希望の世界か、困難と不信の世界の分岐点
国家安全保障戦略 結語より抜粋
感想
人は将来の幸福度の予測に基づいて行動を決めている。例えば、結婚や出産といった判断は、現在の所得ではなく将来の所得が増えるか、豊かな生活を送れるかという予測に基づいて決めている。仮に貧しく、豊かでない生活をしていたとしても将来、労働力として所得の増加や幸福度の増加につながるのであれば、子供を産むという選択をする。一方で、現在豊かな生活をしていたとしても、将来離婚や所得の減少が予測できるのであればその選択をとらない。つまり「将来に希望が持てるか」が非常に重要。戦後の日本の成長期には現在は豊かでなくともこれから豊かになっていくという予測ができたので多くの人が幸福度の高い生活を送れていた。しかし、一旦経済成長が止まってその負の側面を見るようになると、豊かになっていくイメージが崩れ、結果幸福度の低下や、少子化につながっていると考えられる。その意味で、「希望を持ち続けるべき」という言葉は日本がこれからも豊かな社会を築いていくうえで非常に重要なことではないかと感じた。
そのうえで必要なことは、より良い将来の姿をイメージさせられる強いリーダーの存在だと思う。これから数十年間の日本の国際社会での地位や、経済発展を決定づけるような分岐点であり、そこでどのようなリーダーを選ぶか、まさに「今を生きる国民の責任」であるといえる。