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「銀行界はもう少し自主努力すべきだ」  西野智彦の金融取材ファイル#15

みなさん、こんにちは。「宮沢喜一と公的資金」編の第3回です。1990年代初頭、バブル崩壊による金融不全を懸念した宮沢首相は、公的資金の導入に向けてひそかに動き始めます。最初のターゲットは「財界総理」でした。

宮澤喜一と公的資金③
首相、財界総理への根回しは不調に

 
1992年8月15日、土曜日。休暇先の軽井沢から一時帰京した首相の宮澤喜一は、全国戦没者追悼式に出席した後、午後1時すぎからホテルオークラ別館で経済団体連合会(経団連)会長の平岩外四と会談した。

当時の新聞では、景気対策を中心に意見交換が行われたと報じられたが、会談の実態は生々しいものだった。宮澤に随行した秘書官が記録し、政府部内で閲覧された会談メモを初公開する。

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