やりたいことの中から出来ることを探す
好きなことと得意なこと、どちらを仕事にするべきか。
「好きなことで生きていくことが素敵な生き方」だと
考える人が増えた気がする。
私はものづくりで生きていきたい。
静かなアトリエで一人、黙々と作業をしていたい。
疲れたらコーヒーで休憩しつつ、のんびりと暮らしていくのが夢。
作るものはなんでもいい。
形のないものではなく、形のあるものを作る仕事がしたい。
ただそれだけだ。
本当は「この素敵な作品をお客様に届けたいっ!」
「この技法の作品を世界に広めたい!」というような
熱い思いで作品を提供するのが良いのだろう。
しかし私にはそんな熱い思いはない。
細く長くぬるく続けるのが私の性格には合っている。
以前minneでアクセサリーを販売していた。
ハンドメイドは得意な方だ。
小さなアクセサリーならちょちょいと作れるし原価も安い。
人気のあるジャンルだし、この作品くらい私でも作れる!
意気揚々と販売開始したもはいいものの、まったく売れない。
私のような素人丸出しの考えで売れないのは当然だ。
そもそも自分自身、ピアスはおろか、イヤリング、ネックレス、
結婚指輪さえもつけない。
自分自身がアクセサリー類を買おうとも思わないのに、
どうやってお客様に欲しいと思ってもらえるのか、わかるはずもない。
例え売れたとしても、アクセサリーを作り続ける気力はない。
そこまでアクセサリーというものに熱意が持てないからだ。
私が目にするハンドメイド作家さんたちは
人気の裏に相当な努力をしていることを知った。
知らない誰かに知ってもらうのは時間と労力が必要。
見えないゴールを目指すのは並大抵のことではない。
ものづくりは好きだ。
アイデアを出すこと、一人会議してブラッシュアップすること、
コツコツとした地味な作業を黙々とすることが好きだ。
逆に、自分をアピールすること、作品を誰かにすすめることが苦手だ。
仕事と言うものは誰かに価値を提供して
お金をいただくことで成り立つのだと思う。
自分の価値を提供することが出来なければ買ってもらうことはできない。
「アピールしなくても誰かが私の価値を見つけてくれる」なんて
白馬の王子様を待っているのと一緒だ。
お姫様でもない限り誰が道端の石ころを見つけてくれるというのだろうか。
目標は「森の中のアトリエでものづくりをしてのんびり生活すること」。
何を作ってもいい。結局はマインドだ。
できると思えば出来るし、できないと思えば出来ない。
自分のアンテナに引っかかったものを全部作る。
ジャンルがバラバラでも技法がちぐはぐでも何でもいい。
制作したものの中から自分の性格に合うものを探せばいい。
100%好きなことだけで生きていくのは凡人には難しい。
出来ること、得意なことの中から好きなことを探す方がよっぽど簡単だ。
私は好きなこと、やりたいことの中から
出来ること、続けられることを探そうと思う。