結婚式と甥っ子について
人の結婚式に出席することが好きです。
たしかに、ご祝儀の相場3万円があるし、出席しまくればチリツモになるけど、やっぱりすばらしいものだと思います。
結婚式、て美男美女じゃなくても(失礼だけど)新郎新婦二人がその日だけは主人公で、誰もが『おめでとう、おめでとう』て二人を祝福します。
ここで表面上は、とかそうするのが結婚式とか考えるのはやめましょう。
とにかくみんなが主人公の二人を祝福して笑顔あり涙ありの感動の場にいることが、私は好きなんです。
普通に生きてたら、こんなに笑顔になる場所、てなくないですか?
殺伐とした職場でそんなニコニコしないでしょう。
トレードやったって数字の金が増えた、減った、て墓場まで金持っていけないのになんでがんばるの?なんてたまに考えたり。
結婚式のプラスの空気の場にいることが、なんか良いんですよね。
私には姉貴がいます。
姉貴が高校を卒業して実家を出るまで、私は「あんた」としか呼ばれたことがなかったし、私も「お前」としか呼んだことはありませんでした。
そんな姉貴が結婚することになり、結婚式に呼ばれました。
しょうがないから、私は出席しました。
結婚式で、姉貴は泣いていました。
両親も泣いていました。
私は悔しいから、泣くのを我慢しました。
約10年後、姉貴は離婚しました。
生まれていた一人っ子の甥を連れて、実家に帰りました。
私は実家を離れ、東京で暮らしていますが、実家の両親はしんどい思いをさせていると思います。
普通であれば、年に数回帰省する孫のことを「かわいいかわいい」てやってればいいものを、まだ学生の甥っ子の親代わりをまたやって、時には厳しい態度で接して嫌われなければならないのだから、しんどいと思います。
甥っ子が3歳くらいのときに、私は一度だけ会ったことがあります。
食卓に出された桃がおいしかったのか、私の桃を横から一方的に自分の物のように食べて「おいちぃ」と笑っていた記憶があります。
私はその甥っ子に、20歳まで年1万円のお年玉を渡したと仮定し、先払いで20万円姉貴の口座に振り込みました。
「お前、早く投資でも勉強させるか、欲しい物でも買ってやれよ」
て。
姉貴は「あんたかっこ良いとこあるじゃん、ありがと」て言ってましたがどうでも良いことです。
甥っ子だけは、これからもせめて金の心配はさせないようにしてあげたいと思います。
甥っ子が片親でさみしい想いをしているのは、大人の責任であって、甥っ子に非はないからです。
甥っ子は私の顔を覚えていないはずだし、名前も知らないと思います。
ただ、結婚したことがない私には、甥っ子はずっと桃を食べて笑っていた、たった一人のかわいい甥っ子です。
甥っ子が結婚することがあれば、呼んでくれるなら行きたいし、その時はご祝儀を弾もうと思います。
『おめでとう』
の言葉を添えて。