反省の一つ
ちょっと前の話だし、気になってる事だから話す。
我々の業界に有名な方がいた。患者さんと言うかいろんな所に相談の電話をするので有名になってしまった方のお話です。
その方はどこかのオステオパシーの治療院で顔を治してもらったら顔が歪み、それにより身体がしんどくなりとても辛いので、顔を治して欲しいと言う話だった。
この方ホントに悩んでいるのはわかるが、日本中のいろんなところに電話されたので、当然みんな知ることになる。
そんな事言ってると、うちにもかかって来た。
毒舌の僕は「あ、有名な方だね。」とつい言ってしまったので、とてもキレられ一度で電話切られた。彼女は自分の事を全く知らない人間が知っている事に、守秘義務はないのか?自分は笑い者にされているのかと思ったのだと思う。
大きな勘違いである。我々治療家は患者さんが困ってたらホントに全身全霊で助けたいと思っている。だからお互いある程度の情報交換はする。こんな方から連絡があったけど、顔とかの得意な人はいないかと、治療家同士で連絡を取り合ったりする。この方はあまりにもいろんなところに電話をかけられたので多くの先生から同じ話を聞く事になり僕は有名な方だと表現してしまった。
するとまた電話がかかる。「私はこんなに苦しいのに誰も治してくれない!」と言われる。
そんな事はない。聴くと何人かにみてもらってるようだ。もっと詳しく聴くと、こんな顔じゃなかった。元に戻して欲しいと言う。そして、呼吸も出来ない。苦しいと…
じゃあ、来られますか?いつにしますか?と言うと予約入れようとはするが、しんどくて行けないと言う。そして決まって誰も治してくれないと…言い始める。
最初に受けたところに行ってみたらとアドバイスするが、治してもらえなかったという。
そして困った事にバンバン電話してくる。何人かにも同じ話を聞いた。大変だと思い真剣に対応すると治療中でも関係なく電話をしてこられ、困った僕の友人は着信拒否にしたと言っていた。
うちにも一緒だった。話を聞いているといつも同じ事を言う………誰も治してくれない!顔を治して欲しいと言うと断られる。こんなに苦しく辛いのにと。
僕は聞いててふと、疑問に思う事があったのでこう伝えた。
「あなたはみんな断るというけど、そんな事はない。我々治療家はしんどいとか辛いとか言われるとほってはおけない。だからみんな治してあげたいと思っている。」
「あなたが断られるのは、顔を治して欲しいと言うからだ」
「顔を触った事で、貴方はしんどくなったのかもしれないけど、貴方が1番困っている事はしんどいって事でしょ?」
「どこでも良いから行けれそうな治療院見つけて、そこに身体がしんどいからみて下さい!と電話してみてください。絶対断られないから!」
「そして、いいかい、絶対顔の事は言わない事!ホントにそれが原因なら何も言わなくてもそこを施術してくれるだろうし、もしそうじゃなくても先ず身体の状態を治して、その後に、実は…と顔の話を出しなさい。」
「いいかい。絶対、顔の事は絶対言っちゃダメだよ!」
と、僕はちゃんと伝えて、電話を切り、着信拒否しました…。
来られない以上は僕は話相手にしかなれず、当時忙しかったのでその時の最前の方法は着信拒否だった。
今なら多分違った対応をしてただろう。もう少し話を聞いて寄り添えたら違ったかもしれない。
でも、これ以降この方の話は聞かなくなった。
アドバイス通りにしてして、誰か良い先生に出会えて良くなっていると良いな………
この子が良くなっている事を心から祈ってます。