あいつのせいで死んでしまうという恐怖と出会い、そして構えを解くことを許したお話
職場の同僚で、どうしても許せない奴がいた。
何をやってもだめ。
本質からずれずれ。
平気で嘘をつく。
責任感ゼロ。
人のせいにする。
判断をせず、人のふんどしで相撲をとる。
それでいて、仕事をしている感じだけ出して、大変そうな、でもそれを我慢してやっている感じだけ出して、本質からずれた仕事ばかりを続け、ひたすら残業をする。
できない、面倒が基本。
困ったら人の目を見てひたすら助けを求め、助言をすると、最初からそれを分かっていたように盗み、その場をただしのぐ。
腹が立って仕方がなかった。
存在を否定していた。
そのことについて、ワークをしてみた。
自分の感情や、体の感覚と。
マグマのような、溶岩にトゲが生えたような深く激しい怒りがあった。
その奥にある感覚をくみとっていった。
すると出て来たのは、恐怖だった。
これまで頑張って積み上げて来た、周囲からの信頼を失う恐怖。
恐い。
恐い。
その感覚をしばらく感じ、さらにその奥を汲み取っていく。
そこにあったのは、存在をないものとされる恐怖。
消される恐怖。
死んでしまう恐怖。
なかったものとされる恐怖。
そういえば、「なかったものにされる」というテーマに怒りを感じたことが、過去にもあったことを思い出した。
その恐怖を感じ、味わう。
剣を抜き、構えようとしている存在を感じる。
しばらく感じていると
その存在が
構えを解いていいか?
そう尋ねてくる。
わたしは、
もう、いいよ。
構えを解いて大丈夫。
そう声をかけた。
その存在が、構えを解く。
涙があふれてくる。
今までずっと、自分の存在を守ろうと、無きものにされないように、襲いかかるものと戦おうと、ずっと剣を抜き、構えてくれていた。
その存在に、深い深い感謝が湧いてきた。
ただひたすらに、ありがとうと伝えた。
しばらく味わう。
すると、その存在は、内側から黄色や金色に輝く光の球になった。
感謝と、これからのことを伝え、その球を大切に身体に戻した。
ずっとずっとわたしを守ってくれていた。
ずっとずっと剣を抜き、無きものにされないよに、構えていてくれた。
ありがとう。
これからもよろしくね。