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YCC打ち切りをめぐる静かなバトル 西野智彦の金融取材ファイル#7

先週から始まった新企画「異次元緩和解体編」の第2回です。黒田さんの突然の心変わりで始まったイールドカーブ・コントロール(YCC)の修正は、当事者たちの当初の思惑とは異なる方向へと動き出しました。そのプロセスを追います。

「YCC打ち切り」めぐる総裁、副総裁の静かなバトル

 黒田東彦が決断した2022年12月のYCC修正は、その狙いとは裏腹に、国債のカラ売りを招く最悪の展開となった。修正の可能性をあれほど否定したにもかかわらず、手のひらを返すように長期金利の変動幅を突然拡大したため、「日銀は信用できない。またサプライズの政策修正があるかもしれない」と市場を警戒させてしまったのである。

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