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世界の美しい瞬間 10
10 世代のゆとり
ご縁とはありがたいもので、最近平成生まれの人々と、お仕事をする機会を頂いている。
わたしは昭和生まれだが、男女問わず、平成生まれにメロメロだ。
たまたまわたしの周りの平成っ子がそうなだけかも知れないが、なんだろう、昭和と違う。
特有の軽さがあって、年の上下や男女に関わらず、まあるい感じに付き合いをする。
そして深すぎたり熱すぎる話はあんまりしない。
それが少し寂しくもあり、ありがたくもある。
昭和世代の方から、ゆとりの奴らは手応えが感じられないと言う声も聞いたが、彼らは彼らなりに生きているだけなのだ。
平成生まれの彼らとの時間は、彼らのおかげでまろやかに経過する。
仲は決して悪くない。
けど友達や仲間内でもない。
かといって知り合いよりは突っ込んでる。
偉いなぁと思ったり、かわいいなぁと感じたり、詰めが甘いなぁと笑えたり。
それはそれですてきだよ、と、勇気がなくて言い出せないが、密かに、彼らは愛しい存在である。
最近、わたしは母世代の方からお古で頂いた、とても仕立ての良いシルクのワンピースを着て出歩くが、驚くことに、それを平成生まれさんから誉められた。
これもジェネレーションギャップなのかしら、嬉しかった。
世代を元号でくくってまとめるのはずいぶん乱暴ではあるし、腹を立てる方もいるだろう。
わたしの世界では、昭和と平成の違いは、確かにある。
どちらが正しく間違いというわけではない。
みんながまろやかにリミックスしてるとすてき、そんな気がするのだ。
互いに学び合えて、互いに違いがあるからこそ、補い合えて、助け合えるような。
過渡期に生まれ、生きているわたしたちは、いくらでも豊かにつくり直せる可能性があるのだ。
なかなかに、神さまのなさることは奥が深い。