SBIR制度って、どんな制度?
リアルグローブは、令和5年度に国土交通省のSBIR制度に採択され、現在「3D都市モデル自動生成・自動更新システムの開発及び実証」を行っています。
2024年10月15日〜18日に幕張メッセで行われた「CEATEC 2024」。
リアルグローブは、国土交通省 都市局ブース内(共同パビリオン出展)にて「SBIR事業 3D 都市モデル」で出展しました。
現在「3D都市モデル自動生成・自動更新システムの開発及び実証」は、リアルグローブが最も開発に力を入れている事業ですが、「SBIR制度」や「PLATEAU」について、申請に関わる部署や、直接開発を担当しない限り「言葉は知っているし、なんとなくはわかるけれど…」という、「今さら人には聞けない」状態になりがちなのです。
今回は「SBIR制度」について、簡単にまとめてみました!
リアルグローブが採択されたSBIR制度の内容
リアルグローブは、「中小企業イノベーション創出推進事業」(SBIRフェーズ3基金事業)(※)の国土交通省「災害に屈しない国土づくり、広域的・戦略的なインフラマネジメントに向けた技術の開発・実証」分野の公募に応募し、採択されました。
テーマ「都市デジタルツインの技術開発・実証」
(※)SBIR制度(Small/Startup Business Innovation Research)において、革新的な研究開発を行うスタートアップ等が社会実装に繋げるための大規模技術実証(フェーズ3)を実施し、日本におけるスタートアップ等の有する先端技術の社会実装の促進を図ることを目的とした事業。
〈フェーズ1〉
研究開発課題の内容を前提に、技術・ニーズに基づくアイデアの実証を実施
〈フェーズ2〉
フェーズ1で実施したアイデアの検証結果を踏まえた研究開発を実施
〈フェーズ3〉
先端技術の大規模技術実証を実施し、成果の円滑な社会実装を促進
SBIR 参画省庁
参画省庁:9府省庁
14事業(令和5年度末現在)を指定補助金等として登録
「指定補助金等の交付等に関する指針」及びそれを具体化したガイドラインに基づいて運営。
共通ルールに基づき、各省庁が連携して指定補助金等を運用することにより、単一の省庁では目が届かない幅広い領域をカバーし、多様な社会課題の解決に資する技術を育成する。
SBIRの歴史
アメリカで「SBIR(Small Business Innovation Research)プログラム」という連邦政府によるスタートアップ助成策が始まったのは1970 年代後半。「SBIR の歴史」として共有されているのは、1976 年に米国科学財団において試行的にはじまったと言われています。
技術の種をもつベンチャー企業から提案公募型でアイディアを募集し、補助金をつけて研究開発を促す制度ですが、SBIR 制度の起源となる発想は、1940 年代初頭にはすでに醸成され始めていたそうです!
そして1982 年に成立した「中小企業技術開発法」によって正式に法制化されました。
現在では国防総省(DOD)や航空宇宙局(NASA)など、11の連邦政府機関が関わっています。
SBIR制度における画期的な試みは、支援方法に段階性(Phase I〜Phase III)を取り入れることで競争原理を導入し、中小企業によるイノベーションの創出を促進したことにあります。
〈Phase I〉
研究者はまず研究テーマに応募する。
ここで採択されると通常6か月で15万ドルの補助額。。
(2024年時点、半年~1年で最大27万5000ドル)
〈Phase II〉
原則Phase Iの参加企業のみPhase IIに応募可能。
Phase Iの補助金をもとに研究を進め、半年後に「実現可能」と評価されると、通常2年間で100万ドルの補助額。
(2024年時点、2年間で最大200万ドル)
〈Phase III〉
Phase I、IIでの研究開発の成果の実用化、商業化を目的とします。
「実用化」に成功すれば、第3段階として製品の政府調達とともにベンチャーキャピタルを紹介してもらえます。
あの企業や商品もSBIR制度から生まれた!
衛星インターネットアクセスサービス「Starlink」を提供する「スペースX」社。創業者はイーロン・マスク氏ですが、商業宇宙飛行時代を牽引する事業の発端は米国の「SBIR制度」なのです!
他にも、アップルが採用した音声認識技術を開発したSiri(シリ)、ロボット掃除機のアイロボット、SBIRの8つのプロジェクトが集合した火星探査ローバーが開発されるなど、産業や科学技術にも大きな足跡を残しています。
アメリカや日本ではSBIR制度ですが、EUは「Horizon Europe」、英国では「UK SMART Grant」といった同様の制度が存在します。
《お知らせ》
リアルグローブは国土交通省のSBIR制度に採択いただき、現在「3D都市モデル自動生成・自動更新システムの開発及び実証」を行っており、一緒に開発するエンジニアを募集しています!
「Project PLATEAU」の開発に関心がある方、一緒に働きませんか?
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《関連記事・参考》
国土交通省:報道発表資料(令和5年11月21日)
URL:https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001028.html
SBIR制度 内閣府のページ
URL:https://www8.cao.go.jp/cstp/openinnovation/sbirseido/sbirseido.html
SBIR特設サイト
URL:https://sbir.csti-startup-policy.go.jp/
リアルグローブ・プレスリリース:NEWSCAST(2024-02-21)
URL:https://newscast.jp/news/8491361
Advanced Technology X:
URL:https://www.atx-research.co.jp/contents/sbir
米国SBIRやその類似制度の概要およびポイント
URL:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/sbir/2019/190709sbir08.pdf
リアルグローブホームページ
URL:https://realglobe.jp/