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「個別最適な学び」を実現するために,大事なこと①

2022/07/30には,夏のリレー講演がスタートしました😌
第一回目は宗實直樹先生のご講演がありました。今回は,学んだことや自分なりに調べたいことを整理していきたいと思います。

何のための「個別最適な学び」か

まず,そもそも何のための「個別最適な学び」かというお話がありました。

「すべての子どもの学習権を保障し,だれ一人取り残さない授業」
すべての子どもがのれる文脈を目の前の子どもに合わせて探っていく

「すべての子ども」という言葉が,今の自分にとても響きました。
そのために,一斉授業や個別の時間などという形態に囚われることなく,「個」を見取り,その子の学びになっているかを探っていく必要性を感じました。


教科の本質に迫るための学習方法

研修の中では,宗實先生が個別最適な学びを意識し始めたころから,これまでの実践をまとめ,発表してくださいました。とても具体的に授業の様子や子どもの姿,記述をお話ししてくださったので,どのような過程を経て,実践を行なっているのかが伝わってきました。

自分が聞きながら考えていたことは,単元によって学習方法で重視することが異なるということです。例えば,子どもの姿から振り返り,「目に見えない」部分にもっと注目してほしいという願いのもと,次の単元を設計されていました。

少し抽象的になってしまいますが,宗實先生の実践を学習方法に着目してまとめていきたいと思います。

 宗實先生が大事にされている「問いと仮説」「目に見えないものに着目する」「自己評価」に対して手立てを打っていく中で,どんどん子どもたちが自律的に学んでいる姿が伝わってきました。

 宗實先生のご講演内容とつながる話があったので,引用させていただきます。

 個別化・個性化を標榜するとき,教師の役割は,「指導から支援へ」」「ティーチャーからファシリテーターへ」といった形で極力後景に退くことが望ましいと考えられやすいといえます。
 しかしながら,素朴な自発性信仰は,必ずしも子どもの主体的な学びを生み出すとは限りません。むしろ,子どもたちが自然と「学ばずにはいられない」学習環境をどのようにつくりだしていくか,あるいは,そのような主題と子どもとを出合わせていくのか,という点について,一層入念な「指導」が求められることになります。そこでは,教師による管理を排して子供を自由へと解き放つという単純な二分論ではなく,むしろ学習環境設計という形で(直接的な教師の指導以上に)間接的な教師の指導性が強く機能するのです。

熊井(2021),p.67

 学級における一斉指導場面では,どうしても教師の指導性は,指示,発問,評価,説明といった形で,子どもたちへの直接的な働きかけとなりやすいのです,しかし,個別化・個性化を実現しようとする取組は,教師が全員の学習を同時に管理できないがゆえに,放っておいても子どもたちが学べるような環境づくりに苦心せざるを得ません。そこでは,「指導をなくす」ことではなく,教師の指導のあり方が広くゆたかにとらえ直されているといえるでしょう。

熊井(2021),p.68

 宗實先生は,子どもたちが自律的に学べるように,学習環境設計という面で多くの手立てを打たれていることを学びました。ただ,この手立てを打っていけば自律的に学べるということではなく,宗實先生がやられていたように子どもの姿から指導の仕方を再構成していきたいと思います。

 私自身,その単元の学習内容をどのように授業するかという視点で授業を考えることが多かったです。今回の話を聴いて,学習内容だけでなく,学習方法や学習環境の視点でも単元構成をしてみたいと考えました。


最後に

まずもって自分自身が,子どもたちの学習を支える上で,「一斉授業」以外の選択肢をもっているかという部分を受け止めなければいけないと感じました。そして,自分の観の転換についても改めて振り返りたいと思いました。

最後にまだ,モヤモヤしていることや,これから調べていきたいことを整理していきます。

★なぜ,見取るのか?
★算数の場合,子どもたちが自律的に学ぶためには,何が鍵となるのか。
★算数のときは,どこまで子どもたちと材を共有するか。その方法は?
★算数での材の質について
★算数での単元計画表について

目の前の子どもたちと一緒に探っていきたいことがたくさんあります!

本当に素敵なご講演をありがとうございました。

【引用・参考文献】
熊井(2021)「第2章 個別化・個性化された学び ー「未来の学校」への道筋になりうるか」石井英真編著『流行に踊る日本の教育』東洋館出版社


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