07 ベトナムの道連れ
プノンペン滞在中、中国製のボロボロの原付バイクを買って街を巡っていたが、ビザの日数も残り少なくなり、ベトナムへの移動を決めた。
バイクは売却しても大した金額にはならないだろうし、時間もかかりそうなので、迷惑でないようなら、いろいろお世話になった謝さんにプレゼントする事にした。
謝さんを訪ねて、ベトナムへ発つ事、バイクを受け取ってほしいことを伝えると、なにやら家族会議を始め、やがて奥さんが私にお願いが有ると話し始めた。
奥さんと子供たち三人は、ベトナムの実家に帰る用事があるが、下の子供二人はまだ学校が有って出発出来ない。
次女だけでも先に返したいが、一人で行かせるのは危険なので、連れて行ってくれないか?
という事だった。
陸路で国境を越える移動をJKと・・・
「面白そう」
「ヤバそう」
「お世話になった人の頼み」
「ベトナム一般人の家への興味」
いろいろ頭を巡ったが、興味が勝ってしまった。
無職のバックパッカーに失うものはそれほど無い。
かくして無職のおっさんバックパッカーとJKの二人旅が決行されたのだった。