ヒドゥンダイバージェンスを検知する裁量補助インジケーター『HD-Elucidator』
こんにちは、キツネです🦊
再現難度とその他諸々の理由たちから、実質的にこの世に存在していなかった「ヒドゥンダイバージェンス」を検知するインジケーターが完成したのでお披露目という形で記事を書いています。今回は価格も価格なので、最後まで読んでからご検討いただけると幸いです。
「そもそも、ヒドゥンダイバージェンスって何?」ってレベル感の方は、とりあえずこのあたりの記事を読んでみてください。概念としては、めちゃくちゃ普及している部類のものなのでどこかしらで聞いたことがあると思います。
ヒドゥン検知インジは存在しない?
「ヒドゥンダイバ検知インジは存在しない」と言いましたが、語弊のないように言うと、ダイバージェンスを検知するインジ自体はコミュニティに沢山あるんですが、ヒドゥンダイバだけを検知するものはなく、何よりも「そうじゃない」感が拭えないものが10割を占めている、という状況です。
これは、人間が目視で判定できる大きな山をコードレベルまで落とし込むのが難しいという事情に起因します。ですので、コミュニティスクリプトで存在しているものは基本的に判定期間が短かかったり、不可解な山判定をするものが多いです。
一方で、今回制作した『HDE』は山判定のロジックが1番の提供価値と言っても過言ではないです。前作や前々作の『VPIR』『VPLines』のボリュームゾーン判定に使用したロジックを応用しています。
壇上氏(@lasthopelonger)の「もしかして、ヒドゥンダイバだけ検知するインジ作れるのでは?」という一言で、VCしながらコードを書いてみたら作れてしまったみたいな立ち位置のインジケーターです。
なお本稿は、インジケーターペインにRSIを表示する 「HDE」、チャートにサインをオーバーレイする「HDE Overlay」の2つのインジケーターをセットで販売します。
なぜダイバージェンスではなく「ヒドゥン」検知なのか?
まず、ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスの違いは以下の図表に集約されます。
ダイバージェンスは単体戦略として脆弱です。というのも、ダイバージェンスによるエントリーは価格トレンドに対して逆張りですので、直近に参照できる背はなく、また構造的にサイン点灯が半ば無限に連続するという現象が起きます。
一方で、ヒドゥンダイバージェンスはそれ自体でトレンドの判定ができ、引きつけるべき明確な背があり、損失を限定したエントリーが可能です。また、大局的な価格トレンドに順張りしており、サイン点灯の頻度も少ないので単体戦略として十分採用する価値があります。
従って、トレード戦略として採用すべきはそれ自体で意思決定が可能なヒドゥンダイバージェンスであってダイバージェンスではないのです。
ダイバージェンスをスクリーンアウトすることで、ようやく使い物になる戦略がひとつ得られると言えます。
*詳しい説明*
サインの連続発生はなぜダイバージェンスだと多く、ヒドゥンダイバージェンスだと少ないのでしょうか?
気になる方のために解説します。混み入ってて長い話なので、あまり気にならない方はこのセクションだけ飛ばしてください。
サインの連続発生について、一貫して説明で用いている上昇トレンドで考えてみましょう。そもそもの大前提として、ダイバージェンスの判定は、 価格のHigher High、オシレーターのLower Highで行います。一方、ヒドゥンダイバージェンスは、価格のHigher Low、オシレーターのLower Lowで判定を行います。
まずはダイバージェンスの仕組みから考えていきます。
ダイバージェンスが成立するのは、①「値動きの基準価格に対してHigher Highが切り上がり」かつ ②「オシレーターのLower Highが基準値よりも切り下げている」状態です。
上昇トレンド時、値動きのHHは無尽蔵に切り上がります。一方で、オシレーターのLHは基準値が高い位置にあればあるほど、成立しやすい性質にあります。なぜなら、LHが基準値を超えない限り(=LHがHHに転化しない限り)戻り値はLHになるからです。そして、ダイバージェンス判定の性質上、オシレーター基準値はセッション内の最高値が選択されます。
つまり、ダイバージェンスは構造的にトレンド中は連続して発生するという傾向があると言えます。①と②を同時に満たすハードルが低いからです。
また、ダイバージェンスの判定は価格のHHがベースで行われるため、それ自体でトレンドの終了を判定することはできません。なぜならトレンドの判定はHigher Lowで行われるからです。
ダイバージェンスはHLについては何も示唆を与えません。ここが「ダイバージェンスは反転のサイン」という命題が根本的に誤っている原因と言えます。
例えば、RSIが言及するダイバージェンスの定性的な意味は、「基準点の高値に対してHigher High(高値)を切り上げているけど、相対的に上げ幅が小さくなっている」です。ダイバージェンスはその程度のことしか言っていないのです。
一方、ヒドゥンダイバージェンスが成立するのは、①「値動きの基準価格に対してHigher Lowが切り上がり」かつ ②「オシレーターのLower Lowが基準値よりも切り下げている」状態です。
上昇トレンド時、値動きのHLは切り上げには限界があります。なぜなら、HLは基準価格を割り込んだ時点でLLに転化するからです。
一方で、オシレーターのLLは更新されにくい性質にあります。ヒドゥンダイバの条件を満たした状態でオシレーターのLLを更新するためには、値動きが大きな幅で下落しないといけませんが、下落の度合いが過ぎると安値が基準値を割り込み、上昇トレンドが終了してしまうからです。
つまり、ヒドゥンダイバージェンスは構造的にトレンド中は連続して発生しにくいという傾向があると言えます。①と②を同時に満たすハードルが高いからです。
また、ヒドゥンダイバージェンスの判定は価格のHLがベースで行われるため、それ自体でトレンドの終了を判定することができます。ヒドゥンダイバが観測されている間はトレンドは継続しているのであり、よってエントリーはトレンドに反さないということができます。
RSIが言及するヒドゥンダイバージェンスの定性的な意味は、「基準の押し目に対してHigher Low(安値)を切り上げているけど、下げ幅(押し目)が大きい」です。ダイバージェンスと違って意味があることを言っていると思いませんか?
以上の話をまとめるとこうです。
エントリーの意思決定において、「引きつける背がある(エントリー時に損失が限定できる)」「サインが無尽蔵に頻発しない」「大きなトレンドに逆らっていない」といった要素は重要なものです。ダイバージェンスでのエントリーはこれらを満たしませんが、ヒドゥンでのエントリーはこれらを満たします。
これがヒドゥンダイバがダイバージェンスよりもエントリー指標として優れている理由です。
”裁量補助”という立ち位置
所謂「裁量補助」的な立ち位置に存在するインジケーターでロジック自体もそこまで特殊なものではない(一般的再現性があり、エッジが失われるものではない)ので、欲しい人が買えばいいの精神でツール販売としては初の高額設定にさせていただきました。
(価格設定、適正がわからず毎回困っています。)
「裁量補助」という単語はできれば避けたい個人的な地雷ワードなんですが、今回のツールがそれを冠してる理由は、①「SL(ストップロス)が明示される」というヒドゥンダイバ特有の特徴、②バックテストでそれなりに勝てる(明らかに右肩下がりではない)ロジックということが立証されている、という2点が挙げられます。よりブレイクダウンすると、「それ自体でエントリーの意思決定ができる」に集約できるかなと思います。
最近多いタイプの「裁量補助」インジは、「他のツールと組み合わせてください。あくまで補助です」という依存タイプ(それだけでは意思決定ができない)のものが多い気がします。
コーダーとして裏話をすると、それらは往々にして勝てるロジックにはならなかったけど、意味ありそうなサインが出てるしとりあえず「補助」って言っとこう的な消極的意味合いのもとで販売されている印象を受けます。(ストラテジーのコードがそもそも書けないという可能性もありますが)
「サイン全てにエントリーせず、裁量判断してください」という回避方法も聞いたところによるとあるようですが、これは実質的に何も言っていないのと同じです。全てのローソク足にランダムにサインが出てその中から都合に合うものを選び取ってね、と言っているようなものです。(特に内部ロジックがブラックボックスの場合はよりこの傾向が強いです)
従って、どのような形式であれ裁量”補助”を名乗る以上 ①「裁量補助インジそれ単体でトレードの意思決定ができること」、そして ②「サインに従ってもエクイティが右肩下がりではないというバックテスト」は最低限のマナーかなと思います。裁量お荷物インジに価値はありません。
「裁量補助」ツールへの懐疑論やツールテストについては壇上氏(@lasthopelonger)がいい感じの記事『A4-1 Strategy Tester』を出してくれていたのでそちらに丸投げします。
テスターツールについても、いわゆるノーコードで直感的にロジック検証ができるので、バックテスト初心者にはお勧めしたい記事となっています。ぜひ以下からご確認ください。
インジケーターのバックテスト結果
v5時点において、TradingViewのストラテジーはエントリーとTP/SL周りが脆弱なので余計なエントリーも何箇所かありますが、トレンドの出るアセットでは基本的にパラメーターをいじくりまわさなくても*、かなりいい線の結果が出ていると思います。(本ストラテジーは私的に作成したものであり、販売の予定はありません)
*今回の検証に当たっては、パラメーターの最適化は行っていません。
見ての通り、直近のバックテスト期間でレンジが出ていたり、トレンドにレンジを挟むタイプのアセットでは苦労している印象です。(ヒドゥンダイバの特性上仕方ないことですが)セッションに対するパラメーター調節や、トレンドが綺麗に出る時間足の選択、利確ロジックの最適化によって結果は改善しそうです。
また、今回のバックテストでは、サイン初点灯でのみエントリーを行なっているため、建値のコンディションは一番悪い状態となっています。
詳しい説明パートでも説明した通り、頻度は低いとはいえ、例えば上昇トレンドで価格を切り上げている際、RSIに下方余力があればリアルタイムの足オープンで複数回連続してサインが点灯する現象が起きます。(下図)
しかし、裁量運用では、初点灯にいきなりエントリーしたり、点灯時に毎回エントリーしたりするというよりは、ヒドゥンの起点になっているSL指値価格(背)と、現在の値動き、RSIの下方余力の判断に主観(センス)が入る余地があります。
つまり、押し目買いや戻り売りのタイミングではあるけれども、「押し目がどこまで押すか、戻りがどこまで戻るか」のドンピシャ的な価格の判断はあくまでインジケーターとしてはできない、ということが言えます。RSIがどこまで下がるかがリアルタイムで判断できるわけはないので、当然の仕様です。
従って裁量での運用では、ヒドゥンの基準価格(背)にどこまで引きつけるかという意思決定が重要になります。
また、ヒドゥンダイバインジはその性質上、SL価格はエントリーサインと同タイミングで確定しますが、TPについてはトレーダーごとの裁量判断となります。なお、EAロジックでは、固定のRR(リスクリワード)比を使ってエントリー・SL間の価格差からTPを設定しています。
TPの目標価格の設定については、過去作の『VPIR』『VPLine』『IVC/F』『Bitcoin IV C/F』など出来高プロファイルやIVバンドから行うことが一つの手と考えられます。
また、資金管理については専用コミュニティでのサポートも受けられる『AXE』がおすすめです。以下にそれぞれのツール記事を貼っておきますので、手段のひとつとしてご検討いただけますと幸いです。
過去作のツール、コミュ二ティ紹介
出来高プロファイル系インジケーター
IVバンドインジケーター
資金管理インジケーター&専用コミュニティ
概要
購入特典について
よくある質問(FAQ)
価格とメンバーシップ決済方法
edjjが提供するインジケーターは月額4980円(年会費割)で全てご利用いただけます。以下のメンバーシップ入会ページから、インストラクションに沿って決済を行なってください。
サブスク移行についての詳細は、以下記事で掲載しています。
使用マニュアル
更新履歴
----------------------------------免責事項----------------------------------
本著購入特典のインジケータは投資・投機における取引の結果を約束するものではありません。
取引に関する最終判断は、利用者ご自身の責任において行われるようお願いいたします。
本著購入特典のインジケータを利用したことによる取引の結果について著者は一切の責任を負いません。
二次配布や本著のいかなる内容の無断転載は禁止です。利用権の停止については、販売者の判断により行われる可能性があります。
キツネツール専用コミュニティへの招待
キツネツール専用コミュニティ『Kistune Lab』へは以下からご参加ください。
参加後、「#自己紹介」チャンネルで自己紹介をよろしくお願いします!
総括
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?