高齢者の健康の捉え方(2報)
こんにちは。アラフォー理学療法士のジローです。
理学療法と公衆衛生の知識で、健康的な社会を作りたいと考え、情報発信をしています。
この数日で
妻の祖母(101歳)が自宅復帰し、70歳代息子の介護生活が始まった
大好きなおじさん(83歳:基礎疾患あり)が終活を始めた
職場の近い人が、両親の介護疲れで困っている
と、私の近くの高齢者がざわついてきました。
特に、老老介護などは、もっと件数が増えていくのでしょうね。
皺寄せは、私の娘(小学生)世代にもきているようで、先日も娘の同級生が祖父母の介護が理由で学校を転校したようです。
以前、高齢者の健康について記事にしました。
この記事の続きになります。
できるだけ、生活習慣病を抑えたいとの記事を量産していますが、その中でリハビリテーション専門職に一番求められているのは、「高齢者の生活力を守る」という点であることは確信しています。
日常生活動作能力が保たれていれば良い?
どのような視点で高齢者の健康を評価すれば良い?
と、健康というもの事態の概念がふわっとしていますし、高齢者ではどこまでが良い?悪いという判断も難しいと思います。
私は、下記の論文でまとめられた
「手段的自立」
「知的能動性」
「社会的役割」
の3点をおさえると、高齢者の健康をスッキリ捉えられると思い、早くこの概念に出会えて良かったと思っていますので、内容を紹介したいと思います。
熊谷 修:超高齢社会における栄養イノベーション 臨床栄養 2015.1 pp24-29 より
高齢者の多くは疾病と共生関係であり、個別の疾病の罹患状況は健康評価には適さない。
高齢者の健康指標は地域で独立した生活を営むために求められる能力”高次の生活機能”の自立である。
日常生活を自己完結する能力「手段的自立」
余暇や創作活動として具体化され人間としての魅力を形成する能力「知的能動性」
利他的に行動できる能力「社会的役割」
これらの生活機能の自立性を維持・増進することが重要
(生活習慣病対策が最優先ではない)
高齢医療の分野で有名なフレイルの概念でも、「身体的フレイル」「認知的フレイル」「社会的フレイル」を総合的に評価するように言われていますよね。
動作の自立、認知的活動の創出、社会参加、、、
どれもリハ職種(P、O、S)の得意分野ばかりです。しっかり対応して、健康的な高齢者を増やし、若い世代が頑張れるように活動をしていきます。
また、健康・健康維持を「行動の結果」と捉えると、より理学療法士でも健康に対して何かができる効力感が増えるのではないでしょうか。
リハビリテーション医学は=immobility(うまく動けない)の改善から発展し、特に「活動・行動」に着目した医学です。
運動を「する」
糖質摂取を「半分にする」
酒・タバコを「やめる」
具体的な行動に落とし込むことで、見えてくるものが増えると思います。
また、それに導く方法も、理学療法の技術から派生して立居振る舞いができそうです。
*この記事は「高齢者にリハビリなんか意味あるの?」と私に問い詰めてきた、某とても偉いお方(医療関係者)に対するアンサーになっております(キリッ
健康という、何とも目に見え難く、個人によって捉え方も様々であるものを可視化することで、理学療法士の疾病予防などに貢献できる幅が増えそうですね。
今後は具体的な、行動医学などの記事も増やしていきますので、引き続きよろしくお願い致します。
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