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同僚が「パワハラ社員」と化けてゆく・5つのステップ

かつて所属していた不動産会社では、同僚がパワハラ化してゆく段階もつぶさに見てきました。
その過程は、あまりに心を痛めるものでした。


<注意!!>
パワハラ被害者になって病気になったことのある方、ここから読むのはあまりおすすめいたしません。


ここでは、パワハラまでに至る段階を書いてゆきます。


(前段階)パワハラ社長、社員にパワハラしまくる

パワハラ社長は、社員にパワハラしまくります。
その理由は、理不尽かつ、気分屋。例えば、パパ活彼女とうまくいっていないイライラのはけ口であることもあります(人としてどうよ)。

もちろん、ストレスのほこさきは、パワハラ同僚だったり、いろいろな従業員だったりします。
「理不尽な叱責を3時間もされる」とか「いつ叱責されるかわからない」恐怖を日常的に送っていれば、人はどうなるのでしょうか。

悲しいかな、人とは弱い者。
耐えられる人なんていません。
・弱者への攻撃となる人、
・社長派になる人、
・ただ聞き流す人、
・真っ先に退職する人・・・
それぞれの防御方法があって、個性が出始めます
ここ、大きな分岐点です。

ここでは、「弱者への攻撃する者」を選んでしまったケースをつづってゆきます。

登場人物:パワハラ社長
    パワハラ同僚(「パワハラ上司」とします)
    ターゲットになる部下(「部下さん」とします)

(1段階目)部下さんの粗さがしをしだす

イライラから、ターゲットとなる部下さんの粗探しをし始めます。
人は誰だって悪い部分があるもの。だけど、悪い部分は良い部分と表裏一体であることもあります。
この「悪い部分」しか見なくなります。

「事務作業が遅い」(⇔丁寧にしている)
「言ったことをすぐに覚えられない」(⇔一度に言い過ぎ?伝え方に問題)

まったく、長所を褒めなくなります。この段階では黄色信号。

そんなとき。パワハラ社長が部下さんのミスを「パワハラ上司の責任」として叱責したら?

ここでパワハラ社長が登場。
部下さんがあるある書類ミスをし、そのミスを発見したパワハラ社長が、パラハラ上司に「上司の責任だ!」として徹底的に罵倒したら・・・その怒りは、完全に部下さんに「まんまコピー」されてゆくのです。「あなたのせいで私は社長から叱られましたよ」と。負の連鎖です。

このあたりから、赤信号になります。



(2段階目)部下さんのすべての行動にイライラしはじめる

書類ミスは誰にでもあるもの。それも、いろいろあるのは、当たり前です。人は失敗で成長するからです。

当然、書類ミスも積み重なってゆきます。粗さがしが得意なパワハラ上司は、部下さんの書類すべてに校正チェックを入れざるを得なくなります。また、パワハラ社長に激おこされるからです。

いつしか、その「校正チェック」が、部下さんの行動の「監視」と変化してゆきます。ますますイライラは募ってゆきます。

この段階では、「マネージャーを追加する」とか別の解決法があるかと思います。



(3段階目)2人きりの空間で、叱責しはじめる

日を重ねるうち、そのイライラは限度を超えてゆきます。目に余る叱責をするパワハラ上司に、他の同僚はお願いをします。「パワハラだからやめてほしい」と。

ですが、すでにイライラは限度を超え、お願いは聞き入れられることはありません。むしろ逆効果になるのです。

それは、「2人きりの空間で、叱責しはじめる」からです。他の同僚に見られないようにし始めるのです。

2人きりの空間では、ますますヒートアップします。怒りの感情は暴走し、止められません。止める人もいませんし、抑止力もありません。

ここまで来ると、修復不可能。席替えや、配置転換以外、無理です。



(4段階目)取引先がいる中で、部下さんを罵倒する

罵倒が日常的になってゆくなか、ますます行為はエスカレートしてゆきます。
次の段階は、「外部取引先がいる手前でも、部下さんを罵倒する」、です。異様に映るであろう、取引先の感情やあからさまな不快感は、一切、目に入っていません。

これはどういう意味か。

パワハラ上司の中では、部下さんを叱責することが「正義」「善行」となっているからです。本人の中では、正しいことなのです。
正しい行為であるので、取引先の前でも平気。むしろ見てもらいたい、そういう段階にまで至っています。
もちろん、取引先の顔は見もしません。自分都合の世界にいるわけです。

完全に認知が歪んでいます。とても残念です。



(5段階目)人格を否定しはじめる

最後はこれ。
人格否定です。書くのもいたたまれない罵詈雑言。思い出すのも涙が出てきます。

そこには、倫理観なんてどこへやら。切なくなってきました・・・このあたりで止めます。


連鎖を止める方法はあったのか

よく、同僚として振り返ります。
「どの段階でパワハラを止められたのか」
「ほかに止める方法はなかったのか」

入社したばかりの一ヒラ社員に、根本的な解決策は実行できなかった、言い訳ですが、これが私です。

この問題は、本質的には組織の問題です。
パワハラ社長を頂点とした、「パワハラを認める文化」のトップダウン体制。
会社というのは、いい意味でも、悪い意味でもトップの影響を受ける。今回のは、完全に悪い影響を体験しました。

パワハラ社長のもとには、加害性あるパワハラ社員が集まりやすいのでしょうか。それともそのような環境が、人間にもともとある加害的な性質を露見させてしまうのでしょうか。
よく、わかりませんが、あまりの歯車の悪さ、相性の悪さに、すべてが残念でなりません。

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