【Reapra Book連載シリーズ】Reapra Book ver.2(2021)編集後記
Reapra (リープラ:research and practice) の産業創造に関する研究実践の過程やそこから得られた知識をまとめ世に公開していくプロジェクト、「Reapra Book」。昨年末にプロジェクト第2弾として、Reapra Book ver2(2021)が公開されました!
存在は知っていたけどまだ手をつけられていない...。という皆さんのためにReapra Book ver2の魅力を編集後記という形でお伝えします!
Reapra Book ver2を「あとがき」からちょっとのぞいてみませんか?
ということで、今回はReapra Book ver2の作成経緯やReapra Book ver1との違い、作成の裏側をReapra Book ver2 (2021) 制作チームメンバーへのインタビューを通してお届けします!お楽しみいただければ幸いです。
ver2を作った経緯ってなんだったんですか?
日比:
正直、ver2をつくらないという選択肢はなかったです(笑)
「Reapra Book」とはReapraで考えていることを言語化するプロジェクトになっています。
Reapra Book ver2(2021)はReapra Book ver1の連作になっているんです。連作という形を取ったのは、Reapra Book ver1の評判が良かったのと、言語化を通して一般化するという営み自体がReapraとしてやっていきたいことだった、ということが背景にあります。
鹿谷:
もともと2020年にReapra Book ver1を作ったときから、ver10くらいまで続いていくものを想定していました。内容も本の体裁もどんどんアップデートして継続していくことが前提になっていましたね。長期プロジェクトの通過点としてのver2です!
なぜVer2の制作チームに入ろうと思ったんですか?
鹿谷:
Reapraは、やろうとしていることの全体像がなかなか見えにくいんです。次世代の産業創造を目指しているがゆえに、伴走支援のスコープは時間軸がとても長いんですよね。一方で、実際の伴走支援は、担当している投資先起業家のフェーズや状況に合わせて進んでいくので、自分が関わっていない部分はどうしても理解が浅くて...。一般化の文章の制作に関わることが理解に役立つと思い、制作チームに参加しました!
Reapra Bookというプロジェクトを通して、これまでのReapraの研究実践を一般化していくということは、他のReapra社員との共同学習、つまり考えていることを言語化し、ぶつけ合うことであるとも捉えているので、これがReapraの活動の根幹でもあると思っています!
佐藤:
私は、マスタリーテーマ(※1)に関係しそうだと感じたのがきっかけでした。世間ではまだ一般的ではない考えを言語化することがマスタリーに関係しそうだとふんわり思って入りました!(笑)
マスタリーテーマ:人生を懸けてエネルギーを費やし続けられると信じられるテーマであるライフミッションに向かって前進していくために、比較的長い時間軸(10年程度)で学習していく領域。
日比:
なんでだったっけ(笑)
Reapra Book ver1は紆余曲折あって編集長のような立ち位置だったんです。Reapraに入って1年目ながら、がんばってとにかく形にしていて。ver1からの接続や経験を生かしたいという思いから今回のver2の制作に参加しました。
Reapra Book ver1とver2のちがいを教えてください!
日比:
これはずばり分かりやすさだと思います!ver1は、長くて分かりにくいというフィードバックをもらっていたので、ver2はできる限り分かりやすく書いていこうとしていました。
鹿谷:
めっちゃ同意です(笑)ver1は頭の中にあったものをとにかく全部吐き出すみたいな感じでした。それに比べ、ver2はみんなの頭の中にver1という共通の土台がある上で、表現の仕方をすりあわせていったので、分かりやすさに繋がっているのだと思います。
佐藤:
あと、記載しているコンテンツも結構違います!大きな違いは2つあります。
1つが、ver1で書いていたSO(ストレッチオペレーション)に関して、社内や投資先での実践が進んだ結果、SOの中でも初期のフェーズの学習を「初期学習プログラム」という形に切り出して詳細に記載されています。そのため、記載内容の具体度が1段上がったと感じています。
2つ目は、2021年は社員自身がそれぞれ「社会と共創する熟達」の実践に向き合った年でもあったので、その実践を通して見えてきたライフヒストリーや実践の中での葛藤を記載した文章が格段に増えているんです。
日比:
社員自身の実践事例が増えて、Reapraという組織自体も大きく変わったんだなと思いました!
鹿谷:
日頃、投資先起業家を伴走支援しているReapra社員が、個々人の実践をできるだけ赤裸々に書いたことは大きい変化ですね。こんな時にこんなことを悩んでましたっていうのをありのままに書くような構成になっていることが1番のポイントだと思います。
ぜひ、第3部に掲載されているリンクから、気になったものには閲覧申請をしてみてください!
編集裏話~20人の執筆者の文章統一に四苦八苦~
佐藤:
編集する量が多くて大変でした。鹿谷さんがひたすらに赤ペン先生をやってくれていましたね(笑)
本を出版したことがある社員に相談したら、「前提を考え直したほうがいいよ」っていわれたこともありました。起業家やReapra内だけでなく、外部の人に公開するってなった時に、もうちょっと分かりやすく書かなきゃっていわれて、執筆中も誰に向けて書くのかを定めることが難しかったです。
鹿谷:
相談した出版経験のある社員からは、起業家や、社員、外部の読者全員に向けて同じ書き方で理解してもらうのは無理だって言われて。それを受けて確かにってなりましたよね(笑)
また、人によってReapraで使っている用語の理解が若干違っていて、全部を通して読むと、あれ私たちはそういうことを書きたかったんだっけ?ってなることもちょこちょこありました(笑)だけどそれはその人の理解だから、それを活かすべきか否かで悩んでいましたね。
あとは執筆者によっても、文のスタイルが結構違っていて、一定の文章ルールは決めたものの、その人ならではの言葉の選び方とか特徴は出てましたよね...
結構その辺は、日比さん苦労していませんでした?
日比:
たしかに。全部統一した文章にするのは難しかったので、ですます調で柔らかい雰囲気だけは統一するようにしました。ver1は、である調で書いてきつめの表現になってしまったので、今回はもっと柔らかく、丁寧にしようとしていましたね。自己満足かもしれないですが、最終的にはかなりそろったんじゃないかとかんじています (笑)
ここは同じ言葉にしなきゃとか、ここはこの表現の仕方が良いんじゃないかとか、細かく確認をしていました。
読者の皆さまへのメッセージ
佐藤:
ver2の制作中に起業家との対話を通して、「Reapra Book」は読むだけでなく、対話をしながら理解することが必要だなと感じました。
もし「Reapra Book」に共感してくれる読者の方がいれば、読むことにとどまらずに、チャットを通してでも直接でもどんな形でも良いので連絡をしてもらい、一緒に対話をしながら理解を深められると嬉しいです!
日比:
「Reapra Book」は本ではなく、社会と共創する熟達の実践をする人々を媒介するプラットフォームだと考えています!「Reapra Book」はずっと続いていくものなので、完成版ではない前提で、分からないことがあったら聴いてほしいし、正解として読むんじゃなくてある程度批判的に読んで頂きたいです。
一緒に作りましょう!!!
鹿谷:
お二人が言ったのがすべてな気がしてますが、普通の売っている本と比べると読みにくい部分は正直あるので、本だけで理解するものではなく、対話で理解していき、一緒に作っていくスタイルであることを踏まえて「Reapra Book」を開いてもらえると良いのかなと思います!
Reapra Book ver2(2021)はこちらからご覧いただけます。
Reapraのウェブサイトはこちらです。
取材:高塚結衣・山本葉月
文・編集:高塚結衣・山本葉月
取材協力:鹿谷幸史・日比朝子・佐藤紗世子
デザイン:山本葉月