見出し画像

「REFLEC BEAT」空白の時間

11月4日は、コナミアミューズメントのアーケード音楽ゲーム「REFLEC BEAT」の稼働開始記念日。
「REFLEC BEAT」の稼働開始記念日に合わせて11月4日に公開された今回のこの記事では、リフレクビートの歴史を振り返りながら、“悠久のリフレシア”で時間が止まって長い冬に突入したリフレクビートの運命を変えようと向き合った自分の心境と、これからの予定について書きました。

【「REFLEC BEAT」について】

そもそもの話、リフレクビートはいったいどんなアーケード音楽ゲームなのか。
このゲームは、タッチパネルを触ってリズムよくオブジェクトを取りながら対戦相手と勝負する。対戦相手はコンピューターや同じゲームセンターでリフレクビートをプレイしているプレイヤー、全国のプレイヤーのみならず、全世界のプレイヤーと対戦できる。譜面の内容がプレイサイドによって違ったり、リズムは同じでもオブジェクトが壁に跳ね返ってくるため、判定ラインに落ちてくる位置が毎回プレイする度に異なるのは、アーケード音楽ゲームでは斬新な要素だった。さらに、JUSTを量産して精度を重視しながらも、JUST REFLECをどのタイミングで放つのかという、戦略要素と心理要素も盛り込まれた。
ちなみに、この当時のアーケード音楽ゲーム業界におけるプレイ方法は、“ボタンを押すタイプ”や“パネルを踏んだり叩いたりするタイプ”、“楽器を使うタイプ”が主流だったが、コナミデジタルエンタテインメントは“タッチパネルを触るタイプ”という、今までとは全く異なる方法でプレイする、新しいタイプのアーケード音楽ゲームを開発した。しかも、スマートフォンはAndroidが参入したばかりの時期であり、スマートフォンアプリも音楽ゲームをプレイするアプリはなかった。
このゲームはやがて、プレイヤーたちの間で大きな反響を呼び、アーケード音楽ゲーム業界に大きな衝撃を与えた。これをきっかけに、他のゲーム会社もアーケード音楽ゲーム業界に参入しようと計画し始めたり、新しいタイプのプレイ方法を取り入れたアーケード音楽ゲームを開発しようと計画し始めたのです。

【「REFLEC BEAT」の歴史】

「REFLEC BEAT」1stバージョン

2010年11月4日に当時のコナミデジタルエンタテインメントは、自社の音楽ゲームブランド「BEMANI」の新たなアーケードゲームとして、「REFLEC BEAT」の稼働を開始した。1stバージョンはクールなイメージで、ゲームの雰囲気はおとなしめな感じだった。
このバージョンについては“対戦相手に勝利する”がクリア条件だったため、バトル要素が非常に強かった。

「REFLEC BEAT limelight」

リフレクビート史上初めてのメジャーアップデートバージョンである“limelight”は、1stバージョンのクールなイメージから一転、キュートなイメージに変わり、ゲームの雰囲気も明るい感じに。
クリア条件は“対戦相手に勝利する”から“アチーブメントレートがクリアゾーンに到達する”に変更され、「カラフルミニッツ」のジャケットに描かれていたパステルくんさんがこのゲームのマスコットキャラクターに起用された。

「REFLEC BEAT colette」

2回目のメジャーアップデートバージョンである“colette”は、“季節毎にバージョンが変わる”という、アーケード音楽ゲーム業界では新しい試みを採用した。“春夏秋冬”という名の通り、カラフルなイメージへと変わった。
JUST REFLECゲージの上限値を3個から5個へ引き上げた事や、下方向にもJUST REFLECが放てるようにした事で、今までよりも戦略性が増加した。
最終的には“All Seasons”をもって“colette”としてのバージョンが完結すると同時に、リフレクビートの盛り上がりは最高潮に到達したのです。

「REFLEC BEAT groovin'!!」

3回目のメジャーアップデートバージョンである“groovin'!!”は、ポップなイメージに変わった。
新しい難易度[SPECIAL]譜面や、新しいオブジェクト“バーティカルオブジェクト”、新しいモード「リフレク道場」を追加したことで、このゲームの充実感はさらに増加した。
その後、マイナーアップデートバージョンの“groovin'!! Upper”で、“groovin’!!”としてのバージョンは完結。ゲージがなくなると直ちに終了する機能や同時押しの目印を変更する機能を搭載するなどのオプションを拡充し、ボーナスポイントの加算方法を、ミスのカウント数に応じて加算する方式から、Upper GAUGE BONUSのレベルに応じて加算する方式に変更された。

「REFLEC BEAT VOLZZA」

4回目のメジャーアップデートバージョンである“VOLZZA”は、このバージョンがリフレクビートシリーズの通算5作目であり、この当時はリフレクビートシリーズの誕生からまもなく5年を迎えようとする節目の時期が近づいてきたためか、ビビッドなイメージに変わった。
新しいオブジェクト“スライドオブジェクト”が登場。“反射する”という要素が強かったこのゲームに、“リズムに合わせてなぞる”という要素が加わった。
そして、マイナーアップデートバージョンの“VOLZZA2”で、“VOLZZA”としてのバージョンは完結。相手オブジェクトの非表示機能や他の機種でもよく見かけるハイスピード設定機能が搭載されるなど、さらにオプションを拡充し、ボーナスポイントの加算方法は、“VOLZZA”時代に一度戻された従来のミスのカウント数に応じて加算する方式と、グルーヴボーナスのレベルに応じて加算する方式のどちらかを選択する形に変更された。

「REFLEC BEAT 悠久のリフレシア」

5回目のメジャーアップデートバージョンである“悠久のリフレシア”は、テーマがファンタジーに変わった。
[SPECIAL]譜面は[WHITE HARD]譜面に改称し、新しいオブジェクト“ビッグバンオブジェクト”と[WHITE HARD]限定の新しいオブジェクト“スイッチロングオブジェクト”が登場したが、“VOLZZA”で登場した“スライドオブジェクト”は削除された。“スイッチロングオブジェクト”は特殊な仕様であるため、“スイッチロングオブジェクト”と“ロングオブジェクト”を押している間もコンボ数が加算するようになった。“スライドオブジェクト”の削除と、コンボ数の加算方式が変更されたことに伴い、今まで収録されたほぼ全ての楽曲を削除した上で全楽曲全難易度の譜面を最初から作り直し、新しい譜面に作り直された楽曲から順次再びプレイできるようにした。
この当時は、“ファンタジーもの”や“異世界もの”のアニメ化が大ブームだったり、ライトノベルや漫画についても“ファンタジーもの”や“異世界もの”の作品がものすごく増えたりしたのだが、リフレクビートはそれに便乗して最新バージョンをこのテーマにしたのだと思われる。今までのバージョンからイメージを大規模に刷新したため、“リフレクビートシリーズの完全新作”という名目で再出発を果たし、コナミアミューズメントも“新生リフレクビート”と宣伝したのだが…

【悠久のリフレシアの大失敗】

しかし、“悠久のリフレシア”での大規模な刷新は、大きな裏目に出てしまう結果だった。“新生リフレクビート”の内容にプレイヤーたちから不満の声が続出し、かえってプレイヤー離れを引き起こしてしまった。
それどころか、コナミアミューズメントのアーケードゲーム公式大会である「KONAMI Arcade Championship」では、「The 7th KAC」で開催対象機種から除外されてしまい、これ以降のKACには参加しなくなった。さらに、BEMANI全体を巻き込んだ連動イベントについても、開催対象機種に入っていない。
リフレクビート書き下ろしオリジナル曲の追加は2017年12月1日を最後に、新曲の追加は2019年4月25日を最後に、過去曲の復活は2020年3月26日を最後に、それぞれ途絶えてしまった。なお、過去曲の復活は現在に至るまで全て完了していない。
こういった事情もあり、リフレクビートのアーケードシリーズは、公式からの発表がないものの、これからの更新予定と新規計画が白紙化された状態とみなされ、事実上、新作の開発が凍結されてしまった。宣伝では“新生リフレクビート”と謳っておきながら、このような結果になってしまったため、皮肉にも宣伝内容がプレイヤーたちを裏切ってしまい、“悠久のリフレシア”は大失敗に終わってしまった。

【「REFLEC BEAT」の新作開発が事実上凍結されたあとの心境】

この騒動により、“悠久のリフレシア”でリフレクビートのプレイを開始したばかりだったリアミサは、精神的なショックを受けてしまった。
インターネット上では“リフレクビートの終了が確定した”と判断する声が多かったが、“公式からの発表がないのにもかかわらず、終了とみなされるのは不自然”だと判断し、公式からの発表があるまで様子を見ながらも、これからの運命を変えるためにひたすらリフレクビートをプレイすることにした。
しかし、人気もプレイ人口もだんだん低下したため、リフレクビートを再始動するには時間の問題だった。さらに、設置していたゲームセンターも、閉店やこれからの収益が見込めないという理由で撤去するケースが相次いだ。それだけではなく、2020年から猛威を振るったあのウイルスの影響も受けてしまったため、リフレクビートをメインにしていたプレイヤーたちからも見放され、メインでプレイするアーケード音楽ゲームを他の機種に鞍替えする事態も起きてしまった。この結果、2022年11月4日の時点で、リフレクビートを設置していない都道府県も出てきてしまった。
事実、“悠久のリフレシア”が大失敗したあとの漫画業界とライトノベル業界とアニメ業界も、“ファンタジーもの”や“異世界もの”が増えすぎて飽和状態になってしまった。
一方のリアミサは、リフレクビートの新作開発が事実上凍結されている間に、新しいコンテンツや新しい友達と出会ったり、「WACCA」や「Dance Dance Revolution」、「オンゲキ」、「DANCERUSH STARDOM」、「beatmania IIDX」のプレイや職場での仕事をそれぞれ開始するなど、自分を取り巻く環境や情勢は大きく変化した。それなのに、リフレクビートの時間は停止したままであり、時代に合わせたトレンドにも便乗せず、元号が令和に変わっても、稼働開始10周年を迎えても、“悠久のリフレシア”の稼働開始5周年を迎えても、結局再始動に向けての進展はなく、プレイするのが精神的に辛くなってしまった。そして2022年の稼働開始12周年で、遂には干支が一巡してしまった。

【これからの予定】

新作の開発が事実上凍結された状態であるリフレクビートだが、現時点で個人的に言えることは、「稼働を継続するなら新作を出して、稼働を終了するなら停止して」、それだけである。これからの僕の予定としては、新作を出すのであればリフレクプレイヤーとしての活動は継続しますが、終了するのであれば、リフレクプレイヤーとしての活動は終了するつもりです。
リフレクビートの運営にいったい何があったのか。僕はこれからも、時間が止まって長い冬に突入したリフレクビートのプレイを、苦しみながら続けてしまうのか。禁止されている行動をしてしまって謝罪するのは決して悪いことではないです。でも、禁止されている行動をしてしまって謝罪しないのは、当たり前だけどダメなことです。
“悠久のリフレシア”の大失敗で心の闇を抱いている僕の気持ちを苦しみから解放して楽にするためにも、コナミアミューズメントはそろそろ正式な発表をしてほしいです。
そして、“Qrispy Joybox”さんと“DJ TOTTO”さん、せめてなら、一度だけリフレクビートで僕と一緒に対戦したかったです。

【記事作成にあたっての裏話】

この記事に文字を入力する度に心がしんどくなりました。