タンパク質へ
最近は、人間関係が上手くいかないことが多い。
自分の思っていることが上手く伝わらないことが原因だろう。
そもそも、自分が発する言葉には、かなり棘がある。
人にも言われるし、自分でもそう思う。
この歳になって恥ずかしい話、最近僕の言葉で人を泣かしてしまった。
僕は口からとげとげキャノンボールを放つタンパク質だ。
自分の正義にたどり着こうと必死に頭を回転させながら、だらだらと弱いビームを放つタイプのタンパク質も知っている。
僕は、満たされないカラスのように、毎日棘になる理論を探し飛び回っている。
そのおかげで、骨の髄にまで、とげとげキャノンボールのストックがある。
「何のために?」って
自分を守るためだと思う。
僕はアルマジロじゃあるまいし、ダンゴムシでもないからだ。
でもそんな、とげとげキャノンボールを捨ててもいいかと思う。
僕はいつの間にか、からだ中にとげとげキャノンボールがあるスタンド使いみたいになっていたと気付いたからだ。
そりゃ伝えたくても伝わらないわけだし、伝えると相手の心が傷むわけだ。
どんなタンパク質もいつかは死んでいく。
そう思うと、愛しいく思う。
僕は育ててきたとげとげキャノンボールをからだから外そうと思う。
その一つ一つを、丁寧に梱包し、必要な人に届ける。
そして、僕じゃないタンパク質に投げてもらいたいと思う。