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ミームコインに絶対手を出さない理由

昨今、ドナルド•トランプが創設したトランプコインやイーロン•マスクが要因となり爆騰したドージコインなど様々なミームコインがあり、爆騰してから手を出す人が散見されますが自身がミームコインに絶対手を出さない理由を簡単に纏めました。

金融・投資の観点

1. 非効率市場におけるリスクプレミアム

ミームコインの市場は情報の非対称性が極めて高いです。創設者やインフルエンサーが価格を操作できる環境では、価格変動は通常のファンダメンタルズではなく、噂や感情に支配されます。この非効率市場では、情報を持たない一般投資家は常に不利な立場に立たされます。

2. 持続可能性の欠如

通常の株式や実用性のある暗号通貨はキャッシュフローやユースケース(使い道)を基盤としていますが、ミームコインはそれが欠如しています。投資としての価値を測る際に基準が曖昧であるため、投機的な要素が中心となり、本質的な価値評価が困難です。

3. 流動性の罠

一部のミームコインは、投資家が購入しやすいように設計されているものの、流動性が低い場合があります。流動性が低い場合、価格変動が急激になる可能性が高く、大口保有者(鯨)が市場に与える影響が顕著になります。これにより、一般投資家は一瞬で大きな損失を被るリスクがあります。

行動経済学的観点

1. 群衆心理とFOMO(Fear of Missing Out)

ミームコインは話題性やSNSの影響で急激に注目を集めます。この状況では、群衆心理が働き、多くの投資家が「出遅れたくない」という恐怖で購入に走ります。しかし、多くの場合、このタイミングは価格がピークに近く、損失リスクが高いです。

2. 認知バイアス

ミームコインの創設者やインフルエンサーは、誇張された期待値や利益の話を強調します。投資家は「自分だけは成功する」という楽観バイアスや、過去の成功例に基づく代表性バイアスに陥りやすく、冷静な判断を失う可能性があります。

規制と法的リスク

1. 未整備な法規制

多くの国では、ミームコインを含む暗号通貨市場に対する規制が未整備です。このため、プロジェクトが突然終了しても、法的な救済措置がない場合がほとんどです。特に、ポンプ・アンド・ダンプや不正なICO(Initial Coin Offering)の場合、投資家が被害を受けても訴訟や返金が難しい状況が多いです。

2. 規制の変化による市場リスク

規制が強化された場合、ミームコイン市場が突然縮小する可能性があります。過去にも、政府の介入で市場が大きく揺れた例(例:中国の暗号通貨禁止)があり、こうしたリスクを予見することは困難です。

結論

ミームコインはその名の通り、ジョークや話題性から生まれた投機的資産であり、一般的な投資商品とは本質的に異なります。
専門家の観点からは以下のように評価できます:
1. ミームコインは一般的に「ゼロサムゲーム」または「マイナスサムゲーム」であり、誰かが利益を得る一方で、他の誰かが損失を被ります。
2. 特に創設者や早期の投資家が圧倒的に有利な構造であるため、遅れて参入する一般投資家は「養分」となりやすいです。
3. 投資対象として選ぶ場合、ポートフォリオの一部として限定的に取り入れるべきであり、全資産を投入するような行為は極めてリスクが高いです。

投資する場合は、短期的な利益を狙うのではなく、長期的に価値を創造するプロジェクトを選ぶことを推奨します。

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