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旧来のAI-OCRを超える新時代の「生成AI×AI-OCR」～非定型帳票のデータ化とその先の未来へ～

株式会社リチェルカ

はじめに

企業が日々取り扱う書類には、請求書・発注書・インボイス・履歴書・契約書など、あらゆる種類の帳票が存在します。これらの帳票はフォーマットが統一されていない場合が多く、「非定型帳票」と呼ばれます。従来のOCR（光学文字認識）ソリューションの中には、「非定型帳票も読めます！」とうたうものも少なくありません。しかし実際に導入を検討してみると、以下のような課題に直面することが多いのではないでしょうか。

  • 読取り箇所の個別設定に手間がかかる
    一口に「非定型OCR」といっても、実際は帳票ごとに読み取りたい項目を指定する必要があり、設定だけで膨大な工数がかかる。

  • CSV出力フォーマットの設定が複雑
    出力したいデータのレイアウトや項目名、並び順などを個別に指定する作業が必要で、時間と手間が増大する。

  • 実際の運用ではモデルやテンプレートの調整が必須
    想定外の帳票が混ざると、OCRのモデルを追加で作らなければならない。あるいは都度、技術者のサポートが必要になる。

非定型帳票に限らず、OCRを業務に導入するハードルは想像以上に高いものです。こうした現場での苦労を解消するために、新たなアプローチとして「生成AIを組み込んだAI-OCR」が注目を集めています。


旧来のAI-OCRの限界、複雑な読取り設定と手間


AIによる画像認識技術が登場して以来、多くのOCRベンダーは機械学習やディープラーニングを活用した「AI-OCR」を打ち出してきました。しかし、「AI」とはいえ、その多くは文字の読み取り精度を上げるために特化したものであり、読み取る箇所の判断ロジックはユーザー側が設定を行わなければならないケースがほとんどでした。
例えば、非定型の発注書を自動で読み取りたい場合でも、以下のような作業が発生します。

  1. 帳票ごとのレイアウトを定義する

  2. どの項目をどの座標（または相対位置）から読み取るのか指定する

  3. 出力項目とその命名規則、CSVフォーマットの設定を行う

  4. 新しい帳票レイアウトが追加された場合は、その都度設定を見直す

企業によっては数百～数千のフォーマットが存在するため、それらすべてに個別設定を行うのは現実的ではありません。また、読み取れる精度が高かったとしても、結局は「最初の設定に手間がかかりすぎて運用が回らない」という事態に陥ることが多かったのです。

生成AIを組み込んだ新時代のAI-OCR「RECERQA Scan」の特徴

こうした現状を打破すべく登場したのが、生成AIを活用した新時代のAI-OCR「RECERQA Scan」です。生成AI（Generative AI）の力を組み合わせることで、これまでの常識を覆す運用の簡易化と高精度化を同時に実現しています。本章では、その主な特徴をご紹介します。

1 読み取り箇所設定が不要に！単語を入力するだけで完成

従来のOCRでは、「このエリアに書かれている金額を読む」といった座標指定が必要でした。しかし、「RECERQA Scan」では、生成AIがテキストの意味を理解するため、「合計金額」「商品名」「取引先」など、抽出したい項目名（単語）を入力するだけで、その情報が帳票上のどこにあるかを自動で判断します。
座標指定やバウンディングボックスの設定から解放されるため、ユーザーは「何を読み取りたいのか」だけに集中できるのです。

2 多様なフォーマットにも対応。複雑な設定不要で一括データ化

同じ「発注書」でも、取引先によってレイアウトが異なるケースは珍しくありません。従来は帳票ごとに設定を変える必要がありましたが、「RECERQA Scan」なら、ひとまとめにスキャンしてまとめてデータ化することが可能です。生成AIが書類の構造を理解することで、各書類のフォーマットを自動判別し、必要な項目を抽出してくれます。帳票が数十種類、数百種類あっても、一括処理が現実的なものとなります。

3 CSV出力・データ加工がシンプルで後工程の準備もラクラク

OCR処理のあとの使い方を想定すると、どのようなCSVフォーマットで出力できるかも重要なポイントです。「RECERQA Scan」では、まずあらかじめ出力したいCSVファイルをアップロードし、そのヘッダー情報（列名）から抽出したい項目を対応づけるだけ。
さらに、単位の削除や企業コードへの変換など、後工程で必要になるちょっとした加工もサポートしています。たとえば「株式会社○○」を自社の企業コードに置き換える、といった処理も手軽にできるため、後続システムへの連携がスムーズです。

4 チェック業務の大幅削減。生成AIとのコラボレーション

従来のOCRシステムでは、読み取り結果の誤字を修正したり、合計金額と明細の合計を目視で確認するといった「チェック業務」が避けられませんでした。「RECERQA Scan」では、生成AIとのコラボレーションにより、郵便番号と住所の突合チェック、明細と合計金額の整合性確認などを自動化。
システムが自律的に検証ステップをこなすことで、ヒューマンエラーを極力排除すると同時に、チェック作業にかかる時間を大幅に減らせます。

5 業務全体の自動化を強力サポート！自社システムとのシームレス連携

実際の現場では、「OCRで読み取ったデータをどのように活用するか」という点も重要です。たとえば数百種類の請求書を扱う企業では、「RECERQA Scan」を用いて入力作業を自動化し、そのまま販売管理や会計システムへデータを取り込むといったフローが可能になります。
複数の帳票に対して個別対応する必要がなくなるため、今まで諦めていた大量の入力業務が自動化され、ヒューマンエラーや作業時間の削減が期待できます。

6 多言語対応：貿易・海外拠点の帳票も一括管理

国内だけでなく、海外との取引が増えると、多言語の帳票を取り扱うケースが増えてきます。日本語・英語はもちろん、それ以外の言語にも対応しやすい設計が「RECERQA Scan」の強みです。
貿易業務や海外拠点で使用されるインボイスや契約書も、一つのプラットフォームで一元的にスキャン・データ化できるため、グローバルに展開する企業にも大きなメリットをもたらします。

具体的な導入効果、諦めていた入力業務を自動化へ

「RECERQA Scan」を導入すると、バリエーションの多い非定型帳票を一括で取り込むことが可能になります。紙ベースやPDFで届く書類をスキャナやクラウド上でまとめて処理し、自動で抽出→チェック→出力→システム連携といった一連のフローを構築できます。
その結果、以下のような効果が期待できます。

  • 入力作業の大幅削減：人的工数が減り、スタッフはコア業務に集中できる

  • チェック作業の効率化：生成AIが自動検証を行うため、ヒューマンエラーのリスクが減る

  • スピーディーな処理：帳票ごとにテンプレートを作る必要がなく、導入段階から迅速に運用がスタート

  • 導入後の拡張性：新たな帳票や新言語が追加されても、既存の仕組みを大幅に変える必要がない

「RECERQA Hub」との連携、OCR結果をデータベース活用までつなぐ

「RECERQA Scan」の真価は、OCR結果をどう活用するかにあります。そこで活躍するのが、データベース「RECERQA Hub」との連携です。
「RECERQA Hub」は、OCRで読み取ったデータを蓄積・管理し、業務プロセスやAI分析に活かすためのプラットフォームです。例えば以下のような流れを構築できます。

  1. 「RECERQA Scan」で帳票データを高速・高精度に取り込み

  2. 自動生成AIチェックを経てCSVやAPIを通じて「RECERQA Hub」に蓄積

  3. 「RECERQA Hub」でデータの参照や加工・レポート作成、さらに生成AIを活用した分析への活用

こうしたインプットからアウトプットまでの一気通貫が実現できると、単なるOCR導入にとどまらず、企業全体のデジタルトランスフォーメーション（DX）を大きく前進させることが期待できます。
例えば、見積書を明細単位でデータ化・蓄積し、過去のデータを元に最も最適な購買先を導き出す、などを行うことができます。

まとめ

旧来のAI-OCRは、その名こそ「AI」を冠していましたが、実際には「座標指定」や「レイアウト定義」といった煩雑な設定が避けられませんでした。特にフォーマットが定まらない非定型帳票を扱う現場では、その手間の多さゆえに導入や運用が難しく、結局は手入力や目視チェックを続けざるを得なかったケースも少なくありません。
しかし、新しく登場した生成AIとAI-OCRのハイブリッド技術は、これまでの常識を覆します。読み取りたい「項目名」を入力すれば、生成AIが自動で帳票の文脈を理解し、必要な情報を的確に抽出。チェック業務も生成AIの強力なサポートにより大幅に削減できるため、人力作業が大幅に減るだけでなく、抜け漏れやミスが少ない運用が可能になります。
さらに、「RECERQA Scan」と「RECERQA Hub」を組み合わせれば、紙からデジタルデータ化→データベース蓄積→業務システム連携→分析という流れを一気に構築できます。非定型帳票をスムーズに扱えるようになるだけでなく、その先にあるビジネスデータの戦略的活用まで視野に入れた総合ソリューションを実現できるのです。
もし、非定型帳票の処理に苦戦し、既存のAI-OCRでは十分な効果が得られなかったり、運用の手間が大きすぎて導入を断念していたりするのであれば、ぜひ一度「RECERQA Scan」を検討してみてはいかがでしょうか。生成AIがもたらす新しいAI-OCRの常識を体感し、業務効率化を飛躍的に高めるチャンスです。

RECERQA Scanで業務効率を次のステージへ

「もっと業務を効率化したいけれど、どこから手をつければ…」と悩んでいませんか？
RECERQA Scanなら、手間のかかる入力業務をAIが自動でこなしてくれるので、チーム全体の負担を軽減しながら生産性を引き上げることができます。

  • ペーパーレス化と効率化を同時に実現

  • 煩わしいデータ処理が激減

  • 最新技術を活かしてチェック作業を最小限に

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