VRゴーグル向けビデオコンテンツとApple Pro Vision 2023/09
iPhone 15 ProおよびiPhone 15 Pro Maxが発表され、VRゴーグル Apple Pro Vision利用を前提とした「空間ビデオ (Spatial video)」撮影機能が搭載されるとのこと。
空間ビデオ (Spatial video)って何ですか
"Spacial"ですが、すでにMicrosoftのメタバース技術である「Azure Spatial Anchors」や Sonyの空間再現ディスプレイ(Spatial Reality Display)などで使われています。
MicrosoftのSpatial Anchorsは現実空間に位置情報のアンカーを打ち込み、その情報を共有することで複数人でのメタバース体験を可能にするものです。
SonyのSpatial Displayには目の位置を読み取るカメラが備えられており、これにより3次元コンテンツを立体的に見ることが出来るようです。
AppleのSpatial VideoはいわゆるStereoscopic(立体視)ビデオか?
右目と左目で見える画像を少しズラすことにより、まるで立体かのように見せることが出来る技術があります。19世紀、今から150年以上前からある技術です。
実際にAppleの発表でも横に持ったiPhoneで撮影する(カメラが水平に並ぶ)ことにより、Spatial Videoが撮れるというような見せ方になっています。
そうすると、AppleのSpatial Videoの説明映像に不可解な表現があるように思われます。
①被写体から2m~3mぐらい離れて撮影をしており、ディスプレイの中央に被写体が位置している。
②引きのショットでも、被写体と撮影者が離れているわけではない。一番右端の白シャツの座っている方がギリギリ入っているぐらいの画角。
③場面変わってVision ProでのSpatial Videoの視聴シーン。
上記の引きのショットでも入っていないような位置のパラソルまで投影されている。
もしこれがプロモーション上の演出でないとしたら、ですが、
ほぼ真横さえも撮影できる超広角カメラが搭載されているか、もしくドローンなどで周辺の景色も同時に撮影しAIで繋ぎ合わせている可能性もあります。 :smile:
最近気になったVRコンテンツ関連
「パススルー」
Deo VRというVRゴーグル向けコンテンツ版のYouTubeのようなサイトがあるのですが、 アプリがパススルー対応をしていました。
VRゴーグルを着けながらも外の景色が見える…という今では当たり前のようになった技術ですが、いわゆるクロマキー映像を投影することで、新たな映像表現が可能になります。
なにはともあれ、意外とパススルーはまだまだ表現の幅があるのかも知れません。
乗り物系アミューズメントなどで、現実とVR映像を部分的に使い分けるということも出来るかも知れません。
「ウォークスルー」 への一歩となるか? ECON
被写体を写した1枚の画像から、カメラから見えていない反対側を類推して3Dモデルを作成する技術。もし同様の発展技術があり、動画から3Dコンテンツ可が出来、ウォークスルーコンテンツを実現できる。
今のところ色などは載っていない模様。
エンタメなどのコンテンツとしてはまだまだ利用できないと思われるが、セキュリティ分野などでは現時点でも何かしら使い道があるかも知れない。
感想・懸念:ハードウェア性能
最新のパソコンの高性能GPUがゴーグル並みのデカさになっていることを考えれば、現時点で同等のメディア表現をVRゴーグルで実現できるわけはなく。
またバッテリーの問題もあるので(Appleは外付け判断)、「やっぱり既存アウトプットデバイスで見た方が良いわ」となる可能性が当分は高い。
※ 電源ケーブルを使えば良いが、定点接続ケーブルがあるとスタンドアローンの利点が
そうなると、Appleの立体視ビデオなどは手堅い選択に思えてきました。