成す美しい模様を指し、自然が織りなす景色が着物のように見えると例えられています。
被衣(かづき):女性が外出時に肩や頭にかける薄布のことです。歴史的な装束の一部として知られ、大河ドラマなどで登場する場面もあります。
♪詩の表現と文化的背景
筬(おさ):詩の中で使われている道具で、機織りの際に糸を揃えるためのものです。漢字は異なりますが、織る行為と関連付けて当て字として使用されている可能性があります。
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