想像力を鍛える最強ツールとしての盆栽
with コロナ、afterコロナ
新時代
ニューノーマル
そう囁かれる、このご時世。
今、私たちが最も身に付けなければいけないスキルって、
何だと思いますか?
そう、想像力ですよね。
「この道に進めば安泰」
「こういう風に生きれば幸せになれる」
もしかしたら、そんな正解っぽいことが、平成の時代まではあったかもしれません。
しかし、コロナ騒動が起き、皆が気づきました。
「未来がどうなるか誰にもわからない」
「確実なことなんてない」
「どうすれば幸せになれるかなんて、誰も教えてくれない」
自分のアタマで考えて、想像するしかないんです。
そこで本日は、想像力の側面から見た「盆栽」を
3つのポイントからお話ししていきたいと思います。
0.そもそも盆栽って?
以前、盆栽と鉢植えの違いの記事でも書きましたが、
ざっくりいうと
盆栽=山野の風景といった「自然界の縮図」をひとつの鉢の上で表現したもの
いわば小宇宙なんですね。
※小宇宙とは・・・
宇宙全体の一部でありながら全体と類似したもの。
これに対して宇宙全体のことを大宇宙という。(wikipediaより)
1.そこにはない大自然を想像する
盆栽の鑑賞の仕方ってわかりますか?
その盆栽自体の美しさを楽しむのはもちろんですが、それだけだと30%。
この樹が「どこかの大自然」にある樹だと想像して、
その大自然をあなたの心の中で創り上げるんです。
どんな山で、どんな環境で、どんな時代を生き抜いてきたのか、
どんな雨風に耐え忍んできたのか。。。
まさに想像力をフルに働かせるのが、盆栽の鑑賞のポイントです。
2.時を想像する
盆栽の魅力のひとつに、「長い時間生き続けるアート」という側面があります。
何十年、何百年と生き続けるその時間に思いを馳せることができるのも、盆栽の面白さです。
例えば、上の盆栽は、江戸幕府三代将軍 徳川家光が溺愛した盆栽。
家光といえば今から約400年前に活躍した人物ですから、
少なくとも400年以上前から、江戸城そして皇居で大切にされてきた一鉢なんです。
どのような時代を生き抜いてきたのか。
どのような物語を見てきのか。
そして、この先も何百年も生き続けるであろうこの盆栽にとって、
今の世の中はどんな時代だと言えるのだろうか。
そんな風に「時」を軸に思いを馳せるのも、なんだかロマンがありますよね。
3.成長を想像する
盆栽って、「ただお水をあげて成長を見守る」だけでは、
その楽しみの10%くらいしか享受できません。
先に書いた通り、「盆栽=自然界の縮図」ですから、
その盆栽を、できるだけ自然の樹木の姿に近づけたい。
不要な枝葉は切り落としたり、針金を使って枝に動きを出したりして、
手を入れていく。
それこそが盆栽を育てる醍醐味なんです。
まさにアートですね。
「この樹にとって本当に必要な枝葉はどれだろう」
「もしここを切ったらどういう形になるんだっけ」
「数年後にこういう形にしたいから、今どのような手を入れようか」
今現在の姿だけでなく、未来の姿を想像しながら手を入れていく。
想像の連続だと思いませんか?
最後に
いかがでしたでしょうか。
個人的には、盆栽って想像力を鍛えるには最強のツールだと思っています。
大人はもちろん、子どもが盆栽を育てることで、
想像力、創造力、考える力が身につくだろうな、と。
我が家の1歳の息子にも、もう少し大きくなったら盆栽を一鉢与えたいな~と思っています!
では、今日はこの辺で。
植物再生工房ReBonsai
盆栽コーディネーターわかこ