流行りのボカロ楽曲に対してMVでバズったと叩く人の層と心理について

こんにちは。佐々木です。
今回はサツキさん作曲、channelさんが動画を手がけた楽曲、メズマライザーを批判する人の心理について考えていこうと思います。



事の経緯

現在YouTubeでは9800万再生を越えるキラーチューン、メズマライザー。
ラビットホールのファンアートで更に人気を博したchannelさんによって明るい雰囲気だがどこかダークな感じなMVが手がけられており、その中毒性に魅力された人々も少なくない。
曲も安定のサツキ節といったところで少しポップな雰囲気にはなっているがいつものハッピーハードコアといって差し支えない。
批判の発端はこの曲が驚異的な速度で伸び、バズったことにある。
この状況に対し「この曲が流行ったのはMVのお陰」という批判を投げかけるポストがX(旧Twitter)で時々見かけるようになった。
挙句の果てに「現在のボカロはMV頼りで退化している。2010年代のボカロは良かった」などと宣う評論家キドリすら溢れる惨状となっている。
このメズマライザーの一件が飛び火し、吉田夜世さんのオーバーライド、ゆこぴさんの強風オールバックなどにも飛び火していることが確認できる。
こうして彼らの言う「MVで伸びた楽曲」に対する問題は肥大化していった。

叩いているのはどんな層なのか


陰口代行botというアカウントで投稿されたポスト

上記の内容が現代のボカロに対して不満を持つ人々の意見の集約と言ってもいいと思う。
リプでも賛否両論が分かれていたが、賛同者はかなり攻撃的で特にメズマライザーに対するヘイトが高かったことが確認できた。
実際に
「メズマライザーときゅうくらりんは別に大した音楽でもないのに考察要素に力入れてます感あって不快」

マサラダといよわを聴けというリプに対しても
「どちらもMV頼りだよ」
という意見があった。
これにかこつけてボカロ自体クソと批判する人もおり、気になったのでこれらのアカウントに飛んで、プロフィール、ポスト内容、リプライ内容などを少しだけ確認してみた。

実際にアカウントに飛んでみると意外にも5割がボカロ、プロセカ、アニメ、ゲーム、VTuber、が好きなアカウント、もう半分が主にリプで暴言を吐く為に作られたような捨て垢、ヒカマニばかりをリポストしているアカウントだった。

叩く人の心理とは

次にこれらの流行りの曲をMVで流行ったと叩く人はどのような心理なのか考えていきたい。
まず先に述べた叩いている層についてもう一度確認しておく。
5割がボカロ、プロセカ、アニメ、ゲーム、VTuberが好きなアカウント、もう半分が主にリプで暴言を吐く為に作られたような捨て垢、ヒカマニばかりをリポストしているアカウント

まず叩く心理がわかりやすいであろう後者から考えていく。後者に関してはボカロにほぼ興味がないが適当な理由にかこつけて叩きたいという人がほとんどあると考えている。
こういうアカウントは鉄道、VTuber、ボカロ、自転車など批判を受けやすい界隈には常駐しているようなアカウントなので反論するだけ無駄である。
実際に私にもリプライが飛んできており、その人のプロフィールから返信欄を見ると片っ端から「MVで流行ったのは事実だろ」などと言い回っていた。

問題は前者の方である。
前者はボカロ、プロセカ、アニメ、ゲーム、VTuberなどが好きないわゆるオタク層から叩かれているのである。
なんならプロフィールにボカロ好きを自称するアカウントさえも存在していた。
しかし、少しアカウントについて探ってみるとボカロを結構聴いている訳でもなかったり、そもそもボカロを聴いているかすらも分からないアカウントがほとんどであった。
ここで一つの疑念が浮かんできた。

「彼らは元々サツキというボカロPを知らなかったのではないか」

恐らく彼らの中でのサツキさんの評価は
channelさんという有名絵師を起用していきなりバズった無名ボカロPという認識なのではないだろうか?

この感じでいくと吉田夜世さんもいよわさんも代表曲であるオーバーライドときゅうくらりんしか知らない。

彼らはこれらのボカロPが以前から評価されてきたことを知らないのではないか。
そしてもうひとつ。皮肉なことに恐らく彼らはMVしか見ておらず音楽を聴いていない。
そうでなければこれらの楽曲に対して考察系のMVに対してすごくもないおまけ程度の音楽、メズマライザーときゅうくらりんは別に大した音楽でもないのに考察要素に力入れてます感あって不快なんて感想が出るわけがないのである。
曲の好き嫌いはあるとはいえどメズマライザー、きゅうくらりんの音作りに対してすごくもないという感想は流石に出ない。
彼らはミーハーなのだと思う。曲に対する知見がないという自覚故にミーハーに思われたくない一心で評論家を気取り「こいつはMVでバズった」と烙印を押すのである。
そうすることによって自分がミーハーではないと思い込みたいのだ。
彼らは音楽に対して正当な評価を下せないが故にMVしか見ていない。「MVで流行った」などと自分は曲を正当に評価できるかのように振舞っていたのに真に曲を評価できていないのは彼ら自身なのではないか。
「昔の曲の方が良かった」というのも他人からの受け売りのように感じられる。自分で曲を評価せず他者の批判に流されてしまってはいないか。

伝えたいこと

確かに彼らの言っていることが完全なる間違いでは無い。今のボカロの流行りはポップで動くMVにEDMっぽい曲調であることは間違いない。しかし、私が否定したいのは音楽がおまけ程度で大したことがないということである。大したことがなければ普段からあそこまで再生数が伸びることはなかっただろう。
ボカロにも流行りはあるし、それは移り変っていく。その時代の流れに棹さすことも必要になってくる。
ミーハーに思われたくないが故に流行りを批判するミーハーというが倒錯が起こってしまい、MVでバズったと批判することによって音楽を正当に評価できないことが露呈するというのに墓穴を掘り続けるという皮肉。
一番の楽曲評論家気取りがMVしか見ていないという自家撞着に至っているのである。





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