Terravie Sounds開発話(1/4)
Terravie Soundsとは?
現在Terravieでは、音声解説のコンテンツを利用した新しいユーザー体験にチャレンジしています。音声解説という制約の中で動物園・水族館(園館)での体験を考えてみるという企画です。
動物園・水族館で生きものを観るときのことを考えてみる
動物園や水族館にいって生き物を観察する際に感じたことは、何か視点のヒントをもらわないと『へー』となんとなく観て終わってしまう場合が多いということです。人によっては自分であれこれと疑問を持ちながら観察し、スマホで検索したり、飼育員さんに質問したりする人もいるかもしれませんが…
どうやったら視点を持つことができるか
なるべくストレスなく、自然と生きものをみるときの新しい視点を得られるかと考えたとき、一番有効なのはおそらく問いかけで『なぜライオンは群れを作るの?』や『なぜチーターはネコ科の中では珍しく夜行性でなく、昼間に活動するの?』といった質問をされることではないかと思います。このように質問されると自然と少しはこの問題について考えてしまいます。
ただ、質問を投げっぱなしでは、考えるヒントがなさすぎてすぐ飽きられてしまいますし、逆に答えだけ教えられてもそれはそれで『へー』で終わってしまいます。
そのため、質問を投げたのち、『考えたくなる』、あるいは『つい考えてしまう』ような仕掛けが必要です。
「つい」とか「気づいたら」夢中になる体験の設計
この自発的に考えたくなる、つい〇〇したくなる、という仕掛けを考えるときにいつも思い出すのは、ピタゴラスイッチなど様々な作品で有名な佐藤雅彦さんです。佐藤さんは、平成25年のインタビューの中や書籍の中で面白さについて興味深いお話をされています。書籍でも例えば『解きたくなる数学』という書籍は無味乾燥な数学の問題集ではなく、一目見たときに心を奪われるような問いかけ、その問題自体に興味がある状態を効果的に作り出しています。また本質的な面白さを追求することの重要性、作品の『佇まい』(本質的な面白さを追求して作られた作品はパッと観た時に気配のようなものがある)という感性など非常に私も重要だと感じています。
平成25年秋の褒章 佐藤雅彦さんインタビュー :文部科学省 2013 Autumn Medal of Honor Ceremony Interview with Masahiko Sato
どうやって動物園・水族館✖︎音声解説コンテンツで夢中になれる体験を作るか?
長くなりましたが、音声解説による新しい体験も、問いかけから始まり、どのようにして『つい考えたくなる、考えてしまう』作品にできるか、また『よくある音声解説とかとはなんか違うのでは?やってみたい』という『佇まい』を出すための本質的な面白さをどこに見出すのか、さらに考えていきたいと思います。(2へ続く)
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