人の脂肪と豚の脂肪は全く違う!?
牛や、豚、そして馬なんかを食べる時ふと疑問になる事がある。それは脂肪は白くベターっとしているという事。
これは多分人間の脂肪細胞に比べて油を蓄える量がかなり多いのではないかと思ってしまいます。
動物の脂肪を見てると人間のものとなんかえらい違うなぁと感じます。
そんな事が毎年人の冷凍検体を解剖しに行ってる僕としては気になって仕方ない。
今回豚の皮膚を模擬的に解剖してみて、皮膚は同じ様な感じだけど脂肪の量と質がとても違う事に改めて驚きました。
四つ足動物のお腹は二足歩行の人間と比べて動かない事も踏まえ、何層にもなる腹筋の間にも脂肪が入ってます。人間では薄い膜が間にあるだけで腹筋の間に脂肪など存在しません。
人間の脂肪はとても人間に似ていると言われる豚より鶏の方が近いのかもしれません。
上の名古屋コーチンの肉も脂肪は黄色いし、プツプツで出来てそうだ。
※ここから先は食事中とかには読まないでね。
人の脂肪は黄色っぽい色でブツブツしている。
個体差や場所などにもよりますが、人の脂肪の色については血行が悪い程黄色が強くなります。
血行が悪いと流入だけではなく、排泄も悪いと言うことになり老廃物が脂肪の中に溜まる為、色濃くなるそうです。
人の解剖していくと背面の脂肪量にも驚かさせます。
背骨って後ろの方にあるイメージがありますが実際は腰の骨は身体の中心部近くを通ります。
腹筋や背中の筋肉、腰の中の筋肉はどれもとても人間の身体を支えきるには腹筋なんかは薄過ぎるし、背中の筋肉などは背骨付近に多くあるためとても効率良く支えられているとは言いがたいです。そのため生体では腹圧などの内圧や血管などの圧および脂肪の中にある筋膜組織でその身体を支えているのだろうと思います。
ですので胸腰筋膜だけでなく、脂肪が腰を支えているのではないでしょうか?実際腰の辺りの脂肪は繊維質が脂肪の中に混在し
脂肪が減ってもその繊維は残ります。
実際背部の特に腰あたりを解剖で剖出する時、まるで筋肉か?と言うぐらいの厚みと硬さを感じます。
「インサイドヘッド」と言う映画があるけどそこで出てくる「カナシミ」の重要性と同じくらいこの「脂肪」も大切なんだと実感しました。
いつも嫌われ者の脂肪も身体の衝撃吸収や、保温、備蓄エネルギーだけでなく身体を支える構成要素の1つとして存在しているように思います。