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無敵期間のおわりに

仕事を辞めた。正確には転職が決まった。

仕事を辞めると公表してから退職までの1ヶ月と、有休消化のための2週間余り、私は無敵だった。勤務中は辛くとも終わりが見えているので強気でいられたし、退職後の有給は次の仕事が決まっていた。そのため、休息と遊びに全振りできた。
無職中の孤独を埋めるように人と遊び、美味いものを食べ、心身を満たした。こういう時に付き合ってくれる友人がいなければ、部屋で引きこもるか焦燥感に駆られて出かけて無駄な買い物をしていたと思う。私は弱い。

転職先への不安がないと言ったら嘘になる。今までと全く別の業界、全く別の業務、うまくやっていけるかどうかの不安は尽きない。ただ正直、何もわからないからこそ、今不安に思ったところでどうしようもないため、悩みようがない。これに関しては仕事が始まってから悩み出しても遅くない。

明後日にはまた勤労が始まる。長いようであっという間だった無敵期間が終わる。遅めの夏休みのようだった。けれど、学生時代のそれとは異なり、終わりへの寂しさはあれど後悔や嫌悪は全くない。なぜなら今、すごく満足しているからだ。

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