パソコンはパートナー
6.独立
Windows95が発売されて半年後くらいに、power book 5300cに買い替えていた。illustratorやPhotoshopが重くて、買い替えを余儀なくされました。新しいパソコンは快適な動きで仕事に大きく貢献していました。
当時、ワープロの波が押し寄せていた。オアシス、書院、文豪などが広まり、もちろん上司も購入しました。そして言われた。
「これからはワープロの時代だから、パソコンなんて売って買い替えろ」
反論すると喧嘩になるので「ハイハイ」と答えておいた。
当時は毎週金曜日に一週間の売上報告をする会議があります。同僚達は鉛筆と消しゴムを使い電卓と格闘し、売上表を必死に作成し会議に参加していました。集まってから会議が始まるまでに約1時間は待たされていました。
当然、私は10分ほどで終わり会議の始まるのをぼーっと待っていました。
社長が毎週私の行動を見て、我慢出来なかったと思います。
「何をぼーっとしてるんだ」
「社長、売上表は終わっていますので待っています」
「皆、一生懸命やっているんだぞ」
パソコンを使うことは一生懸命やってないと思われている事にムカッときました。
「計数管理はパソコンでやればすぐに終わるので待っています」
社長はあまりパソコンを理解しておらず、半分遊んでいるくらいに思っていたのだと思います。返答が気に入らずしかめっ面をしていました。
会議が始まり、個別に売上表の内容確認が行われました。そして私の番の時に、
「おい、みんな手で書いて売上表に気持ちが入っている。お前のは活字だから気持ちが見えない。手で書いて出しなおせ」
当然、誰だってブチ切れますよね。
「社長が読む雑誌や新聞は手書きですか? 活字だと意味が解りませんか?」
社長は何も言葉が出ずワナワナとした顔をしていたので、ダメ押しをした。
「気持ちを込めて手で書きます。暫くお待ちください」
それから2か月後、退職しました。物事が見えていない経営者には付いて行く気には全くなれませんでした。
半年後には独立しカジュアルショップを出店しました。
独立には不安もありましたが、事務方に不安はありませんでした。強力な相棒のパソコンがあったからです。
売上管理はExcel。もちろん在庫計算や、財務管理、確定申告。そしてお店のポップ作る為に、商品を撮影しPhotoshopで加工、illustratorでデザインを作成し店を賑やかにしていました。
パソコンを使えなかった人よりは、不安が少なかったと思います。
仕事を効率よくしようとパソコンを始めた頃は、苦労もしましたが文房具のように使いこなせるようになり、パソコンは自分を助けてくれる重要なパートナーになっていました。