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私の視点から見える、家賃保証企業「全保連」


不動産業界に携わり、不動産仲介から管理会社の立ち上げまで幅広く経験してきた視点から見える上場不動産企業を取り上げます。

今回は、沖縄が誇る家賃保証企業、全保連に注目してみます。家賃保証における優良企業は今をどう迎えているのでしょうか。


全保連とは

全保連は、家賃保証サービスを提供する企業であり、賃貸契約における「連帯保証人」の代わりとなる役割を担っています。2001年に設立され、沖縄県に本社を置きながら全国展開を進めています。

賃貸住宅を借りる際、これまで連帯保証人を求められることが一般的でした。しかし、高齢化やライフスタイルの変化により、保証人を確保することが難しくなっている現状があります。全保連は、こうした課題を解決するため、家賃保証サービスを提供し、賃貸契約のスムーズな締結をサポートしています。

同社は、「安心して住める社会の実現」を掲げ、家賃滞納のリスクを管理することで、貸主・借主の双方にとってメリットのある仕組みを構築しています。

家賃保証サービス

  • 賃借人向け:入居時に保証料を支払うことで、連帯保証人なしで契約可能。

  • オーナー・管理会社向け:家賃滞納時に全保連が立て替え払いを行い、回収業務を代行。

収納代行サービス

  • 家賃の回収を代行し、オーナー・管理会社の業務負担を軽減。

  • 未払いリスクの低減:安定した収益確保を支援。ホテル&オフィス事業

今後の成長戦略

  1.  家賃債務保証ビジネスのさらなる拡大                             賃貸市場の需要増加に対応し、家賃保証サービスの提供範囲を広げることで、事業の拡大を目指しています。

  2. 新たなビジネスモデルの実践                              家賃保証にとどまらず、関連する新サービスの開発や提供を通じて、多角的なビジネス展開を推進しています。

  3. DX(デジタルトランスフォーメーション)による強固な基盤構築               業務のデジタル化やシステムの最適化を進め、効率的で柔軟な業務体制を構築しています。

2027年3月期:売上高300億円・経常利益30億円・時価総額300億円

全保連、三菱UFJフィナンシャルグループの子会社へ

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は2024年度にスタートした現行の中期経営計画で「国内リテール顧客基盤の強化」をグループの主要戦略の一つとして掲げており、その具現化の一環。連結子会社化を目的とし、50.1%の株式取得を目指す。全保連は2001年に家賃保証事業を目的に設立。家賃保証は貸主に対して家賃の支払いを保証するサービスで、家賃の支払いが怠った場合、第三者が借主に代わって返済する。(2025年2月14日)

“賃貸保証”で成長を続ける企業の株価の行方は

同社は2025年2月に三菱UFJフィナンシャルグループのTOBを受けて開示をしています。安定したビジネス展開の賃貸保証企業ですが、PERが10倍半ばを推移しており、ビジネスモデルを考えるとまだ余地はある可能性がありますね。

同社の株価が今後継続的に上がる可能性のある要因として、以下が挙げられます。

  1. 賃貸市場の安定成長:住宅需要の増加により、家賃保証サービスの需要も高まる。

  2. 高齢化社会の進展:単身高齢者の増加により、連帯保証人を確保しづらい層が拡大。

  3. 不動産DXの推進:オンライン契約やデジタル化の進展により、保証サービスの利便性が向上。

  4. 事業の多角化:保証以外の収納代行や金融サービスへの展開も期待される。

  5. 市場シェアの拡大:全国展開の加速により、さらなる顧客獲得が見込まれる。

これらの要因に加え、三菱UFJフィナンシャルグループとの資本提携が進み、ビジネスに厚みが生まれ、更なる収益源の安定に繋がることで株価の上昇可能性が一層高まるでしょう。

まとめ

全保連は、家賃保証サービスを中心に、賃貸市場の課題を解決する役割を担っています。保証業界の成長とともに、同社の事業拡大が期待され、今後も安定した成長を続ける企業として注目されています。

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