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あなたの家は大丈夫?「相続」の基本

先日、とある方のご相談で山梨県を訪ねました。そのご相談とは、「持っている土地が管理しきれず、ランニングコストだけかかっている状況で、できるのであれば手放したい」との内容でした。

ご相談くださったご本人は、相続をお一人で受けているため、売却などの手続きはそこまで複雑ではございません。

しかしこれが親族の複数名で相続をしている場合には、全員の了承が必要だったり、相続の際に気をつけるポイントが多かったりと、事前に知識を備え、準備をしておくことが重要になってきます。

今回はこの「相続」について解説していきましょう。

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相続とは

まず、相続とは、ある人が亡くなったとき、その人の財産を、配偶者や子どもなどが引き継ぐことです。金銭や不動産だけでなく、すべての権利や義務が含まれます。

このとき、

亡くなった人…被相続人
財産を引き継ぐ人…相続人

と呼びます。

どのタイミングを相続という?

相続が開始されるのは、ある人が「亡くなった時点」と民法で定められています。

税金がかかるの?

相続人(財産を引き継ぐ人)住所が日本国内にである場合、相続の対象となる財産がどこにあるかを問わず、すべての財産に「相続税」がかかります。

この相続税とは、亡くなられた親などから、お金や土地などの財産を受け継いだ(相続した)ときに、その受け取ったお金や土地の財産に対してかかってくる税です。

※国内に住所がない相続人(財産を受け継ぐ人)は、相続される財産の内、日本の国内にある財産だけに相続税がかかります。

なお、相続税は財産を相続した場合に必ず発生するわけではありません。

相続した財産の額から、借金や葬式費用を差し引くなどした後の額が、一定の額(基礎控除額)を上回るときに、相続税がかかってくるという仕組みになっています。

( 相続する財産 - 借金や葬式費用 ) > 基礎控除額

誰が相続を受けられる?

民法では、相続人の範囲と順位が次のように定められています。(これらの相続人を「法定相続人」といいます。)

第1順位:配偶者、直系卑属(子どもや孫など)
第2順位:配偶者、直系尊属(親や祖父母など)
第3順位:配偶者、兄弟姉妹

※直系尊属と直系卑属をあわせて、「直系血族」といいます。

被相続人の配偶者は、常に相続人となります。
※正式な婚姻関係が必要なので、いわゆる「内縁」では相続権がありません。

配偶者以外では、まず、直系尊属、つまり子どもが相続人となります。

子どもがいない場合には、直系卑属=親や祖父母になります。

子どもも親もいない場合には、兄弟姉妹が相続人です。

なお、子どもが既に死亡している場合には、その子どもの子ども(被相続人にとっては孫)が相続人となります。これを「代襲相続」といいます。

養子の場合は?

民法上、養子にも実子と同じ相続権があります。

ただし、相続税の計算をする場合に、他に実子がいるときは1人まで、実子がいないときは2人までと制限されています。

そもそも、相続税は何のためにあるの?

相続した財産の一部を国に納め、広く社会のために使うことになるので、相続税には、資産を再分配する機能があります。

当然ながら、相続した財産が大きいほど相続税額は大きくなります。そのため、生まれた家庭の経済状況による差を縮小させ、格差の固定化を防止する目的もあるのです。

平成25年の調査では、相続税がかかるのは、亡くなられた方の4%程度に過ぎないという結果も。そのため、資産の再分配を図る力が弱くなっているという指摘がありました。

このため、「社会保障と税の一体改革」の一環として、相続税が持つ再分配の機能を回復するため、平成25年度の税制改正では、土地の価格の動きや傾向を踏まえ、相続税がかかる範囲を広げるとともに、税率の見直しが行われました。

その結果、令和元年からは、実際に相続税がかかる割合は亡くなられた方の8%程度にまで増えています。

さいごに

今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。いかがでしたでしょうか。

もともと財産を保有している方はお亡くなりになっている中で、公平性が求めながら親族の複数人で財産を分け合う相続。悪気はなくとも円滑に進まないことがほとんどです。万が一のことがある前に、ぜひ知識や手続きを備えておきましょう。


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