スローガン上場。新たな産業創出に向けた起業家とReapraの軌跡とこれから
Reapra投資先として初の上場となったスローガン社。上場の節目に、新産業創出に向けたこれまでの道のりとこれからの展望を伺いました。
11月25日に上場となったスローガン株式会社 代表取締役の伊藤豊氏、Reapraグループ代表の諸藤周平、Reapra支援担当の山田晃義による鼎談をお届けします。
※Reapraは、超長期の時間軸における次世代の産業創出を起業家と共に目指しています。上場は1つの大事な通過点であると捉えており、今後も次世代の産業創出に向けて、引き続き、スローガン社への支援を行います。
伊藤豊 (いとう・ゆたか)
スローガン株式会社 代表取締役社長。2005年にスローガン株式会社を設立、代表取締役に就任。「人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける」ことを掲げ、学生向け厳選就活プラットフォーム「Goodfind」を中心に、数多くのベンチャー企業や事業創出に取り組む大企業等の新産業領域の企業を人材面から支援している。
諸藤周平(もろふじ・しゅうへい)
ReapraグループFounder & CEO。エス・エム・エス創業者。2014年にトップを退任。その後、2014年にシンガポールでReapraグループを創業。100年続く事業の創出と、リーダーの育成に取り組む。2021年4月、糸島に拠点を設立。1977年生まれ。九州大学経済学部卒業。
山田晃義(やまだ・あきよし)
2002年に株式会社キーエンス入社。法人営業として従事しストレッチオペレーションを学ぶ。2007年に株式会社エス・エム・エス入社。求人広告事業のセールスマネジャーを経て、買収したメディア・出版事業のPMI・事業開発、通販事業の責任者をつとめる。2015年に独立しEC・セールスコンサルティングを行い、2017年より現職。投資先のセールスサポートを担当。南山大学法学部卒。
きっかけは一通のメール
ーースローガン社とReapraの接点を伺うところから始められればと思います。2015年に諸藤が社外取締役になり、その一年後にReapraから出資という形だったと思うんですが、どんな経緯で出資に至ったのでしょうか?
伊藤さん:
それまで、諸藤さんとは、エス・エム・エスの新卒採用をお手伝いする中で、二回くらいお会いしたことがある程度でした。諸藤さんがエス・エム・エスを退任するというニュースも、驚いたのを覚えていますがその時点で特に何かやり取りがあったわけではありません。でも、その数か月後ぐらいに、突然私宛に諸藤さんから三行ぐらいの簡素なメールが届いたんです。それもすごい奇妙な話じゃないですか(笑)
「新しく次やることがあるのでちょっとお話しさせてください」っていうだけの超怪しいメールで、なんだろ?と。お会いしたら、これから日本を一回離れて海外で事業をするって話でした。その時に若いアントレプレナーのタレントが必要であるということで、「若いタレントの情報が日本で一番集積している場所がスローガンだと思った」って言ってくれて、とても嬉しかったんです。何か自分がお手伝いできることがあればと思い、Reapraの立ち上げ期に人材をご紹介しました。
そんな形でお手伝いしていく中で、諸藤さんから「スローガンはもっと伸びるはずだからお手伝いができると思う。」と言ってもらったんです。そうして、社外取締役をお願いすることになりました。そういう過程でお話をする機会が増えていくうちに、諸藤さんが自分に足りない部分を俯瞰して見てくれる存在と感じるようになりました。そんな背景もあり、共に事業を動かす仲間として出資をお願いした、という流れです。
ーーエス・エム・エスを退任した諸藤さんから一通のメールがきっかけで社外取締役・投資につながったという背景があったんですね。諸藤さん側からするといかがでしょうか?どんな背景で伊藤さん率いるスローガン社の領域が伸びて行くと見立てていたのかも含めてお聞きしたいです。
Reapraグループ代表 諸藤の領域の見立て
諸藤 :
エス・エム・エスの退任を考え始めたとき、唯一次に日本でやるとしたら伸びゆく領域だなと思ったのが、日本の労働マーケットでした。雇用の流動性が高まった時に、制度的なルールや解雇要件といった多様なものをが大きく変わるのは間違いないと。そんな風に潮目が変わる前のタイミングからその領域で事業をしていれば、流れに乗って大きなマーケットになるなと捉えていました。
スローガンの言葉をそのまま拾うと「人の可能性を最大限引き出す」っていうところですね。ここは、社会の変化に合わせて、緩やかには今も変わっているけど、どこかで大きく変わるだろうと信じられる領域です。関わり始めた当時も「社会の入り口に立つ前後の人たちのデータを全部集めている良い立ち位置にいる会社」と認識していて、将来的にも可能性があると感じていました。同時にスローガンが今後どうなるのかを見てみたいと思い、一緒に仕事ができればと思うようになりました。
未来の社会に対してあるべき姿と実際の人の活用が相当ずれているという「労働マーケットの歪み」は、投資した当時も今も感じるので、今後も伸びていく領域と見ています。
ーーありがとうございます。諸藤さんが将来のびゆく領域だと見立てていた「労働マーケット」に対して、データを集めながら実践をしている会社としてスローガン社を見ていたんですね。だからこそ、諸藤さん自身が将来どうなっていくかを見てみたかったと。
Reapraとの学習による変化
ーー投資以降、Reapraとの共同学習によって、伊藤さんご自身や事業に何か変化はあったのでしょうか?
伊藤さん:
そうですね。まず自身の変化で言うと、今まで職人的にこだわって事業づくりをしてきた状態から、いろんな選択肢を柔軟に検討しながら試していくというようなフラットな状態になれました。
ーーなるほど。伊藤さんがおっしゃる職人的にこだわった事業づくりとはどういうことですか?
伊藤さん:
例えるならば、セレクトショップのバイヤーを自分がやってしまっていたんです。店に並べる商品はセンスの良いものだけを並べたい、というように。ベンチャーへの就職というマーケットをしっかり作っていくためにも、良くない会社が混ざるとそのカテゴリー自体が学生から買ってもらえなくなるのではと感じていました。そのため、本当に良い会社だけを選んで紹介したいという気持ちが強くなっていました。せっかく営業が取ってきた案件も、「その会社面白い部分がわからないし、ちょっと怪しいからいやだ。」と言って取引しないこともありました。また、「我々はベンチャーの味方だから大手と取引したら裏切りだ。」みたいな考えもどこかにあって。大手企業への営業をまったくしなかった時期もありました。
大手と取引することと、ベンチャーを応援することは全然両立できるはずなのに、それを二項対立的に捉えていた部分がありましたね。Reapraが活用している成人発達理論*の観点で捉えると、成熟していくとは物事を二項対立でみるのではなく、統合的に見ていくことが一つの要素だと受け取っています。その統合的に考えるということが自分の中でも少しずつできるようになっていったと感じています。
*成人発達理論:発達心理学の中でも、成人以降の発達を中心に研究されている理論。有名な研究者として、ロバート・キーガンやスザンヌ・クック=グロイターがいる。
(Reapraにおける活用の詳細は、こちら)
ーーありがとうございます。事業へのこだわりがとても強かったんですね。
伊藤さん:
はい。だから、フラットに多様な選択肢や取りうる手段を比較して、一番合理的なものをしっかり選んでいくっていう考え方があまりできていなかったんです。でも、そこから諸藤さんや山田さんとの対話の中で思考に変化が起きました。経営的な意思決定や現場での施策という観点で、視点をちゃんとフラットにし、その中で最善の手をとっていくことを意識するようにりました。言い換えると、「狭くこだわりの強い会社」から、フラットにいろんな選択肢を柔軟に検討しながら試していくスタイルに変われた、ほぐされた感覚がありますね。幅が広がったみたいな感覚です。
ーーなるほど。自身の事業へのこだわりが強いからこそ、フラットな視点で物事を見ることができなかった状態から、Reapraとの対話により自分自身の考え方の幅が広かったんですね。
伊藤さん:
そうですね。他にもReapraの支援によって自分の幅が広がったな、というところがあります。
Reapraに出資してもらうまでは「社会的な意味がある良いことをやってるはずなのに、10年やってもなんでこんなに会社が小さいのか」という思いがありました。今思うと、その裏で自分自身が、この領域はベンチャーを相手にしたニッチなマーケットだと捉えていて、会社を大きくできるイメージを持っていなかった。売上が100億になるイメージがどうしても持てなかったんです。
でも、Reapraと一緒にディスカッションしていく中で、こうしたら100億以上にビジネスを拡張して行けるんじゃないかという風に視点が広がっていきました。それまでは、事業領域の可能性を、自分自身の見える範囲から判断していたために勝手にブロックしていた部分があったと気づきました。
ーーこれまで伊藤さんご自身の変容について聞いてきました。他にも事業についても変化はありましたでしょうか。
伊藤さん:
結果として事業に大きな違いを生み出したっていう観点でいうと、価格設定ですね。
ある時、諸藤さんから「スローガンは高い価値を提供できているはずなのに、価格が競合と同じくらいではおかしい。価格設定をちゃんと見直したほうがいい。」と投げかけていただいて。そこから色々と考えて、結果として二倍近くの値上げを意思決定したんです。
普通に考えたら二倍値上げしたら、お客さんもめちゃくちゃ怒るし、社員も不安になりますよね。実際に、それで離れていったお客さんも2~3割いたので大変革でした。それでも、今思えばあの意思決定はかなり冴えるものだったと思います。それまでなんとなく自分自身がお客さんに高いお金で何かを売り自分たちが利益を大きく取るっていうこと自体に抵抗がありました。自分の中でお客さんにいい顔をしたいっていうので適正な価格でやりたいなと。そんな無意識のブロックが価格という形でも現れていたのですが、最終的には値上げの意思決定ができたのはすごく良かったです。利益が出せるからこそサービスの品質を高めていくための人的投資を中心とした継続投資ができる。ゆえに競合優位が築けるからです。
Reapraとして、どんな支援を意識してきたか
ーーこういった伊藤さんの変化について、Reapra側からはどのように見えていたのでしょうか。
諸藤 :
私たちがサポートできたことかは別として、伊藤さんは、「良いベンチャーに優秀な人を知ってもらい入ってもらう」という、それまでなかった流れを作り、それを結実させることへの強いエネルギーがある人だと思っています。そして、スローガン社は、そのビジョンに強く共感している人たちが一体となって事業をしている強い組織です。
投資した当初は、伊藤さんお話の通り、「人の可能性を引き出す」ということを、「良いベンチャーに優秀な人を渡す」と捉えてこだわって事業を回しているように見えていました。そのため、もっと時間軸を延ばして取り組んでいたことを俯瞰してみると、可能性を広げられるところがあるのではないかという対話をしていました。さらに、そういった考えを伊藤さんだけが持っているとならないように、組織全体にどう広げていくのかを試行錯誤しながら行うお手伝いをしてきたのかなと思っていて、今後も一緒に学習していくつもりです。
また、既存の事業を精緻化していく部分も議論していて。広げた可能性をより伸ばすためにも今ある事業の足腰を強くする、そして強くしているからこそ機会が見つかったときにさらに広げられるんだ、というところを一緒に議論してきました。なので、戦略的な広がりと足腰の強さを、組織を動かしながらどう作っていくのかを喧々諤々やってきたと理解しています。
投資先担当 (Relationship Manager) として山田が見てきた変化
山田:
さっき、ご自身のことを「セレクトショップのバイヤー」とおっしゃっていましたが、事業に対する情熱やこだわり、やってきたことへの自負はあったと思うんです。それらをもしかしたら失ってしまうような怖さや、どちらかを選択しなければと葛藤されている姿も見ていました。でも、二項対立にするものじゃないんだということに気付いて、「寛容さが広がる」と伊藤さんがおっしゃられたときに、葛藤を超えてそれを受け入れるように話されてるなと感じて。これは、Reapraで言うところの包容力が広がった瞬間を見れたと感じ、強く心に残っています。
なので、伊藤さんの包容力が時間とともに広がっているという実感がありますね。その分スローガンのらしさである尖っている部分は失わないまま、社会との接点がどんどん広がりながら今の姿になってきているのかなと思います。
上場はスローガンを社会の公器にする準備が出来たから
ーーReapraと共に社会との共創を進められてきた伊藤さん及びスローガン社ですが、上場はなぜこのタイミングだったでしょうか?
伊藤さん:
今回の上場の重要性は、スローガンを社会的なパブリックカンパニーにしていくという部分にあります。社会性の高いミッションを実現していく会社として、スローガンを私物じゃない社会の持ち物としてちゃんと育てていく。そのプロセスを意識しての上場です。なので、早く準備ができたんだったら早く上場した方がいいと考えました。そして、2016年頃から上場を見据えて準備をしてきて、その体制が整ったのが今だったんです。
また、上場することで多様なステークホルダーからの、今まで自分たちが意識できていなかった視点も取り込んでいけるようになります。ガバナンスの透明性という観点でも、社会から信用・信頼していただける存在になりやすい。今まで自分たちの社会的信用の低さからなんとなく付き合いづらいと感じていた、自治体や大学、政府機関も今後はより何か取り組みをしやすくなるのでは、という期待があるので、そういう意味でも準備ができたタイミングでなるべく早く上場することが自然かなと考えています。
とはいえ、準備ができても、例えば上場を1,2年遅らせてさらに業績を上げた状態の方が株価がつくという意見の人ももちろんいますし、色々な選択肢がありえたと思います。ただ、長期的な目線で見たら、目先の数字はそこまで関係ないかなと思うんですよね。
それで言うと、諸藤さんはじめReapraの皆さんに、今のタイミングでの上場では株価が相対的に低くなってしまうのを「全く気にしていない。」と言っていただけたのはありがたかったです。株主によっては上場時点での株価を気にする方もいると思いますけど、超長期のパートナーシップを前提に伴走してくれるReapraだからこそ、背中を押してくれたんだと思いました。
次世代の社会と企業を見据えて
ーー超長期の時間軸で社会課題と向き合うという目線が一致していたからこそこのタイミングでの上場が実現したんですね。
伊藤さん:
そうですね。私たちは世代をまたいで取り組む必要のあるような社会課題に向き合っているので、自然と目線が超長期になります。
もう一歩踏み込んだ話になりますが、そのような時間軸で事業を考えていると持ち株比率についての考え方も、一般的に言われているのとは少し違った見え方になってくる気がしています。
できるだけ自分で多くのシェアを持っていた方が良いと考える創業者も多いですが、そういう方は、サクセッション(後継者育成)のことはそもそも考えていないケースが多いと思うんです。あるいは、議決権を持っておきたいという考えもあるかもしれません。
でも私は、会社の未来をすごく先の未来まで考えた時に、「30年後や40年後はどうするんですか?」と思うんですよね。自分だったらおじいちゃんになっちゃうわけで、その時に色々大変じゃないですか。
ーーそういったお考えはReapraの投資を受ける前からお持ちだったんですか?
伊藤さん:
どうなんでしょう。諸藤さんと対話を重ねていく中で、自分の中に自然とこういう考えが形成されてきた部分はあるかもしれないです。
ただ、もともと私の中にも土台があったと思います。私は自信満々なタイプではなくて、長期的に見れば、自分より優秀な人が経営をした方が会社が伸びるんじゃないかという思いがありました。そこから、ミッションを忠実に追い求めるためにはどこかのタイミングで自分より優秀な人に組織を渡すことが重要だ、と考えるようになったんです。そう考えたら、自分ばかり大きなシェアを抱えているのはネックになりうるから、むしろ下げて行こうって。
会社をパブリックなものにするのが上場なのに、創業者が引き続き6-7割持ってるっていうのも個人的には違和感があります。そして、どちらにしても上場によって色々な株主が入ってくる想定であれば、それまでは同じ方向を見据えちゃんと応援してくれる存在としてのReapraに、ある程度まとまったシェアを持っていただけることはむしろポジティブだと思っています。サクセッションも見据えた長期時間軸でのミッション実現を第一に考えると、自分が大きなシェアを持ち続けたいという気にはならなかったです。
スローガンのこれから
ーーここまでReapraとの歩みや上場の意思決定についてお話しいただきましたが、これからの展望についても伺っていきたいと思います。
これまで「人の可能性を引き出し才能を最適に配置することで新産業を創出し続ける。」をミッションに人材領域の課題解決に取り組んでこられたスローガン社ですが、この領域が今後どういう風に展開していくと考えられていますか?また、そこに対してどのようにアプローチしていこうと考えていらっしゃるかも教えてください。
伊藤さん:
仕事選びという観点で世の中を見た時に、就職であれ転職であれ、新しい産業へ人材が移動していく流れはまだ始まったばかりだと考えています。新産業の火種はもっと大きくなっていくだろうと思うので、そこへの人材供給のニーズは増していくと見ています。
伝統的な企業に関しても、時代の流れに合わせてトランスフォーメーションしていく動きが出てくるはずです。そういったところに対してもスローガンが得意としている、ベンチャー・スタートアップを志向するような、事業創造に意欲的な人材を供給していきたいと考えています。同時に、こうした人材を受け入れるために伝統的な企業のカルチャーを変えていく必要もあるはずで、そこの支援もできると考えています。
現在スローガンはキャリアのマッチングに軸足を置いてはいるんですが、伝統的なコーポレートカルチャーの変革を実現し、ジェンダーギャップ、ダイバーシティといった問題にアプローチしていくこともセットで行っていきます。そうすることで人材にとってのキャリアの門戸が広がるはずです。
ベンチャーやスタートアップが新しい産業を作る動きと、伝統的な会社も時代に合わせて変わっていくという動きが合わさると、社会全体で新しい産業が自然と生まれてくる社会づくりができるのではないかと感じています。新産業と伝統的な企業へのアプローチを両輪で回していくことが、「人の可能性を引き出す」というスローガンの活動領域を広げることにもつながるだろうと考えています。
ReapraはVCではない?
伊藤さん:
ところで、スローガン上場後のReapraの保有方針について外部の人から質問されることもたまにあるのですが、Reapraをベンチャーキャピタルファンドだと誤解している人も多いようです。ReapraはVCではない、という説明であっていますか?
諸藤:
そうですね。私たちはファンドを持っていないため、ファンドを持った通常のVCに比べて、時間の制約や利益率にこだわることなく、長期で伴走支援を行うことができます。そのため、早く上場するために、ということは一切やってきていないつもりでいます。むしろ世代を跨ぐ産業創造という大きな可能性を取るために必要であれば上場という考え方で、上場後も引き続き一緒に学習をしていきたいと考えています。
Reapraとして今後何ができるか
ーーその流れで最後に、Reapraとしても投資先の中で初の上場だと思いますが、今後はどういった支援を考えているのでしょうか?
諸藤:
私たちが提供できることは、これまでと大きく変わらないと思っています。引き続き、実現したら産業規模の大きな市場になるけれど、現在はまだ存在しないため抽象的になりやすい領域 (ReapraでいうPBF*)を、将来ある可能性がなんなのかという観点で解像度高く見ていくこと。また、その領域を見据えながら、1つ1つの事業づくりをオペレーションを作り込みながら進めていくこと。これらを、超長期の視点で一緒にやっていくということです。ファンドを持たないベンチャーキャピタルとして、期限がないがゆえに長期時間軸で一緒に学習していくことが私たちのできることだと思っています。
*PBFとは、Promising Business Fieldの略で、Reapraが考える将来有望な領域のこと。複雑がゆえにまだ規模としては小さいが、次世代に跨ぐ大きな社会課題を有しており、株式会社アプローチが有効で唯一無二のマーケットリーダを目指し得ると信じられる領域を指す。
参考記事:https://newspicks.com/news/6316012/body/
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取材:日比朝子
文・編集:日比朝子 高野大伽 野村舞
取材協力・撮影:北川裕憲
デザイン:西瑞葵