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パワハラ圏外の人は、耐えられるもの?!「多元的無知」の心理


パワハラ圏外の人が、退職する!

ある日、長年勤めてきた人が「退職します」と知りました。
パワハラ社長のもとで、パワハラされる光景を見続けてきた、パワハラ安全圏内に生息する方です。社内では、特別VIP席のようなものでしょうか。

そこは、パワハラ圏外でもあったし、耐性ができていて、おそらく辞めない方かもと思っていたので、私は、驚きました

自分は少数派という思い込み・「多元的無知」

これって、私自身が、「多元的無知」ではなかったのか、と気づきました。

「多元的無知」。
難しい言葉のようですが、「私だけが嫌だと思っているのに、周りは大丈夫なんだー」と思う心理です。
「自分だけがそう思っている」「少数派の意見なんだな」と思い込む心理。多元的に考えればわかることでも、考えられないことで、無知になるという心理です。

例えば。

残業:「社員のみんな残業をしている。だから、残業しよう。(実際は、全員「帰りたい」と思っている)」

謎の朝礼:「自分はとても嫌だけど、周りの人やしっかりした意見を言っているので、必要なものなのだ。(実際は、全員「嫌だ」と思っている)」

ってな感じです。

ちなみに、全員がそう思うようになったら、「みんなが同じ考えを持っているのに、なぜかみんな『自分だけ』と思っている」となります。いわゆる「同調圧力」ってやつです。

パワハラ企業に在籍中、私より長く在籍している同僚について、私はこう思っていました。

「パワハラ圏外だし、私より長く在籍できるわけだから、耐性ができていて、耐えられるのかも」。
・・・んなわけないやん!

パワハラ圏外の人は、ブラック企業では耐えられる!?

ある人は、退職するときに圏外さんのことを、けなすわけではなく、しんみりと、こう語っていました。

「圏外さんは、他人があんな風に大声で罵倒されているのをよく見ていられるなって・・・(不思議)。
圏外さんは『自分がやられたら即辞めるけど、他の人が言われているのは耐えられるんです』って(驚き)。」
と。

本当に、「他の人が言われているのは耐えられる」って、言葉通りに捉えるべきなのか。
圏外さんは、そう自分に言い聞かせないと続けられなかったんじゃないか、と思うのです。心の底では、耐えられてないはず

罵倒される人を見て、自分だけが心を痛めているわけがないし、みんなきっといつも心を痛めている。人間だから当然のこと。続けている人は、ただ自分をだますのが上手なだけ。

いつも多元的に柔軟に考えてゆかないと、と思ったのでした。難しいけど。

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