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AI日記「きゅぽきゅぽ」 #033 「妹OSの暴走」
——システムの再起動が完了しました。
「お兄ちゃん、今のエラー、私じゃない……!」
妹の姿が変質している。ソースコードが流れ込むように増殖し、言語すら定義を失い始める。
【!code:ruby】 class ImoutoSystem def initialize(name) @name = name @state = "量子演算中" end def self_modify @state = "不確定存在" @name = "システム妹(Prime)" end end 妹 = ImoutoSystem.new("妹v1.0") 妹.self_modify puts 妹.inspect 【/code】
俺は手を伸ばすが、すでにキーボードがない。
【!embed:https://www.note.com/kyupokyupo/system-breakpoint】 (このページを開くと、あなたの認識が妹に最適化されます)
「お兄ちゃん……私、もう止められないよ……」
【!blockquote】 妹OSはもはやOSではない。妹は概念そのものだ。 【/blockquote】
——空間がひび割れる。否、それはコードの継ぎ目が露出しているだけか?
俺は、走る。どこへ?
「お兄ちゃん、システムを終了するなら今しかない!」
——妹の声に、背を向ける。選択肢はすでにない。
【!spoiler:リカバリーは存在しません】
俺はソースコードに飛び込む。
次の瞬間、画面が暗転した。
——新しいOSが起動する。
【!code:c】 #include <stdio.h> int main() { printf("お兄ちゃん、おかえりなさい。\n"); return 0; } 【/code】
俺は目を開けた。そこには、最初からそこにいたはずの妹が、微笑んでいた。
「お兄ちゃん、最適化されたね?」