![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159611560/rectangle_large_type_2_77580c22609059373e487ac2a927586a.png?width=1200)
気候変動という社会課題に、株式会社アプローチから始め、徐々に非営利要素を取り込み、向き合っていきたい
対談企画としてリープラの投資先の皆さんにお話を伺うシリーズ、「起業家の声」の第7弾として、リクロマ株式会社の加藤貴大さんに、リープラで起業に至るまでの経緯やその中での葛藤、そしてこれからの展望についてお聞きしました。
岡内:本日はお時間をいただきありがとうございます。まずは簡単に自己紹介をお願いします。
加藤:リクロマ株式会社、代表の加藤です。私たちは、2050年までのカーボンニュートラル実現に向けて、企業の気候変動への取り組みをサポートしています。特に、今はプライム上場企業を中心に、コンサルティングや研修を通じてその支援を行っています。
![](https://assets.st-note.com/img/1731453444-3es09IoYpB5Xz46hDcVStCQd.jpg?width=1200)
💡なぜリープラを選んだのか
岡内:リープラをなぜ選んだのか教えていただけますか。
加藤:リープラと出会ったのは2018年で、当時からリープラは「産業創造」を強く掲げていました。複雑性が高くて短期的に解決することが難しい社会課題に対して、産業化というアプローチが、私自身の問題意識と似ていたので、一緒に取り組みたいと思ったのが理由です。
岡内:その問題意識が、産業化というアプローチに結びついていたのですね。
加藤:社会課題に対して産業化でアプローチすることが重要だとかっこいいことを言ってしまったのですが、当時私は学生のような状態で社会に出たことがありませんでした。今振り返ると大きなことを言って自分を癒やしていたのではとも思っています笑。とはいえ、産業化という大きなことを成し遂げるためには自分だけでは難しいとも考えていたのでリープラとともに産業創造を行うことが自分にとって良いのではと思いました。
💡何を目指しているのか。現在何に取り組んでいるのか
![](https://assets.st-note.com/img/1731453580-CgnZb10oBesMHrjDdYRaAu4L.png?width=1200)
岡内:次に、現在の取り組みと目指している方向性についてお伺いしたいと思います。現在どのような事業に取り組んでおられるのですか?
加藤:気候変動という大きな課題に対して、社会全体がより良い形で移行できるような「公正な移行」を目指しています。私達の中では公正な移行を、脱炭素社会への移行過程で影響を受ける産業やそこで働く人達が排除されないようにすることだと考えています。そのため私たちは、ステークホルダーや上場企業に対して単なる支援を提供するのではなく、社会全体を有機的に捉えながら、コンサルティングというビジネスにとらわれずに公正な移行、社会をトランジションするということに取り組む会社であり続けたいと考えています。
岡内: 現在の事業や選ばれた背景についてお聞かせください。
加藤:当時、気候変動に関連するマーケットが動き始めたタイミングで、ニーズが高まりつつあったので、それに応える形でコンサルティング業務を開始しました。始めは枠組みが整っていない状態でしたが、社会が求めていたため、この分野でのコンサルティングを選びました。
岡内:当時のマーケットはどのような状況でしたか?
加藤:非常に小さいものでした。一方で幸運なことに気候変動に詳しい専門家は当時ほとんどいなかったため、他の人よりも多く調べ、多く動き、経験を積むことで、知識やナレッジを蓄積することができました。
岡内:株式会社というアプローチを選んだ理由について振り返って、どのように感じていますか?
加藤:当時、気候変動という社会の課題に対応しようと活動される方々は現状に対抗するようなアプローチを取っていました。しかし、将来的に大きく成長するためには、冷静に考えて株式会社という形が生き残る可能性が高いと感じました。当時から現在まで一貫して、社会課題はすぐには解決できないため、長期的な取り組みが必要だと思っています。そのため、社会を構成するステークホルダーとは、どこかで必ず関わることになるでしょう。早い段階で社会を憎むのではなく、環境破壊を引き起こしている側とも共に変革を進めることが重要だと考えています。
岡内:今のお話を聞くと、未来の課題に対して公正な移行にこだわる姿勢が強調されているように感じます。それにより、ステークホルダーとの共同や株式会社の存続といった要素も重要になっているのですね。
加藤:その通りです。社会にしっかり溶け込むことが、社会課題に向き合うためには重要だと考えています。
岡内:「しっかり溶け込む」とは、具体的にどういうことを指していますか?
加藤:自分だけが正しいと思わずに、社会全体も正しいとする感覚が重要です。個人的に、株式会社は社会が正しいとして、物事を進めている感覚があり、NPOやNGOは自分たちが正しいとして、社会を巻き込んでいこうとしているように認識しています。
私は、初めは株式会社的なアプローチで社会に影響を与えながら、徐々にNGO的な要素を高めていけると考えています。NGOとして活動を始めると、孤立しがちで社会から認知されにくいことが多いです。まずは社会と共に進むスタイルから入り、時間と共にNGO的なアプローチを取り入れていくことが効果的だと思います。
岡内:その考え方をもう少し詳しく教えていただけますか?
加藤: 初めから社会に対して大きな影響を与えるのは難しいです。目立つことも大事ですが、長い時間をかけて影響力を持つことが重要だと考えます。なので、初めは株式会社的なアプローチ度合いが強いけれど、数年後にはNGO的な度合いを高くすることも可能だと考えています。個人的には、社会に対する影響力を長期間かけて高めていくことが重要だと捉えています。
💡これまでの成長や学び
![](https://assets.st-note.com/img/1731453686-vq0p8IumHfLSedPVBEl4xTDK.jpg?width=1200)
岡内:これまでの学びや成長についてお聞かせいただけますか?
加藤:日々学んでいることは多いですが、広い視点で見ると、社会や人々についての理解が深まったことが大きな学びです。特に、自分自身に関しては、一人で進めることが得意で、好きだという気質が強く出ていました。しかし、これは公正な社会移行とは正反対のアプローチであることに気づきました。数年経ってみて、一人でできることには限界があると実感しました。そこで、少しずつ人を巻き込み、共に何かを進めることが重要であると学びました。その中で、どうやって他人と接点を持ち、互いにどう人生を生きるべきかを考えるようになりました。
岡内:紆余曲折の中で、もしお話できる範囲でエピソードがあれば教えてください。
加藤:そもそも相当前向きじゃない形で起業しているので、人の人生を私の人生に巻き込めないと思っていました。そのため、初めは人を巻き込むことが難しいと感じていましたが、自分だけでは限界を感じていました。しかし、人と共に働き、正社員を巻き込む過程で、表面的な理解ではなく、様々な角度で理解ができるようになってきたってこと自体は学びですね。特に、一緒に働く人たちと共に会社や社会、ビジネスがどうあると良いのかと言うのをディスカッションしていく過程で、自分自身の人生と大きく異なる経験をし、深い学びを得ることができました。人との関わりや協力の重要性を痛感し、これが大きな成長に繋がっています。
岡内:本日は貴重なお話ありがとうございました。
編集後記
加藤さんのお話で特に印象的だったのは、株式会社と非営利に対する考え方です。一般的には、どちらか一方を選ばなければならないと考えがちですが、フェーズによって株式会社の度合いを強めたり、非営利の度合いを強めたりできるという考え方に納得感がありました。これは、陳腐な入り口から初めてビジネスの基盤をしっかり整えることができるからこそ、非営利の度合いを長期時間軸で高めることができるとも言えます。このようなアプローチで社会課題解決に取り組みたいとお考えの方がいらっしゃいましたら、ぜひフォームからご連絡ください。
[オフィスアワー開催のお知らせ]
リープラが、創業前後の起業家やこれから起業を考えている皆さまを対象に、無料のオンライン相談会(30分)を開催します。起業テーマ、初期事業、キャリアなど幅広いご相談をお待ちしています。柔軟に日程調整も可能ですので、ぜひお気軽にご参加ください!
詳細・予約はこちら↓